今日の2本目はこちら。
初演は観ていませんが、有名な作品の再演、という要素を除いても
観に来たいと思っただろうな。
「NINAGAWA・マクベス」シアターコクーン E列(8列目)
18:30開演、21:15終演
作:W.シェイクスピア 演出:蜷川幸雄
出演: 市村正親、田中裕子、橋本さとし、柳楽優弥、瑳川哲朗、吉田鋼太郎 ほか
あらすじは「マクベス」なのでパス!
この日はちょうど収録日でした。
WOWOWだとスタッフが「WOWOW」と書かれたストラップを
首から下げていたので(過去見かけたときはそうでした)
NHKかな?どこでもいいので放送してくれるといいなあ。
初演は観ていませんが、有名な作品の再演、という要素を除いても
観に来たいと思っただろうな。
「NINAGAWA・マクベス」シアターコクーン E列(8列目)
18:30開演、21:15終演
作:W.シェイクスピア 演出:蜷川幸雄
出演: 市村正親、田中裕子、橋本さとし、柳楽優弥、瑳川哲朗、吉田鋼太郎 ほか
あらすじは「マクベス」なのでパス!
この日はちょうど収録日でした。
WOWOWだとスタッフが「WOWOW」と書かれたストラップを
首から下げていたので(過去見かけたときはそうでした)
NHKかな?どこでもいいので放送してくれるといいなあ。
こちらの作品、調べたら初演は1980年初演とのことで、
今から・・35年も前になるのか!!
そりゃ当然初演は観ていない訳ですが、この作品が35年前に
既に上演されていたという事がビックリです。
ちなみに今回は17年ぶりの上演とか。蜷川さんは
「本当に面白い作品かどうか確認するために上演する」
みたいなことをおっしゃっていましたが、面白かったです、充分。
入った瞬間に圧倒されるのはそのセット。これ・・・仏壇ですね。
そして、今回は通路側の席だったのですが、ふと気づくとすごく
腰を曲げた女性がゆっくり歩いていて、軽く驚きました。
一瞬お客かと思うぐらい、存在感消してましたから(笑)。
下手側の通路にも同じように歩く女性が居て、上下の袖近くに
座り込みますが、立ち上がって仏壇の扉を開きに行き、開演−。
この女性達、上演中はずーっと同じ位置に座って舞台を観ています。
お弁当を食べたりお茶を飲んだりしながら。
子どもが殺されるシーンでは泣きながら観たりしていて、
まるで、居間でテレビでワイドショーやドキュメントを観ている
ようにも思えてきます。
・・・こういう権力闘争や、殺し合いが繰り返されている歴史を
第三者がエンターテイメントとして観ているかのようです。
でも、ずーっと座って食べたりしているだけの演技って大変だなあ。
最初の感想は「あ・・・普通に“マクベス”なんだ」でした。
衣装はバリっと“和”なのに、役名など固有名詞はみんなオリジナル
ですから。演出ももっと蜷川さんが和風にアレンジしているのかな?
と勝手に思っていたのですが、思いっきり“マクベス”でしたし。
不思議な事に、今まで観たどのマクベスよりも、一番腹落ちした
というか、セリフに納得感があったのに自分でも驚きました。
単に翻訳者の違いではないと思うんですよね。
日本生まれの日本育ちの私にとっては、すごく全体の流れが
納得感をもって受け止められたのかもしれません。
でも決して設定やセリフ、名前を和風にアレンジしている訳じゃ
ないのになあ・・・、不思議です。
そして特筆すべきは舞台の美しさ。
紗幕というか紗幕代わりの障子のようなもの越しに観る桜や
魔女たちの幻想的な事と言ったら・・・。まるで夢のよう。
そして三魔女は歌舞伎的な扮装にセリフ回し。すっごい魔女感。
男性が演じていらっしゃいましたけどね(笑)。
前から思っていた事ではありますが、マクベスと言う作品の個性は
レディ・マクベスの描き方に左右されると思うのですね。
今回の田中裕子さんのレディ・マクベスも個性的でした。
決して明確な“肉食系”ではない。
どちらかと言うと、しとやかな、控えめな印象を与える女性。
でも、冷たい炎が燃えているような、芯の強さを感じさせます。
そして、吉田鋼太郎さんのマクダフ。
正直、ちょっと今回は(役の特性もあるとは思いますが)
インパクトに欠けるなあ・・とは思いました。
でも、今まで観たマクダフの中で一番哀しさが伝わってきて
こんなに悲しい人だったんだ・・と思わされましたね。
妻子を殺された後の演技に涙している方もいらっしゃいました。
テレビドラマもいいですが、やはり舞台で観たい方です。
そして橋本さとしさん。なんてセリフが聞きやすいんでしょう。
今回出演された中では瑳川さんと共に一番聞きやすかったかも。
(市村さんは「さしすせそ」が少し聞き取りづらい時があるね、
って言う話を一緒に観た方としていました)
あまり個性あるヴァンクォーではなかった気がしますが、
ああ、こういう人だったのか・・と納得感があったというか。
体がデカイから、亡霊で出てきたときは迫力ありましたよ(笑)。
そして市村正親さんのマクベス。
あまり得意な俳優さんじゃない・・と思って観はじめるのですが、
実際、舞台で拝見するとその事を忘れてしまう・・という
私にとって不思議な人です(笑)。
つまり、舞台上で魅力を発揮される方なんでしょうね。
カリスマ性のある人というよりは、割と普通な人・・という印象で
だからこその悲劇、と思えました。
バーナムの森が桜なんだな・・・と言うところには“和”を感じましたが
本当にこのシーンも美しかったです。
この作品も観ることが出来て本当に良かった。
そう思える1本でした。
今から・・35年も前になるのか!!
そりゃ当然初演は観ていない訳ですが、この作品が35年前に
既に上演されていたという事がビックリです。
ちなみに今回は17年ぶりの上演とか。蜷川さんは
「本当に面白い作品かどうか確認するために上演する」
みたいなことをおっしゃっていましたが、面白かったです、充分。
入った瞬間に圧倒されるのはそのセット。これ・・・仏壇ですね。
そして、今回は通路側の席だったのですが、ふと気づくとすごく
腰を曲げた女性がゆっくり歩いていて、軽く驚きました。
一瞬お客かと思うぐらい、存在感消してましたから(笑)。
下手側の通路にも同じように歩く女性が居て、上下の袖近くに
座り込みますが、立ち上がって仏壇の扉を開きに行き、開演−。
この女性達、上演中はずーっと同じ位置に座って舞台を観ています。
お弁当を食べたりお茶を飲んだりしながら。
子どもが殺されるシーンでは泣きながら観たりしていて、
まるで、居間でテレビでワイドショーやドキュメントを観ている
ようにも思えてきます。
・・・こういう権力闘争や、殺し合いが繰り返されている歴史を
第三者がエンターテイメントとして観ているかのようです。
でも、ずーっと座って食べたりしているだけの演技って大変だなあ。
最初の感想は「あ・・・普通に“マクベス”なんだ」でした。
衣装はバリっと“和”なのに、役名など固有名詞はみんなオリジナル
ですから。演出ももっと蜷川さんが和風にアレンジしているのかな?
と勝手に思っていたのですが、思いっきり“マクベス”でしたし。
不思議な事に、今まで観たどのマクベスよりも、一番腹落ちした
というか、セリフに納得感があったのに自分でも驚きました。
単に翻訳者の違いではないと思うんですよね。
日本生まれの日本育ちの私にとっては、すごく全体の流れが
納得感をもって受け止められたのかもしれません。
でも決して設定やセリフ、名前を和風にアレンジしている訳じゃ
ないのになあ・・・、不思議です。
そして特筆すべきは舞台の美しさ。
紗幕というか紗幕代わりの障子のようなもの越しに観る桜や
魔女たちの幻想的な事と言ったら・・・。まるで夢のよう。
そして三魔女は歌舞伎的な扮装にセリフ回し。すっごい魔女感。
男性が演じていらっしゃいましたけどね(笑)。
前から思っていた事ではありますが、マクベスと言う作品の個性は
レディ・マクベスの描き方に左右されると思うのですね。
今回の田中裕子さんのレディ・マクベスも個性的でした。
決して明確な“肉食系”ではない。
どちらかと言うと、しとやかな、控えめな印象を与える女性。
でも、冷たい炎が燃えているような、芯の強さを感じさせます。
そして、吉田鋼太郎さんのマクダフ。
正直、ちょっと今回は(役の特性もあるとは思いますが)
インパクトに欠けるなあ・・とは思いました。
でも、今まで観たマクダフの中で一番哀しさが伝わってきて
こんなに悲しい人だったんだ・・と思わされましたね。
妻子を殺された後の演技に涙している方もいらっしゃいました。
テレビドラマもいいですが、やはり舞台で観たい方です。
そして橋本さとしさん。なんてセリフが聞きやすいんでしょう。
今回出演された中では瑳川さんと共に一番聞きやすかったかも。
(市村さんは「さしすせそ」が少し聞き取りづらい時があるね、
って言う話を一緒に観た方としていました)
あまり個性あるヴァンクォーではなかった気がしますが、
ああ、こういう人だったのか・・と納得感があったというか。
体がデカイから、亡霊で出てきたときは迫力ありましたよ(笑)。
そして市村正親さんのマクベス。
あまり得意な俳優さんじゃない・・と思って観はじめるのですが、
実際、舞台で拝見するとその事を忘れてしまう・・という
私にとって不思議な人です(笑)。
つまり、舞台上で魅力を発揮される方なんでしょうね。
カリスマ性のある人というよりは、割と普通な人・・という印象で
だからこその悲劇、と思えました。
バーナムの森が桜なんだな・・・と言うところには“和”を感じましたが
本当にこのシーンも美しかったです。
この作品も観ることが出来て本当に良かった。
そう思える1本でした。