一緒にブランチを摂った友人と別れてひとり向かったのは与野本町。
何だか最近、埼玉に行く機会が増えたなあ・・。

 ヴェローナの二紳士彩の国シェイクスピア・シリーズ第31弾
「ヴェローナの二紳士」彩の国さいたま芸術劇場 E列
14:00開演、16:25終演
原作:W.シェイクスピア  演出:蜷川幸雄
出演: 溝端淳平、三浦涼介、高橋光臣、月川悠貴、正名僕蔵、横田栄司、大石継太、岡田正、河内大和、外山誠二、澤魁士、野辺富三、谷中栄介、鈴木彰紀(さいたまネクスト・シアター)、下原健嗣、田中浩介【楽師】、矢崎浩志【楽師】、他

【あらすじ】
ヴェローナに暮らす若者ヴァレンタインは、世界を知るためにミラノへ旅立とうとしていた。親友プローティアスも誘ったが、ジュリアへの愛のとりことなっている彼は、ヴェローナに留まることを望んだ。しかし、プローティアスの父は外国経験は将来の役に立つと、ヴァレンタインの後を追わせることにし、プローティアスはジュリアと離れ離れになることに。ミラノで公爵に仕えるヴァレンタインは、公爵の娘シルヴィアに熱い恋心を抱いていた。シルヴィアもさりげなくヴァレンタインへの好意を示すが、彼女には公爵が取り決めたフィアンセのシューリオがいた。そこへプローティアスが到着し、シルヴィアに一目惚れしてしまった。ヴァレンタインの恋人と知ってもあきらめず、完全にジュリアから心変わりしてしまったプローティアスは、友を裏切り、ヴァレンタインとジュリアの駆け落ちを公爵に告げ口する。憤慨した公爵は、ヴァレンタインを、ミラノからの追放すると言い渡した…。




豊橋でも公演がありますが、 上京のタイミングと合った事と
豊橋の方がチケットが高く、またチケットの発売タイミングが遅くて
予定が立てづらいため、さっさとこちらで観てしまうか、と。

それにしても、このシリーズもとうとう31作目ですか。

感想は追記にて。


 
舞台の上には衣装やら置物、椅子等の家具等、まるで
物置のように雑然と小道具が置かれています。
上には「ヴェローナ」「ミラノ」と旗が掛け替わるようになっていて
今は“何処”での話なのかが、分かり易くなっています。
そこへ、上手に楽士が2名登場。楽しげな音楽を奏でると、
客席の後方扉よりキャストの皆さんが舞台に向かって入場です。
以前は「オールメールシリーズ」といえば、こうやって楽しく音楽に
合わせて入場する・・が定番でしたが、最近は上演するのが悲劇
だったり、と言う事もあって、こういう演出は久しぶりな気がします。
でもやっぱり、ワクワクするんだよね、この雰囲気は。

一度は「ニナガワシェイクスピアを卒業」を宣言した月川悠貴さんが
前回の「ロミオとジュリエット」 から復帰され、また今回もご出演です。
前回のロミジュリの際は随分お痩せになっていて、頬も少しこけている
感じだったため、少し女子力は低めだったけど、今回は
(決して太ってはいないけど)適度な柔らかさを感じる顔に戻っていて、
やっぱりお美しいわぁ♪と見惚れてしまいます。
綺麗なだけでなく、プライドが高くて凛とした感じが良かったです。

そして以前「わたしを離さないで」を観たときの感想で
「オールメールシリーズで女役でどうぞ」と書いた記憶のある
三浦涼介くんは、プローティアス(男役)で驚きました。勿体ない(笑)。
溝端君の女役も悪くは無いのですが、絶対に三浦君の方が
掛け値なしに“美しく”て、月川氏と美女2トップになっただろうに・・・と。
でも、若くて適度に軽い今どきのイケメンの男の子・・っていうのが 
ピッタリでもあるし、恋に落ちる様子が初々しかったし、顔立ちからも
ああいう衣裳がとてもお似合いでした。
むしろ私の想像と逆のキャスティングで意外な面白さもあった気がします。
初めてジュリアに会って恋に落ちる瞬間の滑稽な感じとかも
良かったですよね。シリアスな役しか拝見した事が無かったので
こういう役も出来るんだなーと。歌も素敵でした。

ジュリアは溝端淳平くん。パッと見たときには何か違和感があった
のだけど、どんどんカワイイ女の子に見えてきた(笑)。
プローティアスに寄り添う時は自分の方が背が低く見せるために、
ずーっと、僅かに膝を折っていて、凄いなあと思いましたよ。
男のフリをする女性を演じる男性という、どの声で話したらいいの?
と混乱しそうなところも、ふとした仕草もちゃんと“女性”のそれに
なっていました。これって結構大変な事ですよね。
舞台では初見だったと思いますが、思ったよりもずっと良かったです。

不気味さ満点のシューリオ(河内大和)も、“父親”の2役を演じた
横田栄司さんも良かったです。ラーンス(正名僕蔵)も良かったの
ですが、彼を観ていると、衣装の関係もあって高橋洋さんを
思い出さずにはいられません・・・。

そして、今回なにげに注目を集めちゃったのが、クラブ役の
レトリバーのクイール。この子何歳なのかなあ、まだまだ若くて
元気いっぱいすぎてね(苦笑)。
クラブは「シェイクスピア正典中、最も場面をかっさらった喋らない役」
とも言われているのだそうですが、本当にその通り(笑)。
その分、ラーンス役の方も本当に大変だったと思います。
じっとしていないわ、ポシェットにかみついて離れないわ、
腕を甘噛みするわ、吠えるわ・・。大型犬だから力も強いですし。
なんか自分ちの犬の若いころを思い出します。もっと年齢が上でも
しっかり躾のはいった犬を選ぶことも出来たでしょうに、これは
敢えて・・なんでしょうか(笑)。

ストーリーに関しては、もうシェイクスピアなんで「何で?」と
言うだけ無駄というか(笑)、楽しかったからいいかな、と。
この作品は戯曲としてシェイクスピアもっとも初期のものだそうで
「十二夜」や「シンベリン」等でも出てくる「お姫様が男装」する
という話だったり、道化の存在など、この後のシェイクスピア
作品に繋がるものがいっぱいありましたね。
上演時間も比較的短めで、シンプルな印象がしたのは、登場人物が
少ないというのも要因なのかもしれません。

このシリーズも残すところあと数作。歴史モノが多く残っている
と言う印象がありますが、次は何が上演されるのか楽しみです。