本日2本目の映画です。アカデミー賞の頃から上映を楽しみに
していた1本です。

アリスのままでアリスのままで
監督:リチャード・グラッツァー&ウォッシュ・ウエストモアランド
出演:ジュリアン・ムーア、アレック・ボールドウィン
【あらすじ】 
50歳にして若年性アルツハイマーと診断された言語学者のアリス。家族の介護も空しく、日々、記憶や知識が抜け落ちていく中、ある日、パソコンにかつての自分からのビデオメッセージを発見する。画面の自分が口にする事に従おうとする彼女。自分が自分であり続けるために、かつてのアリスが託したメッセージとは・・・。50歳のアリスが自分のままでいられる最後の夏。避けられない運命との葛藤と、家族の絆を描く感動の物語。



ジュリアン・ムーアがこの作品でアカデミー賞の主演女優賞を取りましたよね。
話題になっている事もあってか、1回目の上映が8:30からになっていました。
なかなか珍しい事です。
 


 
想像はしていましたが、ジュリアン・ムーアが凄いです。
序盤のキャリアバリバリ、子供も美男美女ばかりで、経済的にも
恵まれていて・・という満たされた女性と、エンディングの女性が
同じ人とは思えないぐらい。表情に意思が有るか無いか・・が
ちゃんとわかるんですよね。

私の泣けたポイントは2か所あって・・・。一つは彼女の発病した
アルツハイマーが家族性で遺伝すること。遺伝の確率は50%で
遺伝した場合の発病率は100%。その事を子供たちに告げながら
「ごめんなさい」と繰り返すシーン。
もう一つが、アリスがアルツハイマー患者としてスピーチをした内容。
「苦しんでいるのではありません。闘っているのです」とか
素敵なフレーズが本当にいっぱいで、ここだけセリフを書き留めて
おきたかったくらいです。
 
若年性アルツハイマーを扱った映画は過去に何本か観ましたが
心への響き方が少し違う1本だった気がします。
病状をやたら衝撃的に描いていないのも、監督自身がALSと
闘っていた方だったのも一因かもしれませんし、アリスと自分を
重ねて居る部分が少なからずあったでしょうから、そういう部分も
要因なんじゃないかなあ。

タイトルは「STILL ALICE」。アルツハイマーのような記憶障害の
病気になるともう「私」とは言えなくなっちゃうのかな。
確かに“自我”の崩壊でもあるのだから、そう言えるのかもね。
「癌だったらよかったのに」っていうアリスのセリフ。
不謹慎な言葉かもしれないけど、私が同じ立場に置かれたら
きっと同じように思う気がする。いや、絶対にそう思う。
それだけ、治療方法が無い事と、周りの事ばかりか自分の事まで
分からなくなり、人格まで変わってしまうのは恐ろしい事だと思うから。

でも、必死で「アリス」で居ようとする姿が、最後の「Love」という
言葉と、わずかな表情の違いで感じられて、切ないながらも
温かいものが残る1本でした。