公演情報でキャストを見て「行ってみたいぞ」と思ったものの、
芝居なのかミュージカルなのか、コンサートなのか今一つ
よく分からないまま・・。「ユイット」と言うからには8番目という事
だろうから、シリーズモノなのかしら?

ユイット「SHOW-ism VIII 【ユイット】」シアタークリエ22列(最後列)
作・演出:小林香
出演:井上芳雄、蘭寿とむ、大貫勇輔、坂元健児、フィリップ・エマール、佐藤洋介、加賀谷一肇、池田美佳、彩吹真央 
【あらすじ】 
時は現代、所は・・地図に載らない、どこか。豪華ホテル“オテル・ド・ユイット”には金と暇を持て余した奇妙な人々が住んでいる。このホテル、8番目の部屋はずっと、空室。嘘か真か、ここでは探し物が必ず見つかるという。そこへ招待状を持った客人たちが訪れる・・・何を探しているかも、よく分からないまま・・・・。




観劇直前にHPを観たら、毎年のようにやっている企画なんですね。
以前「TATTO」に浦井君がゲストで出た、という事は知っていたのですが
それもこのシリーズだったのねー。
でもチケ取りは苦労しましたわ。芳雄FCでは取り扱いが無かった
ようなので、いったい皆さんどこでGETしているのやら。
“興味がある”という観劇理由のため、この公演に関しては最後列でも
ちっとも苦にならず、むしろ俯瞰して観られていい感じ。

この公演はドリンク付きのため、開場したらまずドリンクコーナーへ。
(ここが混むからか開場は予定よりも10分早かったです)
スリーブ白ワイン











入場時にスリーブが渡されますが、別にドリンクの引換券という訳
じゃなくて、単純にスリーブとして使ってください、という事らしい。
メニューは赤ワイン、白ワイン、ウーロン茶。(おかわり自由)
体調的にあまりアルコールが飲みたいって気分じゃなかったのだけど
ここでウーロン茶っていうのも冴えないなあ・・と思って、白ワインチョイス。

日曜日にソワレがある事が珍しく、しかも日曜なのに19時開演。
だいたい19時開演になる演目は上演時間が短いのが常なのですが
今回は2時間30分。つまり終演は21時30分。
名古屋行の最終の新幹線は22時ちょうど東京発ですが・・間に合うか?
と、ドキドキしたまま開演。





3×3に仕切られた部屋の中にいる住人達がポージングしている姿の
オープニング。部屋の断面が見えるようになっているんですね。

その姿とライティングの美しいことと言ったら、まるであのシーンが
そのままポスターのようです。

 

ホテルには9部屋あり、住人達たちは裕福で、名前は全て番号で
呼ばれています。「1」を表すun(アン)がこのホテルのオーナー。
ちなみに住人達は・・・
M.Un:井上芳雄、 Mme Duex:彩吹真央、 M.Trois:坂元健児 

Mlle Quatre:ジェニファー、  M.Cinq:フィリップ・エマール 
Mme Six:蘭寿とむ、 M.Sept:大貫勇輔。

住人たちはお金があるだけではなく、時間も有り余るほどある。

なぜなら、ドクトルが作った不老不死の薬を飲んだから。
でもそれはM.Unが恋人のMme Sixに出会う前の事だったから
Mme Sixは不老不死ではない。 

愛するMme Sixとともに老いて死ぬため、不老不死ではなくなる薬を
手に入れるため、夜な夜なサロンを開き、いろいろな客を招いて、
その薬を作る事の出来るドクトル探し続けている日々。

 

Mme Sixが自ら不老不死になろうとすると察したM.Unが、密かに
薬をすり替えておいたのに、Mme Sixはそれを見越して、すり替えた
不老不死になる薬を自ら飲み、永遠の時間のなかで同じ人を
愛していくことを選ぶ・・・と言うのが全体の内容です。

切ない話なんですけどね、そんなに悩まずとりあえずMme Sixも一旦
不老不死になって、それから二人で時間をかけてドクトルを探せば、
焦らずにすむじゃん、って思う私は夢がないですよね、スミマセン。

ちなみにロビーに置かれたカードに「探しているもの」を書いて
箱に入れておけばキャストに“探して”もらえるコーナーがあります(笑)。 

この日の“探し物”は・・・

「上腕二腕筋」と書かれたカードには大貫君が「ここですね、ここ」と
腕を指し示してくれて「動かして血行を良くしてください」とコメント。
芳雄氏は「二の腕が気になる人は多いですからね」って。


「いつのまにか無くなった夢」
というカードに対しては坂元健児さんが
「アルバムでも見てください」と美しくまとめたのに、芳雄氏は
「今さら思い出したところでねぇ(爆)」って相変わらず毒舌。


「トキメク言葉を言ってください」
には芳雄氏は「探し物じゃなくて
願望になってるじゃないですか」といいつつ、一生懸命考えてくれた
のだけど、結局「・・・・思い浮かばない(笑)」と。で、それで終わるか
と思いきや、「こう言うこと?」と大貫君に対して壁ドンをマイムで
やってくれました、2回も(笑)。

 

まあ、こういうMCっぽいコーナーが2度あるのですが、観客のカード
という体でストーリーに戻っていくカードが読み上げられ、本編に戻ります。

震災で全てを流され、自分以外の家族も全て失った男の子の話とかね。 


井上君はつい最近、別の舞台でお目にかかったばかりですが(笑)、
メイクのせいもあってか、貴族感タップリで素敵でした。
もちろん震災で傷ついた少年の悲しみもきちんと表現なさっていましたよ。
おかわりのワインをサーブしに来るときは何度もビンごと渡しちゃうわ、
甘いものが食べたくなったからって、おつまみ用のチョコをつまんで
ステージに戻るのが間に合わないとか(笑)、毒舌全開だったりとか
自由人だったけど、舞台の空気をしっかりコントロールしていました。
 

あと、今回のお目当ての一人の大貫君。“普通の人間”を演じているのを
拝見するのは初めてですが、相変わらず素晴らしいダンスに動き。
体の重さや重力を忘れてしまいそうです。

そして、蘭寿さん。初見だと思いますが、ダンスのお上手さだけでなく、
素晴らしく華のある方で見とれてしまいました。

キャストが全員客席に降りて2度もドリンクのサーブをしてくれたり、
観客に「C'est si bon」と歌わせ、参加させたり、手のひらを見させたりと
巻き込み型なのはショーならでは、なんでしょうね。
私の席は最後列の壁から2つめという端っこなのに、坂元さんが
おかわりをサーブにきてくださいました。私は帰りの事もあったので
遠慮しましたが、隣の人は注いでもらうためにカップを空けたので
「一気飲みですね、じゃあいっぱい入れましょう’」と注いでくれていましたよ。
芳雄氏だったらおかわりも頂いたところですが、反対側の通路に
居たので叶いませんでした(笑)。
ドレスの裾が気になるからか、総じて女優陣は劇場中ほどまで。 


ダンスも衣装も豪華です。選曲もいろんな種類の曲が選ばれていた気がします。

こういうジャンルもあるんだなあ・・と思った私なのでございました。

ちなみに、本編が終わったのが21時30分。
残念ながら「シェリーにくちづけ」までは聞き、バンド紹介の所で断念し
開場を一足先に失礼させていただきました。