今日は、朝イチでホットヨガに行き、その後会社へ出勤、
15時に仕事を終えて、ダッシュで金山へ向かいました。

錦秋名古屋顔見世「錦秋名古屋 顔見世」夜の部 か列(6列目)
一、俊寛(しゅんかん)
二、太刀盗人(たちぬすびと)
三、浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなづま)
   山三浪宅
   鞘当 






御園座が新しく出来るまで、金山の市民会館で行われる
歌舞伎興行。
御園座さんが頑張って盛り上げようとしていることは分かりますが 
どうもあの劇場での芝居に自分自身のテンションが上がらず
パスするか、観に行っても3等席ばかりでした。

でも今年は、吉衛門丈の俊寛があるという事なので、
折角だからガッツリ観よう!と1等席で観劇する事にしました。

まねきあげ
早くちゃんとした劇場が出来上がってほしいものです・・。

 
 
  平家女護島
一、俊寛(しゅんかん)
  俊寛僧都  吉右衛門
  海女千鳥  芝 雀
  丹波少将成経 錦之助
  平判官康頼 歌 昇
  瀬尾太郎兼康 又五郎
  丹左衛門尉基康 歌 六

この演目は舞台を一度と、映像で屋外で上演した時のものを
観ていますが、いずれも勘三郎さん。
だからほかの方で拝見した事は無いのですが、吉衛門丈の
俊寛はとてもいい!と歌舞伎を観に行った時に前列の男性が
力説していたのを耳にしたことがあり、それ以来いつか機会
があれば、優先的に見に行きたい・・と思っていました。
勘三郎さんがご存命の時はよく勘三郎さんを拝見していたので
殆ど共演をなさらなかった吉衛門さんは、そもそも出演舞台を
観る回数が極端に少ないんです。

やはり同じ役でも演じる人が違うと受ける印象は違うものですね。

勘三郎さんはそのメイクからも病人感を出しまくっていましたが
吉衛門さんは病人というよりも体力が衰え、それに伴って
角が取れて好々爺のようになっていった方、という印象です。
最後に岩の上から船を見送り、思わず手を滑らせる・・という
場面がありますが、あまりに真に迫っていたようで、思わず
「あっ!」と声を出してしまいそうになりました。
大きな感情表現をしなくても、というか、大きな表現をしないからこそ
伝わるものがあるんだな・・と思った舞台でした。
吉衛門丈の作品、もっと観たいです。



二、太刀盗人(たちぬすびと)
  すっぱの九郎兵衛 又五郎
  従者藤内       種之助
  目代丁字左衛門  吉之助
  田舎者万兵衛   錦之助

何といっても、又五郎丈のすっぱの九郎兵衛が良いんですよねぇ。
あの丸っとした体系、ちょっと愛嬌のある表情に、タイミングがよく
お調子者な感じがとてもコミカルで、に合っています。
錦之助さんの万兵衛も田舎の堅物っぽくて、二人の掛け合いが
いいバランスでした。
これは以前観た事がある演目ですが、松羽目ものは面白いというか
楽しい作品が多くて、大好きです。


三、浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなづま)
山三浪宅
鞘当
  名古屋山三   錦之助
  傾城葛城/お国/茶屋女房 芝 雀
  浮世又平    橘三郎
  不破伴左衛門 又五郎

この作品は初見です。
傾城の出てくる作品は観るだけでもゴージャスな気分になるので
大好きなのですが、ちょっとお衣装の豪華さが足りないというか
もっとゴージャスであって欲しいというか(笑)。
まあ、初めて花魁姿を観たのが籠釣瓶花街酔醒で玉三郎さんの
八橋なので比較しちゃいけないんですけど(笑)。

きっと、鞘当の方が歌舞伎らしい演目なのでしょうが
私は、山三浪宅の方が印象に残っています。
借金まみれでも悠々としていて、雨漏りしていてもタライを上に
吊って貰ってOKにしちゃうような、浮世離れした色男の山三。
太刀盗人とは全く印象が違う錦之助さんが印象的です。
あんな家に花魁たちが一斉に入ってくるとか、アンバランスさが
面白いし町の入り口を閉めに行くとか、当時の風俗も分かりますし。

それにしても濡れ雀を着て出てきたときは、あまりの晴れ姿っぷりに、
おおっと思っちゃいましたしね。
(質屋からこの塗れ雀を取り返すとき「コメ兵に」なんてお国が
言って、笑いを取っていらっしゃいました)

そしてこれは、お国の健気さが痛々しい作品でもあります。
命が果てようとしている時でも、気取られないように山三を
送り出そうとするんですよね。
それに気づき、お国に情けをかける山三で、お国は幸せだった
でしょうが、あまり好きになれないな・・山三(笑)。


今回は本当に“寒い”観劇になりました。
まず客席が寂しい事と言ったら・・・。
1等席はまぁまぁ入っていましたが、特等は歯抜け状態。
1等でも花道の外はガラッガラ。2等席に至っては、空席の方が
多いぐらいです。
ここは(元々公共会館ですので)花道がとにかく長いのです。
客席が少ないわ、観慣れない人が多いわ、で花道に役者が出ても
拍手がチラホラとしか起きず、花道の長さに耐えきれず拍手も
無くなってしまうという・・ね。

拍手を強要するつもりは全くありませんが、なんか客席と舞台の
心理的な距離感が大きいというか、“温まらない”感覚がとにかく
最後まで残ってしまいました。
演目としては楽しく拝見できましたし、役者さんも皆さん素敵
でしたが、やはり舞台は客席も一緒になって作るものなんだな、と
いう事を改めて体験したような気がします。

そういう意味でも早く歌舞伎に適した劇場を建ててください(涙)。