映画を観る事は嫌いじゃないのですが、最近はすっかり新たに
公開される映画をチェックしなくなってしまっており、いつも行く
スターキャット系列で上映されるものばかり観ておりました。
これも「観てみたい」という気持ちが無かったわけではないのですが
既に公開されているか、これからなのかも知らない状態で・・。

小さいおうち (2)小さいおうち
作:中島京子  監督:山田洋次
出演:松たか子、黒木華、片岡孝太郎、吉岡秀隆、妻夫木聡、倍賞千恵子、他

【あらすじ】
健史(妻夫木聡)の親類であった、タキ(倍賞千恵子)が残した大学ノート。それは晩年の彼女がつづっていた自叙伝であった。昭和11年、田舎から出てきた若き日のタキ(黒木華)は、東京の外れに赤い三角屋根の小さくてモダンな屋敷を構える平井家のお手伝いさんとして働く。そこには、主人である雅樹(片岡孝太郎)と美しい年下の妻・時子(松たか子)、二人の間に生まれた男の子が暮らしていた。穏やかな彼らの生活を見つめていたタキだが、板倉(吉岡秀隆)という青年に時子の心が揺れていることに気付く。




1本目の上映を待つ間にふと気づいたんです。
「今日はどの映画館で、何時に観ても1000円だ!」と(笑)。
(1本目を観た映画館は会員なので、いつ観ても1000円です。)
残念ながら映画に1800円は出せないんですよね〜、私は。
これだけ観ていても、1800円出して観たのは、過去に1本だけ。
舞台なら10,000円超の舞台を何本も観たりするのに(笑)。

この作品は既に自宅近くのシネコンではレイトショーが無いし
名古屋駅前のシネコンではレイトショーがあるけど開映が遅すぎる。
だからもう観る事もないだろうな、と思っていたんですが、
今日、昼間に行けばいいんじゃん!

で、慌ててミッドランドスクエアシネマのサイトで調べてみると
ホットヨガに行った後(1本目を観た後、レッスン予約済)
ちょうどいい時間帯に上映がある♪
なので、その場でネット予約して、座席GETです!
我ながら、良く思いつきました♪


いやー、これも良かった!観に行って正解でした!

老女が死ぬ前に自分の若い頃に奉公していた、女中時代の
思い出を書き綴った“自叙伝”のお話です。
冷静に考えると、戦争という歴史的背景はあるにせよ
誰かが死ぬとか、すごい大きな事件がある話ではない。
むしろ、「戦争中はこんなに大変だった」という話とは真逆で
戦争中でも、日々の生活がそこにあった・・と思わせるというか
中には“それなりの生活”を送っていた人も居たんだな・・と
思わせる内容なので、過激度は限りなく低い。
そこを「つまらない」と思う人が居ることは想像できますが
私にはとても面白かった。

まずは女優陣が素晴らしい。何と言っても松たか子さん。
拝見するのはお久しぶり!なんですが、美しいし、
さすがに着物が似合うし(帯締めを口にくわえて、鏡の前で
帯を結んでいるシーンは凛々しいし、着物を脱いだり、
会話をしながら着物をたたむ様子は手慣れてます)
ちょっとした心の動きが、きちんと表現されていて、さすが。
お着物も洋装も、なんかむしろモダンで素敵でしたよ。

そしてすごく良かったのは黒木華ちゃん。
「表に出ろいっ!」はロランスちゃんで観たので、華ちゃんは
「ザ・キャラクター」が初見かあ・・、記憶にないけど(笑)。
でもその頃から知っていると考えると、これだけの役をこなす
女優さんになった・・って、すごいと思います。
もうタキちゃんそのままって感じ。忍耐深くて、控えめで。
お見合い相手である笹野さんが(!)、お茶をズズズーって
音を立てて飲むシーンで、わずかにおでこをピクっとさせて
嫌悪感を表していたんだけど、上手いと思った〜。

劇中の時子さんとタキちゃんの関係と、松さんと華ちゃんの
関係も似ているから(初めて観た舞台が「贋作・罪と罰」だったそう)
そういう面でも余計に感情移入しちゃったかな。

最後の浜辺を歩くときに言った老いた恭一のセリフがまた
良くてねぇ・・。本当にタキちゃんに聞かせたかった・・って
私まで思ってしまいましたよ。せめて目が見えて時子さんと
タキちゃんの写真を見せてあげたかったなあ。
あのセリフに、それぞれが過ごしてきた年月の重みを
感じちゃったりして、感慨深かったです。

しかし、吉岡君が20代って言う設定はどうなん?私と同い年
なんですけど!(40代中盤ですがな。)