先日「炎立つ」を観に行った後で「原作を読んでみよう」と思い
密林にアクセスした時にふと目に着いたのがこの本です。

火怨上火怨下











「火怨  北の燿星アテルイ」(上)(下)
著:高橋 克彦


どうやら、とても有名な作品のようで、ブックレビューもとても良かった
のですが、恥ずかしながら私は存じ上げず。 
ただ、「アテルイ」という単語は、新感線好きの私の興味のスイッチを 
押すのには十分でございます(笑)。 



 
もうねー、とっても面白かったのです。
久しぶりの本への没入感。面白くて止められないくせに、
終わってほしくない、このまま読んでいたいような感覚。
結末は史実として知っていながらも、ラストシーンでは思わず
泣いてしまいました。

とにかく、阿弖流為や母礼のような蝦夷たちはもとより、物部の
天鈴や田村麻呂など主だった登場人物の個性が魅力的で
読んでいて絵が頭に浮かぶようで惹きつけられてしまいます。
そして何より人として魅力的に描かれているのですよ。
文体も読みやすいし、アラハバキとは・・も描かれていたりして
「ほお」と思う事もいろいろ。 

私は読み終わったら売り飛ばしたり、捨ててしまったりすることが
多いのですが、これは手元に是非置いておきたい本になりました。
ああ読んでよかった・・・。

そして、これが舞台だったら・・・と妄想キャスティング(笑)。
改めて新感線の「アテルイ」での染五郎さんと堤さんは
絶妙のキャスティングだったなあ、と思うのですが、ドラマ版と
同じく阿弖流為は大沢たかおさんも悪くないかもね。
猿之助さんもいいかも?年齢的に厳しいけど(笑)、唐沢さんとか。
母礼は上川さんとか・・坂上田村麻呂はやっぱり堤さん、ああ
こっちを上川さんでもいいかもしれないし、年齢的に染五郎さんも
似合うかもしれないなぁ。

・・・再演しないかな、「アテルイ」。