やっと名古屋にやって来ました、この公演。
Twitter等で目にする感想は「浦井クンすごい」と言うものが多くて
リピートしている人も多くいる模様。浦井クラスタの私としては、
それはそれは楽しみでございました。
(席が悪くてテンション急降下だったけどね(苦笑))

シャーロックホームズミュージカル「シャーロックホームズ〜アンダーソン家の秘密〜」
愛知県芸術劇場大ホール 2階3列目
18:30開演、21:30頃終演
上演台本:中谷まゆみ 演出:板垣恭一 訳詞:森雪之丞

出演:橋本さとし、一路真輝、浦井健治、昆夏美、石井一彰、宇野まり絵、竹下宏太郎、コング桑田、大澄賢也
【あらすじ】
クリスマスの夜にイギリスの名門アンダーソン家で2発の銃声が響く。邸宅にいたのは家長アダムと双子の弟エリック、そして2人に愛され、今はアダムの婚約者となったルーシー。 その事件直後から、ルーシーは行方不明となり・・・。 難事件解決が人生の楽しみそのものであるシャーロックホームズの元に、アンダーソン家の3人の男が次々と調査依頼にやって来る。  一人は、アンダーソングループの会長でもある長男のアダム。  一人は、兄の陰に隠れるように生きる弟エリック。 そしてもう一人は、2人の叔父でアンダーソングループ副会長である野心家のポビー。  単純な失踪事件ではなさそうなこの案件にホームズは助手のワトソンと共に本格的に着手する。 ほどなくアンダーソン家の周辺人物が一人ずつ殺害され始め・・・。



一昨日からの体調不良も「この舞台だけは観に行くんだ!」という
強い思いで克服したようなものです、マジで(笑)。
あんなに何も食べられなかった状態だったのに・・・・。
とはいえ、先日のトークイベントで、誰が犯人か・・とか、「実は・・」
と言う部分を先に聞いてしまっていたんですけどね(笑)。

確かに浦井ファンにはたまりませんねー、見どころいっぱいで。
(私、彼の歌の低音が響いて好きなんですよね♪歌上手くなったよなあ)
ていうか、浦井ファン、増えるでしょ、これは(笑)。

終演後、カーテンコールを観ずに席を走って立つ人もちらほら
見られたので遠方から遠征していらっしゃった方も少なからず
いらっしゃったんでしょうね。
満席にはなっていませんでしたが(2500人定員ですから・・)
平日公演で、あれだけ入っていれば、名古屋にしては上出来・・かな(笑)。

思い切り偏った感想はこちら(笑)。↓




先日のトークイベントで、登場のときから「犯人役の浦井君で〜す」
と登場し、本人も面白がって「犯人の浦井ですっ♪」を繰り返していたので
その辺りはもう分かってしまっていたのですが、実際に舞台を観ると
トリックを知っていても楽しめる事は多かったです。
演出側も「敢えて分かるように演出している所もある」という話でしたし。

元々は韓国ミュージカルで、「ラストが韓国ミュージカルっぽかった」と
お友だちが言っていました。私はその辺りは良く分かりませんが、
この作品、「容疑者Xの献身」とプロットは非常に良く似ています。
・切れ者の解決者に淡い恋心を抱く異性の平凡なアシスタントがいる
・犯人は善良で、とても犯人とは思えないタイプ
・愛する人を庇って犯罪に手を染め、その人を守ろうとする。
・愛する人が自分自身を憎むように仕向ける
・事件の全容が分かった時、「事実を暴く事が正義なのか」と主役が悩む
・そしてラストの犯人の慟哭。

あの映画で堤さんが演じたポジションを、この舞台では浦井が演じていて、
映画でも「主役は堤さんだよね〜」と思ったのと同様、浦井君が非常に
美味しいポジションの作品になっていました。
もちろん、演じる側が演じきれて初めて言える事なんですけど。
それだけ、この作品はエリックとアダムの演じわけが“肝”になってます。


実際、チラチラと目に入ってくるネット上の感想では「演じわけが凄い」
と言うものが多くて期待していたのですが、実際凄く良かった。
声が違うのはもちろんですが、席が遠かったのに、それでもちゃんと
表情や雰囲気が一瞬で変わるのが分かりましたもん。
ちゃんとエリック(の時)は服の裾をギュっと握る癖があるんだなあ、とか
アダム(の時)は髪をいじる癖がある事になってるんだなあ・・とかもね。
仕草も、全然違うと、本当に別人に見えるのが凄いです。
そして、スレニーを殺してしまった後、エリックの中でも変化が
(歯止めが効かなくなっていく感じ)見られて、面白い。

明確に二人を分けすぎると、双子である意味が薄くなっちゃうから・・
という事で、差は敢えて微妙にしているとか、僅かにアダムっぽさが
出ていたり、差が分かりづらい所もあったけど、それも話の展開上
意図的にそうしている、と言う話をトークイベントで聞きました。
普段の浦井君はエリックのほうがイメージが湧きやすいんだけど
アダムのような役も本当に合っていて、私にはアダムの方が魅力的で。
こういう暴力的なイヤな奴、今後も是非挑戦してもらいたいです。
また歌も本当に良かったです。
別に今までも下手だなんて思ってないけど、安定感あって感情も乗ってて。
浦井ファンがリピ観したくなるのは、もう納得の1本ですね♪

舞台作品自体は、割とライトな感じのエンタメ性の高いものでした。
音楽のボリューム的にミュージカルと言うより音楽劇に近いかなー。
(その点はストプレ派の私向き(笑))
東京公演を観た韓国版スタッフが「日本版の方がコミカル」と
言っていたというのも、理解できる感じです。
さとしさんのコミカルさはもちろん、一路さんも、コングさんも、
楽しそうに演じていらっしゃいましたから、笑いもよく起きていました。
(さとしさん、終盤でセリフを初見の私でも分かるように
ハデに間違えてましたけどね(笑))

ただ「アダムは何も持っていない」というセリフが何度か出てきていて
それがキーになるんだと思うんですが、エリックに比べてアダムの
人となりや背景の説明が少なくて、「何もない。アダムは空っぽ」
といきなり言われても、分かるような、分からないような・・。
浦井君曰く「この兄弟はきっと小さい頃は仲が良かったんだと思うんです
いじめられるエリックをアダムが守ったりとか。」なんて話してくれましたが
アダムの背景や、そういう描写の部分がもう少しあると、納得性が
高かったかなあ・・なんて思ったりもします。
ルーシーがアダムを選んだ理由は置いておいて、エリック自身が
アダムに対して身を引いた事に違いはないですからね。

浦井君の事ばかり書いちゃいましたが、さとしさんも、一路さんも
夏美ちゃんも歌は聞き応えがあるし、さとしさんの憎めない
キュートさがすごく活きていた作品だったと思います。
お席が後ろ過ぎて、細かい表情までは堪能できませんでしたが
これはもうDVDの発売を待つという事で(笑)。

カーテンコールでは、名古屋出身の一路さんがネイティブ名古屋弁を
披露してくれたり、さとしさんが「未来のアパートメントみたいな劇場」
(オペラ仕様の大きな劇場で、5階席まであるので)なんて言って
笑わせてくれましたが、とても楽しい舞台でした。

そして、いつか浦井君のジキハイが観たいと思った私なのでした。