この日は終日南座にお籠りなのですが、なかなか繋がらない
エリザベートのチケット予約との格闘のため、一旦南座を
出たものの、そのまま劇場前でタブレットとひたすら格闘。
でも繋がらず、諦めてそのまま劇場に再入場致しました。

花形歌舞伎「三月花形歌舞伎」京都南座2列
午後の部
一、弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)
 浜松屋見世先より
 稲瀬川勢揃いまで
二、闇梅百物語(やみのうめひゃくものがたり)
 大名邸広間の場
 葛西領源兵衛堀の場
 廓裏田圃の場
 枯野原の場
 庭中花盛りの場
 

午前の部と同じ2列目で、2席ほどずれただけ、ほぼ同じ席ですが
見回すと、午前の部で見かけた顔も多く、通しで観ている人も
結構居るんだろうな、と思いました。

ちなみに東宝ナビザーブは午後の部の幕間、17時15分頃に
繋がりまして、10時にスタートしたので7時間以上かかった事に
なります。(それでも残っていて、チケットが取れた事にビックリ。平日公演だけど)




一、弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)
  浜松屋見世先より
  稲瀬川勢揃いまで
 
 弁天小僧菊之助     尾上 松 也
 南郷力丸        坂東 巳之助
 忠信利平        中村 隼 人
 浜松屋伜宗之助     中村 米 吉
 浜松屋幸兵衛      嵐 橘三郎
 鳶頭清次        中村 種之助
 赤星十三郎       尾上 右 近
 日本駄右衛門      中村 歌 昇

何度か観ていますが、割と花形歌舞伎で観ることが多かったかも?
と言う演目ですね。弁天小僧菊之助は七之助丈や、菊之助丈で
観ていると思います。
松也丈は元々女形を主に演じていたという事なので(その頃はあまり
よく存知げませんので・・)全く違和感がないのかな?と思ったのですが
結構ガタイがいいから、七之助丈や菊之助丈とはまた違って
いい感じで胡散臭い感じがして、逆に「女装している男性」という
リアリティがありました(笑)。
正体を見破られた開き直り方はやっぱり演じる方によって違う印象を
受けるなあ、というのも面白いですね。

そして稲瀬川のシーンでは個性溢れた皆さん勢揃いで眼福。
でも私は“お芝居”が好きなんですよね、やっぱり。
舞踊もそうですが、どんなに華やかで見目麗しくても、
「観るだけで楽しい」という境地までは、まだまだ・・・。

 

二、闇梅百物語(やみのうめひゃくものがたり)
 大名邸広間の場
 葛西領源兵衛堀の場
 廓裏田圃の場
 枯野原の場
 庭中花盛りの場
   
 骸骨/読売          中村 種之助
 小姓白梅/雪女郎       尾上 右 近
 新造             中村 米 吉
 河童             中村 隼 人
 傘一本足           坂東 巳之助
 狸              中村 歌 昇
 大内義弘           尾上 松 也

これは初見の作品です。
大名屋敷で女中さんたちが「百物語」をやってる訳ですね。
怪談話をしては蝋燭を消していき、100話目が終わって最期の
蝋燭を吹き消した時に、恐ろしいことが起こる・・というヤツです。

歌舞伎って「おいおい」と思うようなイジメのシーンがあったり
する事がままあるのですが、これにもありましたよ(笑)。
新人小姓の白梅さん(これが美しいんだなー)にその最後の蝋燭を
吹き消す役を押し付けようとする先輩たち。

最期の蝋燭を吹き消したら何が起こるか観てみたいという好奇心と
でも自分はそんな役はやりたくない・・という身勝手さ。
そういう想いがだいたい発言力の無い弱い相手に向かっていき
「人の不幸は蜜の味」なんて言葉になったりするんでしょうけど
こういう感覚は今も昔も変わらないんだなあ・・と。
そんなに深刻ではなくコミカルな演出なんですけどね。

そして最後の蝋燭を消して、白梅はのっぺらぼうになってしまい
その後はいろんな魑魅魍魎・・・なんて怖いものではないのですが
“いろんなもの”が出てきちゃう訳ですね。
まあタヌキだの河童だの、ぶっ飛んでたりするんですが
一番凄いなと思ったのは、巳之助丈の「傘」です(笑)。
傘の柄の部分が足なんですよね、常に片足立ち状態。
その上に高下駄履いていたりするから、大変だろうなあ・・と。
そのまま宙吊りされたりもしますし(笑)。

あまりストーリー的な事は気にせずに、単純に楽しんじゃった・・♪
といった演目でした。

一日連続で観続けるのはちょっと辛いかな・・?と思わなくも
なかったのですが、全然余裕。楽しかったです。
“花形歌舞伎”の出演者も年々世代交代をしていっているなあ・・
と思いますが、今回も強くその事を思いました。
でも、今後が楽しみですね、本当に。