今週・来週は東京遠征でございます。
まず1本梅目はこちら。

十一ぴきのネコ「十一ぴきのネコ」紀伊國屋サザンシアター 5列目
13:30開演、 15:30終演
作:井上ひさし   演出:長塚圭史
音楽:宇野誠一郎、荻野清子
出演:北村有起哉、中村まこと、市川しんぺー、菅原永二、金子岳憲、福田転球、大堀こういち、木村靖司、辰巳智秋、田鍋謙一郎、山内圭哉、勝部演之
【あらすじ】
野良ネコにゃん太郎はいつもお腹を空かせていた。ある日にゃん太郎は自分と同じようにお腹を空かせている十匹の野良ネコ仲間たちと出会う。みんなで知恵を出し合って、色んなことを試しても、何も食べられなければ飢えて死んでしまう! 
そんなときに鼠殺しのにゃん作老人に出会い、目の覚めるような話を聞いてしまった。 「あの星の下に大きな湖があって、そこには途方もない大きな魚がいるそうな」 
一大決心!大きな魚を求めて十一匹のネコが大冒険の旅に出た!はたしてネコたちは満腹感を味わうことが出来るのか? 




この作品は2012年に一度観ています
観る前はあまりのり気じゃなかったのに、最後に心を
鷲掴みにされたのを覚えている作品です。
だから今回も可能ならば観たいと思っていました。

何でも観に行っているように思われるかもしれませんが
私は割と再演されても前に観たものはパスすることが多いので
一度観たにも関わらず再度観るというのは珍しいことです。
(新感線とミュージカルは別枠)

今回は前回よりも子供が多く、開演前のロビーは賑やか。
着席し、開演10分前程度から通路をウロウロするモノ達が。。。




前回の公演の際と同じで、開演前に客席をウロウロするネコたち。

特ににゃん十一(山内圭哉さん)は下手通路に横になったまま

ピクリともしない。子供たちがどんどん集まってきて、触ったりつついたり。

突然にゃん十一が起きて子供たちを追いかけると「きゃ〜♪」と言って

逃げていき、またにゃん十一が横になると集まってくる子供たち。

そうなのよね、子供たちって、こういう事を何度も何度も繰り返して

喜んでいたりするのよね。

 

「じゅういっぴ〜きのネコ♪じゅういっぴ〜きのネコが旅に出た♪」

東宝ミュージカルのような歌唱とは違いますが、何だか楽しくなる歌。

終演後にまだ3歳ぐらいの小さなお子さんも歌っていましたが

非常に記憶に残る曲だと思います。行進するのにいいんですよね。

 

北村有起哉さんのちょっととぼけた、にゃん太郎は、改めて観ると

すごいポジティブシンキングだし、リーダーシップは半端ない。

「〜すべき」をあそこまで貫けるのは、相当なものだと今なら

分かりますね。そしてその熱意がどれだけ他を動かすのか、そして
そういう強い思いを持つ人がどれだけ貴重なのか、自分から
率先して行動に移すことがどれだけパワーがいる事か。

前回観た時と今では、職場での立場も少し変わっており、思わず
違う視点で見てしまいました。

 

前回も思いましたが、このお話を見ると、戦後から高度成長期の

日本を重ねてしまいます。

なぜ“豊か”になると、人の事を思いやれなくなったりするのか。

そもそも“豊か”になるとはどういうことなのか。

おなか一杯食べられること?キレイな家に住む事?

そんな井上ひさしさんの声が聞こえてくるような気がします。

「お腹は空っぽだったけど、希望で輝いていたあの頃」

そんな気持ちにすら、今の日本人はなれないのではないか。

“幸せ”も同じだと思いますが、追い求めているときが一番いいのかな。

 

終演になって劇場の外に出ようとしたとき、前を歩いていた男の子

(おそらく小学校低学年〜中学年ぐらい)が話している内容が

なかなか衝撃的でした。

 

「にゃん太郎とにゃん十一以外はクズになった、って事だよね」

 

以前より子供の理解力、想像力は侮れないと思ってはいたものの

改めて驚かされました。ちゃんと理解しているんですよね。

 

この日は東京千秋楽。

カーテンコールでは演出の長塚圭史さんもご挨拶に並ばれました。

どうも直近の舞台で拝見した「ひげ面にピンクのワンピース姿」の

インパクトが強すぎて、逆に違和感があったりしましたけどね()

いずれにしても、この作品は長く上演されて欲しい1本だな、と

心から思ったのでした。