朝イチでホットヨガに行き、向かったのは名演小劇場。
職場からは近くて便利だけど、わざわざ行くにはちょいと不便な
場所にあるので、「えいっ!」と思わないと、なかなか行けない・・。
「17歳のエンディングノート」
原作:ジェニー・ダウンハム『16歳。死ぬ前にしてみたいこと』(PHP研究所)
監督・脚本:オル・パーカー
出演:ダコタ・ファニング、ジェレミー・アーヴァイン、パディ・コンシダイン、オリヴィア・ウィリアムズ
【あらすじ】
若くして余命を宣告された少女テッサは引きこり生活を送っていたが、17歳になり、いよいよその時が迫っていることを悟る。仕事を辞めて治療法探しにのめり込む父親や現実を受け止められない母親をよそに、テッサは親友とともに「お酒を飲む」「セックス」「ドラッグ」「法律を破る」など危険な「TO DOリスト」を作成。残りの人生を精いっぱい生きようと決める。そんな時、隣に引越してきた青年アダムに恋をしたことから、テッサは生きることの意味を考え直すことになる。
まあ、決して大きくは無い劇場(50名前後?)なのですが、
満席とはいかないようですね。
勝手に思っていましたが(そういう作品が好み好みって訳でもないが)
そういう感じではなかったのが意外でした。
主人公のテッサは急性リンパ性白血病。辛く苦しい化学療法を
止めて、痛み止め等で残りの人生を迎えることにしている。
テッサ曰く「癌マニア」の父が栄養バランスの良い食事などで免疫
バランスを整えようと心を砕くが、テッサには煩わしくさえ思うように
なっている。
・・・なんか、分かる気がするわー、こういう感じ。
親の愛情を素直に受け止められないのって、ありがちよね。
「病気になると強くなるって言うけど、あれ、嘘」とか、全体に飾らず
素直な17歳の女の子って感じがする。
ちょっと自暴自棄になっている所もあるけど、でもメチャクチャな事
をするような、そこまでの勇気もないんだよね。
そういう暗澹とした前半と、アダムに恋してからのテッサでは、
本当に表情も違うし、穏やかになっていくんですよね。
決して「感動しろよ!」ってのを前面に出した映画ではないのだけど、
やはり終盤からは泣けました。
充実した“生”を送れば送るほど、死にたくなくなるし、
覚悟していたつもりでも、娘の死を直前にすると親は取り乱す。
そんな中でも自分の死がきっかけで、家族が少し再生した様子を見て
「もう大丈夫」と言うテッサは、17歳には思えないですよね。
でも突然鼻から出血して、その出血が止まらないシーンは衝撃的。
その状況にオロオロするだけで全く役立たずの母親や、ショックで
何も出来ないアダム。
そんな状況でも「こんな姿を見られたくない」というテッサの乙女心と
病院に運ばれてからの冷静なテッサが印象的でしたね。
化学療法を止め、定期的に看護師さんが自宅を訪問し、投薬したり
状況確認もしながら、カウンセラー的な役割もしてくれる。
「これからどうなるの?」という状況にも逃げずに、末期のがん患者の
症状を、冷静に的確に伝えていく様子を見て、ああ、こういう
最後の迎え方って、とても恵まれているなあ・・なんて思いました。