1本目を観終えて、スイーツとコーヒーで小休止。
本当はこの作品は2本立てにするにはハードだろうなと思ったけど
最近仕事が忙しめで平日は難しいし、来週はまた違う作品が公開
され、そちらも観たいのでやっぱり今日観ておくか・・と。

ゼロ・ダーク・サーティ「ゼロ・ダーク・サーティ」
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジェシカ・チャステイン、ジェイソン・クラーク、ジョエル・エドガートン
【あらすじ】
とてもCIA分析官には見えないが、情報収集と分析に天才的な感覚を持つ女性マヤは、ビンラディン捜索に巨額の予算をつぎ込みながら、一向に手掛かりをつかめない捜索チームに抜擢された。だが捜査は困難を極め、その間にも世界中で、アルカイダのテロにより多くの血が流されていた。ある日、仕事への情熱で結ばれていた同僚が、自爆テロに巻き込まれてしまい・・・。<9.11>から10年、全世界が目撃したビンラディン殺害。本当は何が行われたのか。世界を揺るがす驚愕の事実がここに―。



時間も150分と長いですし、重い作品ですから・・・
ぶっちゃけ、消耗しました。やっぱり2本目に観る作品じゃないな(笑)。
こちらも満席近くになっておりました。

エンドロールで「この作品は実際の事件や、実在の人をベースに・・」
みたいな文章が流れていたのですが、速過ぎてすべて読めなかった。
なので、どこまでが実話なのか・・は定かではありませんが、
実在の人からの聞き取った話をつなぎ合わせて作り上げた・・
と言った感じのようです。なので、限りなく実話って事でいいんでしょう。

9.11は本当にショッキングでした。
中継映像から目が釘付けになったのを今でも覚えています。
そしてその時に、アメリカは全力で報復をするだろう、と確信したし
その報復に対してまた暴力で報復が重ねられるだろう・・とも。
そう思った時の無力感を改めて思い出させてくれる1本でした。

“マヤ”は確かに有能な分析官なんでしょう。
でも、マヤの感情はとうとう一度も語られません。
国防のためなのか、テロを阻止したいのか、仲間を殺された報復を
したいのか・・・・。もしかしたら、それら全部なのかもしれないけど。
本来は「テロの続発を防ぐ」という“目的”があったとして、その目的を
達成する“手段”として「ビンラディンを殺害する」んだと思うけど
マヤの場合は、時がたつとともに、「ビンラディンを探し、殺す」という
事自体が目的になってしまっているように思えるんですよね。
最後の飛行機でのマヤを観ると、“達成感”と言うよりは“燃え尽き感”
満載だったように見えちゃったのは私だけでしょうか。
フライヤーには「使命か、執念か」とありますが、“執念”かなあ。

でも、だからこそ映画そのものも感情的な(感情を煽るような)
つくりではなく、淡々と事実を積み重ねていく、と言う造りになって
いましたね。その点については好印象です。

ビンラディンのやった事(テロ)は決して許される事ではないし、
正当化される事でもない。それについては私も異論はないんだけど
ああいう殺し方は、何か・・・重いものを飲み込んだような気分に
なりますね。まあ、綺麗ごとって言われたらそれまでなんですが。

しかし、この“マヤ”って人、「リストに載ったら消えることはない」
んでしょ?映画なんかになって大丈夫なのかしら?
もちろん、その辺りは考えて作られているとは思いますけど・・。
そうそう、これはあくまで実話をベースに作られたフィクション作品。
そういう冷静さは、観る側としてはちゃんと持たないとね。

騒動通り“重い”作品で、見応えもあり、考えるところも多かった
のですが、ガッツリ疲れてしまいましたとさ(笑)。