仕事を終えて劇場へダッシュ!今日は2分で到着したぜ(笑)。
ここの所は仕事も忙しくなく、余裕こそないものの無事に劇場到着。

ライムライト「ライムライト」愛知県芸術劇場大ホール5列(4列目)
18:30開演、21:05終演 
原案・原作:チャールズ・チャップリン   演出:荻田浩一
出演:石丸幹二、野々すみ花、良知真次、吉野圭吾、植本潤、佐藤洋介、舞城のどか、保坂知寿

【あらすじ】
1914年、ロンドン。かつての人気者で今や落ちぶれた老芸人のカルヴェロ(石丸幹二)は酒浸りの日々を送っていた。ある日カルヴェロは、ガス自殺を図ったバレリーナ、テリー(野々すみ花)を助ける。テリーは、自分にバレエを習わせるために姉が街娼をしていたことにショックを受け、脚が動かなくなっていた。カルヴェロは、テリーを再び舞台に戻そうと懸命に支え、歩けるようになったテリーは、ついにエンパイア劇場の舞台に復帰し大成功、かつてほのかに想いを寄せたピアニストのネヴィル(良知真次)とも再会する。テリーはカルヴェロに求婚するが、若い二人を結び付けようと彼女の前からカルヴェロは姿を消してしまう。テリーはようやくカルヴェロと再会し、劇場支配人が、カルヴェロのための舞台を企画しているので戻って来て欲しいと伝える。頑なに拒むカルヴェロであったが、熱心なテリーに突き動かされ、再起を賭けた舞台に挑むが・・・。


この作品がチャーリー・チャップリンの映画だという事は知っていますが
チャップリン映画は観たことが無いため、どんな内容かは知らぬまま。
劇場に良知君宛のお花があり、ああ良知君が出演するのか・・と
知るほど、石丸さん以外のキャストの事は頭に入ってませんでした(笑)。





フライヤーの石丸幹二さんはパッと見は爽やかイケメンですが
良くみると初老男性のメイクをしています。
でも舞台上の石丸幹二さんは、パッと見でも初老男性でした(笑)。
それはメイクのせいではなくて、姿勢やら歩き方からくる
雰囲気だと思うんですよね。
折角だからもう少し石丸さんの歌を聴きたかった気もしますが。

あとは、ギャグやら名古屋ネタをいっぱい入れてくれていました。
ビールを飲んだ後「あ、これはウコンじゃないか」と言ったり
「シャチホコか!屋根に帰れ!」とか「どえりゃーキツイが」とか
「デザートはういろう」とか。いろいろお疲れ様です(笑)。 

“音楽劇”というカテゴリーですが、思った以上に歌は少なくて
かなりストレートプレイ寄りだったと思います。
最近は本当に良く拝見している気がする良知さんも、とても
お似合いの役でした。この方は影のある役がお似合いです。

あとは、何といっても野々すみ花さんの可憐さとけなげさが抜群で
彼女が若い作曲家(ネヴィル・良知真次)に憧れていた話をする
テリー(野々すみ花)は、本当に“恋に恋する少女”でかわいくて
思わず微笑んでしまう程でした。
そんなテリーを何とか力づけてやりたい、と思うカルヴェロも
不思議ではありませんね。 
宝塚のご出身だからバレエも当然踊れると思うのですが、
彼女のバレエも良かったなあ。私は素人なので、技術的な
事は分かりませんけど、本当に楽しそうに踊っていて。

間違いなくテリーにとってカルヴァロは、誰とも替えられない
存在だったという事は良く伝わってきました。
あれが“愛”なのかどうかは、私も分からないのだけど・・。
テリーの初日開演前のパニックを抱きしめただけで、治めちゃい
ましたものね。 あんなにネヴィルに言い寄られても、決して
ふらついたりしなかったし。 
ただ、自分の年齢や今後を考えたとき、身を引いたカルヴァロ
の行動もよく理解できます。

ライムライトとは舞台で使われていた照明の事を言うのだとか。
最後まで舞台に立ってライトを浴びる事を望み、ライトを浴びて
踊るテリーを観ながら息絶えたカルヴァロと、カルヴァロを支え
彼のを心配しながらも舞台で踊るテリー。
この二人には愛情もあるでしょうが、舞台い立つ者として
理解しあえる部分もあったのだろう、と思わされますね。

映画版と舞台版ではエンディングが少し違うようです(wiki情報)。
たぶん、映画版のほうが滑稽さが前面に出されていて、
それが面白みになっているんでしょうね。
だって、カルヴァロは最後の舞台で張り切りすぎて足を踏み外し
舞台から落ちて死亡、テリーはその事を知らない・・なんて。
それに対してこの作品は美しい純愛物語になっていました。
“悪人”が居ないですしね。
そういう意味では少し刺激は少な目ですけど(笑)、はかなくて
切なくて、心が温かくなる1本だったと思います。