観たい作品が溜まって来たのでこの日はハシゴ観。
1本目と2本目には多少余裕があったのですが、1本目の開映が
予定よりも30分遅れてしまい、時間的な余裕ゼロ。
ほぼ連続で観るぐらいの状態になっちゃいました。

あの日の声を探してあの日の声を探して
監督:ミシェル・アザナヴィシウス
出演:ベレニス・ベジョ、アネット・ベニング、マキシム・エメリヤノフ
【あらすじ】
1999年、ロシアに侵攻されるチェチェン。両親を殺され、声を失った9歳の少年ハジ。ひとり放浪する彼は、EU職員のキャロルに拾われる。自分の手では何も世界を変えられないと知ったキャロルだったが、ハジと出会い、せめて目の前の小さな命を守りたいと願い始める。



これも予告を観て興味をもった1本です。
夕方以降の開映だという事もあってか、あまり混んでなかった
ていうか、むしろガラガラでした。 
あれ、私、ハズしちゃったかしら?


 
いや、ハズしませんでした。
でも重かった・・・、というか観ているのも辛いようなシーンが多かった・・。

ロシアのチェチェン侵攻。ニュースで聞いたり、新聞で読んだり
と言う程度の知識で、「遠い世界の話」 としか思っていなかった私。
この映画の舞台になった1999年 と言えば、今の会社に転職した年だから
そんなに昔でもないじゃないですか。
自分の知識の無さと、世の中に対する興味の薄さが恥ずかしい。
戦争のシーンは本当に「ぐえぇっ」と思う程グロいし、でもこれが
現実なのか・・と思うと、涙すら出てこなくなっちゃう。
もともと戦争映画は苦手なんだけど、ガッツリ戦争映画でした。

映画は両親を殺されたチェチェンの子供たちの話、戦場でEUの職員として
働く女性の話、そして強制徴兵されたロシアの青年の話が時間が
前後したり、絡み合ったりすれ違ったりして進んでいくんですよね。
責める側、責められる側、止めようとする側それぞれの立場に居る人達。

幼い弟を置いてきたハジが弟の事を聞かれて涙を流すシーンには
私も単純にもらい泣きしちゃったし、彼のあの目が印象的。
でも、ハジの話よりもあの冒頭のシーンを撮影した兵士の話が怖い。
ああ、「怖い」っていうのでは言葉が足りない感じがする。
普通のチャラい青年が、当たり前のように人を殺すような兵士になる
過程が、観ていて背筋が寒くなるような心持で、インパクトが大きかった・・。

でも一番怖くて背筋が寒くなるのは、やはりこれに似たようなことが
現実にも起こっていただろう、ということだな、と思った私でした。