「THE BIG FELLAH」を観る予習のつもりで読んでみました。

密告「密告− IRAテロリズムへの決別
   NHKスペシャル−家族の肖像」
 
著:山本修治
【あらすじ】
スパイ、そして明日なき逃亡。IRAに対するスパイ活動が発覚し、追われる身となったマーチン。弟は報復のリンチを受け、IRA支持者の母は苦悩の底に沈む…。命がけの取材を敢行したジャーナリストによるノンフィクション。





浦井君は「勉強は役者がすること。お客様は観て感じてくれれば」
とインタビューで言ってました。
私も、予習しなきゃ全く分からないのは、そもそも舞台としてどうなん?
と思いますし、また同時に、分かりやすい舞台≠いい舞台だとも思います。

とはいえ、翻訳劇(特に現代劇)に関してはねー。
歴史や文化、宗教的な背景が違うので、それらが分かった方が
より楽しめるのも事実だと思うのですよね。 
何より、私のIRAという組織に対する知識が「テロを起こした」とか
その程度しかなくて。

舞台の予習のつもりではありますが、自分が勉強したい、
と言う想いもあって、読んでみることにしました。
(観劇が絡めば、前向きに取り組める観劇バカですから(笑))



 
NHKの連続ドキュメンタリーである、「家族の肖像」の1回を
書籍化したのがこの本なのだそうです。
あまりテレビを見ないので、このドキュメンタリーも観たことが無くて。

ノンフィクションなのですが、途中で出てくるリンチが凄惨すぎて
(決して文体や表現が煽っているとか過剰な訳ではない)
その様子を想像したら、ガチで貧血になってしまって、
帰宅途中の電車で真っ青になってしまいました。 

結論。

・・・理解できない・・・。(文章としては理解できるけど)

多分、日本に住む日本人には本質的な意味では永久に
理解できない世界なんだと思います。 宗教観が違いすぎる。
だって、カトリックもプロテスタントも“キリスト教”なんでしょ?
(↑こんな事を言っている時点で既に、もうゼンゼンダメでしょうね(笑))

それぞれの違いを調べてみたし、知っている部分もあったし、
知識としては分かるけど、でも最終的にはどちらもイエス・キリストを
信じているのに、なんでいがみ合ったり、殺しあったりするのか・・。

しかも、この本の内容はごくごく最近の話じゃないですか。
「9DAYS Queen」を観たときにも、プロテスタントとカトリックの
確執が取り上げられていたけど、その頃からずーっと続いている
って事なんですよね。

もちろんテロ組織という側面もありますが、IRAが地元にどう
受け止められているのか、IRAがどういう働きをしているのか、
どういう歴史をたどって現在の組織になったのか・・。
本当に知らなかったなあ・・と恥ずかしい思いでいっぱいです。
このマーティンと言う人のドキュメントではありますが、
とても分かりやすいIRAの説明があって、助かりました。

何故イギリスでテロが頻発していたのか・・はここに原因があり 
ヒースロー空港のセキュリティが他のヨーロッパ各国に比べて
異常に厳格な事は、国民性によるものだけじゃないって事ですよね。

もういい歳なのに、知らないことばっかり(涙)。
でも、少しずつでもいいので、こうやって知っていければ。
観劇がそのキッカケでもいいですよね〜♪