今日は観劇1本の為だけに大阪に遠征。ああ、贅沢♪
東京にて公演2日めと、その約1週間後に観ていますので
本日で3回目。東京公演では公演前半ばかりだったので
どう変わったのがが楽しみでした!
大阪に向かう近鉄特急は珍しく満席。そうか3連休初日だったね。

蛮幽鬼「蛮幽鬼」3回目
梅田芸術劇場メインホール20列目
13:00開演、16:10終演
ストーリーなどは省略!

1回目の感想
2回目の感想

 



開演前に5列目の下手通路側という、ヨダレの出そうな席に
居るかずりんさんとお話し、私ははるか後方へ(笑)。

「蛮幽鬼」はありがたい事に席運が良く、東京公演は
6列目、2列目と前方席で観てきました。
次に観る大楽も最前列。それはそれで非常に嬉しいのですが
正直ちょっと観づらいところもあり、21列と後方ですが通路側。
全体も見渡せて観やすいお席で良かったです。
(決して負け犬の遠吠えではない(笑))

そう言えば、いのうえひでのりさんが最後列に座ってました。
最近はいのうえさんを拝見しても、驚かなくなってきたな(笑)。

梅芸名物

 

はい、梅芸名物大ポスター。
お約束で写真をパチリ♪

 

 


今回の感想は、役者さんではなく、ストーリー面を中心に。
長いよ、今回も(笑)。御興味のある方だけ・・・。

前に観てから1ヶ月以上経ってるし、今日は花道の無い梅芸です。
結構いろんな所が変わっていて、以前に観たよりもずっと
しっくりくる、腹に落ちる感じの安定感ある舞台になってました。

これ、復讐劇なのかな・・。
漠然とそう感じていたのですが、今日観て、ちょっと違うな、と
確信しました。少なくとも土門の復讐劇ではない。
事前に「次は復讐劇だ」「ベースはモンテ・クリスト伯だ」と
聞いていた事で、かえって惑わされたのかもしれません。

土門は“復讐の鬼”になったのか?
・・・・結局土門は、変われなかったんじゃないだろうかと思う。
確かに酷い仕打ちを受け、憤怒にかられているのは間違いない。
そして「仕返し」をする為に自分を奮い立たせ、果敢に昔の友に
立ち向かった。それは“”。

でも美古都は飛頭蛮を初めて見た時に気づいていたように思える。
「例え姿形が変わろうとも私は土門を見分けられる」と言う美古都。
それは土門が以前と変わらぬ目をしていたと言う事なのかな・・と。

鳳来国を潰すといいながら、「富める者は更に富み、貧しいものは
更に貧しくなっている!」と鳳来国をえている。
ぶっ潰すつもりなら、「ざまーみろ」と思ってもいいぐらいなのに
例え仕返しのための“手段”であったとしても、民衆に本来の蛮教
を説き、炊き出しをして民を救っている。

前に観た時から「どうしてそんなに美古都を執拗に憎む?」
と思ったのだけど、やはり美古都を愛する気持ちがあるからこそ。
愛するからこそ気になるし、その裏返しで憎くもなる。
美古都が大王でなければ、あそこまで怒らなかったでしょ?

結局、土門は本質的には何も変わっていなかったのではないか。
サジの作ったレールに知らぬ間に乗せられ、仕返しをすれば
自分が救われると思い込まされていただけ。
だから「復讐劇」と言うよりも、大きな悲劇の為に“復讐心”で
自分自身をがんじがらめにしてしまい、結果、自分自身で考える
事を止めてしまった男が、自分で考える事を思い出すまでの話かと。
最後はまるで今まで正確に時を進めてきたサジの時計が止まって、
代わりに土門の時計の針が動き出すようでもあったな。

ラストシーン、美古都を抱きしめ=美古都に自分を刺させたまま
再び動き始めた土門自身の残り僅かな時間の中で、美古都の頭を
愛しそうに撫でる土門が凄く良かったですよー。

そして今回、私は今まで勘違いしていたんだ、と気づく所数箇所。
・美古都が「散った二つの魂」と言う“二つ”は以前兄と土門かと
 思ってたけど、兄と大王のことですよね。
・学問守を断って宮中から去って行く土門の後ろで「そういうやり方が
 あったのか」と呟くサジ。これは“土門のやり方”ではなく、
 “惜春のはかりごと”について言っていたのね。
私ってば、上っ面しか観てなかったのねぇ・・・とつくづく思いました。

東京では花道のある新橋演舞場で、大阪ではどうするんだろう?
と思っていましたが、左右の短い花道と左右の通路を多用して
いました。
ただやっぱり、花道から時間を掛けて歩いてくる・・というのも
こちらとしては楽しみの一つだったりするので、東京でそれが
観いておけて良かったな、と思います。(花道好き♪)

そういった点の他に私の印象に残ったのはペナンの最後。
場所が舞台センターになっていただけではなくて、土門の悲しみ方。
東京ではもっと大声で「ペナン!」と言っていたように思うのに
静かに抑えた声で「ペナン・・・・」とつぶやくんですよね。
ひたすら大声で喚くシーンが多いから逆に、すごく心に残ります。
でもその反面、浮名とのやり取りはむしろ上川さん悪ノリじゃない?
と思うほど楽しそうになってました。

道活の日ネタですが・・・
「南港のフェリーターミナルで待っていただけ」
「東京に戻って事業仕分けしなきゃ」
「死ぬ前に一度ストレートパーマあてたかった」
「事業仕分けでの蓮舫議員の話し方はいかがなものかと」
って感じですかね。
日ネタというより大阪ネタとして、酒に酔っ払ったよし子さんを見て
「高槻の実家に連れてったって〜」と言ってましたね(笑)。

梅芸はミュージカルも上演が多いと言う事で、音響が良くて
オープニングでいきなり驚いてしまいました。
新感線は特にいいですよね。
今回は「これでこの芝居は終わり」と頭では分かっているくせに、
エンディングで拍手をするのを忘れていました。
個人的にはラストシーンの歌の“歌詞”は要らないな・・と思うけど
(歌詞があると、イメージが限定されてしまってイヤなんですよね)
いい舞台だったと思います、すごく良くなったと思います。本当に。
堺さんの殺陣もずっとスムーズになっていたし、早乙女君は以前より
すごく自然になっていて、山内さんは更に独特の雰囲気が生きてるし
亨さん、千葉さんも、じゅんさん、聖子さんも相変わらずステキです。
エンディングの後、いのうえさんがニコリともせずにお席で何度も
大きく頷いていらっしゃいました。

さあ次は大楽です。
祝日のある週なのに有給とって大阪行きます(笑)。