ほぼ1か月ぶりの観劇でございます。
こんなに観劇の間隔が空くのは最近では非常に珍しくて
「もう、何でもいいから舞台が観たいっっ!!」と言うぐらいの
状態でございました(笑)。

ウーマンインブラック「ウ−マン・イン・ブラック<黒い服の女>」
アートピアホール2列目 18:30開演、20:40終演
原作:スーザン・ヒル   脚色:スティーブン・マラトレット
演出:ロビン・ハ−フォ−ド    翻訳:小田島恒志
出演:岡田将生、勝村政信

【あらすじ】 
ロンドンの小さな劇場に中年弁護士キップスがやってくる。キップスは若い頃に誰にも打明けることのできないような恐ろしく呪われた体験があり平穏な生活が送れずにいた。悩みに悩んだ末、この出来事を家族に話し呪縛から解放されようと決心したキップスはその話をする手助けとして俳優を雇ったのである。キップスの告白はとにかく長かったため、俳優が若きキップスを、それ以外の人々をキップスが演じる、芝居の形式とすることを俳優は半ば強引に決めてしまう。始めはたどたどしい演技だったキップスだったが話が進むに連れて役柄と一体化していき、俳優もヤングキップスになりきり夢中になっていく…。
その“芝居”はある老婆の死から始まっていた。この老婆の遺言書調査のために彼女の葬儀に参加したヤングキップスはそこで思いもかけない光景と出会う…そしてそれは次第に彼を追いつめていき…

 

微妙に不便な場所にある劇場ですが18時にかかってきた私宛の
電話は「みんみんさんはもう、帰りました」と対応してくれる後輩の
アシストもあり、無事に職場離脱。

前回も観ていますが、この作品の上演は7年ぶりになるんですね
そうかーあれから7年も経ったのかー。 
覚えているつもりだったけど、かなり忘れていて新鮮な気持ちで
楽しむことができました(笑)。







 
 
前に観たときは「怖い、怖い」と事前に聞きすぎていて身構えて
しまっていたので「怖くないし・・・」という印象ばかりが
強かったのですが、今回はある意味”まっさら”な状態で素直に観る
ことができたので”怖い”と言う感覚を楽しむことができた気がします。
こんな回りくどい表現をするというのは、つまり今回も”怖い”とまでは
思わなかったってことなんですけどね(笑)。
やっぱり突然大きな音で”驚かされる”という事と”怖い”は別のこと
だという考えも変わりませんし。

前回観た記憶もあまり定かではなかったのですが、舞台が進むにつれ
徐々に思い出してきました。セットはたぶん殆ど変わっていない。
舞台中央の藤の箱と、奥のカーテンにある階段と、子供部屋と・・。
そう、この舞台で”想像が視覚化すること”の面白さを実感したんでした。
箱が馬車になり、テーブルになり、ベッドにもなる。
実在しないはずの仔犬がそこにいるような気がする。
映画化もされているお話のようですが、こういう演出は舞台ならではで
見ていてワクワクしますね。

ヤング・キップスを演じたのは岡田くん。
以前拝見したときはその瑞々しい印象に驚いたものです。今回は超至近距離
で拝見したのですが本当にキレイ、顔がちっちゃい〜!
ただ、以前のような雰囲気だけではなくて演技力も求められる今回は
正直少しもの足りなさを感じてしまいました。比較対照が上川隆也さん
になってしまうのが気の毒ですが、台詞の強弱だけではない変化のつけ方
については今後に期待、です。
また、上川版では本当に仔犬がいるように思えたのですが、今回は
そこまでじゃなくて、改めて上川さんはすごかったな、と。
ただ、岡田くんの明るさがあるからこそ、現実での黒い服の女の恐怖に
つながるので、そこはよかった気がします。

そして勝村さん、序盤は岡田くんを笑わそうとしているいたずらっ子
の雰囲気もあったのですが、代わる代わる何役もこなしていく様子に
引き付けられていきます。あまりにもさらっと演じていらっしゃるけど
凄いことですからね。

この舞台を観た友人が「貞子だよね」と言っていましたが、この作品の
怖さはここなんですよね。
(個人的には黒い服の女がすごい勢いでロッキングチェアを揺らしている
ところがスゴく怖かったですけど(笑)。)
キップス氏の話はどこまでが本当で、この話を人に話すことでこの
黒い服の女が伝染するようにターゲットを変えていくことをどこまで
知っていて今回演じたのか。そしてそれを見ていた私たち観客は・・というね。
知らない間にあの女が〜っと後ろについていたり、幕の裏から客席を
ぼーっと見下ろしていたり、気づかないと気づかないのかもしれませんが
演出も面白かったです。

ただ、私だったら扉の向こうに、ざわざ見に行ったりしないし
そもそも屋敷に戻ったりしないから(笑)。
あの幽霊もお気の毒だけど、ただの逆恨みだしっ(漠)。

あと、前回観たときも思いましたが、やはりこういう緊迫感が醍醐味の
舞台は休憩なしの一幕モノがいいなあ。
二人芝居だといろいろと大変だということは十分わかるのですが。