「星ノ数ホド」をリピったきっかけは、このシアタートーク。
新国立劇場で以前参加したシアタートークが充実していて印象が良くて。
このシアタートーク目当てに観劇日を選んだ浦井クラスタが多いのは
客層がいつもの新国立主催の演目と明らかに違うのでも明白です(笑)。
キャンセル待ちの行列までできていましたから。
だから、舞台が終わっても殆ど席を立つ人おらず。

でも、目でざーっと確認したところ、10数席は空席があったため、 たぶん
別の日のチケットを持っている人(ポストトークのみ参加希望の人)も
20名ぐらいは参加できたのではないでしょうか。

「お待たせしました」と進行役の中井美穂さんが登場、そして
参加者が全員登場です。
上手から宮田慶子さん、浦井健治さん、鈴木杏さん、小川絵梨子さん 。
「椅子が準備されていないなぁ」と思って見ていたのですが
浦井君と杏ちゃんだけは、中央にある木の根元にじかに座り
それ以外の方は、(客席にも置いてある)クッションをセットの上に置き
そこに腰かけていらっしゃいました。
(中井さん曰く「歳の人には座るものがあるんですね」とのこと)

宮田さんから、この「対話する力」のシリーズの目的などの説明があって
他のメンバーの自己紹介があって、シアタートークスタートです。

時間はおよそ1時間。
思い出せる範囲で書き出してみます、つらつらと(偏ってます)。
ご興味のある方だけどうぞ↓



 
(宮田さん(宮)、小川さん(小)、浦井くん(浦)、杏ちゃん(杏)、中井さん(中)とします)

(中)この戯曲をみつけてきたのは?
(宮)私と制作部です。初めて読んだとき「ええ、どうゆう構造になってるの」
  確かに人生には多くの岐路があって、その先が変わっていって・・という
  日常に生きているとは思うけど、舞台ではどうやるの?気が狂うよね?と
  思っていたら、やっぱり稽古場では気が狂いそうになっていたそうです(笑)。
(中)託された小川さんは?
(小)私はラブストーリーをあまりやったことが無かったんです。
   これは全部で40(40幾つだったかは覚えていない)のシーンで
   できているんですが、ちょっとずつ設定が違うし、その前後も違う。
   繰り返している事も分かってもらいたい。
   シーンが変わるところ、今回は音でやりましたが、暗転にしたほうが
   いいのかとか悩みました。台本だと線が引いてあって説明が書いて
   あるだけだから、「書くだけならいいけどよぉ」と思いました。

(中)お二人はどうしてこの作品をやろうと思ったんですか
(杏)二人芝居というチャレンジと、台本がまず面白かったので。でも
   稽古場に来たら「あーあ」と思って(笑)。読むのとやるのとでは大違いで
   脳みそから鼻血が出そうでした。
(浦)いい経験だと思うし、鼻血も出たり吐いたりもしますけど(笑)
   それも楽しいというか。

(中)3人とも初めてですか、それぞれどういう印象でしたか
(杏)浦井さんは“花”みたいな人だなと思って。ふわーっとしていて。
   舞台でピカーと光っていて。私が観るときの浦井さんの役って
   バカな役が多いので、これをこんなにナチュラルにできる人って
   すごいな、って(爆)
(浦)ぼくはもう「青い鳥」の頃からテレビでも見ていて、バスにのれば
   うんちゃら〜(杏ちゃん、広告に出てるのか?)って。
   すごい有名なんだけど、まだ20代なのにドーンとしていて。
(杏)小川さんは私をオッサンって言うんです
(小)杏ちゃんは前に一緒にやった事があって、浦井さんはビッグフェラーの
   印象しかないからミュージカルって感じがしないんです。
   でも二人ともすごく一生懸命やってくれて・・・。
   大きいけど、二人とも娘と息子みたいな感じ(笑)。
(中)お二人は小川さんの印象は?
(浦)先輩から「絶対にあきらめない人だから」と言われていた意味が
   わかりました。
(杏)厳しいし、まっすぐで諦めない。鍛えられています。
   昨日昼と夜の間に1時間20分ぐらい稽古したんですよ(笑)。

(中)二人芝居だとお互いの事を知るのが大切でしょ?
(浦)稽古が始まってからスタッフさんも含めてゲームやったりして
   そういう所からお互いを見つけるキッカケになったりして
(杏)あと、芝居をしている時の方がプライベートで話すよりも
   分かるというか、ごまかせない感じがします。

(中)あんなに微妙にしか違わないシーンが続くのって大変ですよね?
(杏)変わる事に理由があって、同じことの繰り返しではないので
   思ったよりは大丈夫。もっと混乱するかと思ったけど。
(浦)設定が全部違うので、そこが自分に落ちていれば・・。

(中)稽古中とか煮詰まった時にはどう打開していたんですか?
(浦)打開しませんでした。
(宮)すごく浦井クンは潔かったです。ボロボロの時はボロボロって
   感じがしたし。俳優さんがさらけ出してくれているのをみて
   いい現場だなと思いましたよ。このスパルタの演出家によく
   ついていったよね。
(浦)スパルタとは思ってないですけど
   
(杏)今回台本を取り上げられている俳優さんを始めてみましたよ。
   台本って稽古場に忘れていくと怒られたりするんですよ、普通。
(宮)台本ってお守りっていうか拠り所なんですよね、俳優さんにとっては。
(浦)今回僕3冊取り上げられて、4冊持っているんです。
(宮)とてもまじめなので、演出家のダメ出しやアイデアを台本に
   ビッチリ書き込んでいるんですよ、それを取り上げるんですよ、
   あの演出家は。
(浦)台本に頼ると、なぞってしまって、芝居に対応できなくなって
   しまうから。
   ※小川さんは過去に何回か台本を取り上げた事があるようです

<会場から質問>
「出演されているお二人が、この相手でよかったと思えるところ、
 小川さんがこの二人で良かったと思えるところを聞かせて下さい」


(浦)鈴木杏さんは人に対して優しくて、自分も人と対話ができる
   ように優しくなれたような気がするんですが、接している人の
   影響かなと思って、すごい影響を与える人だと思います
(杏)嘘がつけない、誤魔化せないし誤魔化してもバレちゃう。
   すごく器用な人だと何を考えているかわからなくて、怖い
   と思う時もあるけど、何を考えているだろうと思うときには
   何も考えてないんだって。
(小)杏さんは半分以上オッサンなんですけど、信頼してくれる
   浦井さんは最初の頃は何を考えているんだろうと思ったりしたけど、
   そのまま受け止めればいいんだって。あとはすごく真面目。
   普通だったらキレられるような事も言ってきたけど、2人に
   キレられなくてよかったと。
   海外に居たとき「NOTE(ダメ出し)を言われるような俳優になれ」
   と言われていたのだけど、二人が受け入れてくれたのが
   ありがたかったです。

 
どの話の中で出てきたフレーズだったか忘れましたが、宮田さんが
“本番中に起こった事”が“現実”なのよ。それがライブでやる意味。
というコメントがあって、なるほどなぁ・・と思ったりしました。

新国立のシアタートークらしく、俳優だけにスポットがあたるのではなく
芸術監督や演出家の話も多く聞けて、とても興味深い1時間でした。
あと、進行の中井さん自身が演劇をよくご覧になって詳しいので
ストレスなく聞くことが出来たのも良かったな。
(以前、局アナの酷い進行に遭遇した事があるので、軽くトラウマ。)

皆が「小川さんがスパルタだった」を何度も繰り返していたのだけど
浦井君は「言ってもらえるのはありがたい」「別にスパルタとは思わない」
と言っていたのが印象的でした。
これを踏まえて、もう1度観られるのはラッキーだな、と思います♪
次回の観劇が待ち遠しくなりました。