仕事を定時で終わって、金山へ。
目的はこれを観る事でした。

ジュリアおたあわらび座「ジュリアおたあ」名古屋市民会館 け列
18:30開演、21:10終演
※18:30〜19:00は記念セレモニー
原案:鈴木哲也  脚本・演出:鈴木ひがし
出演:椿千代、平野進一、飯野裕子、岡村雄三、渡辺哲、鈴木潤子、高橋磨美、白井晴菜、笹岡文雄、安倍幸太郎(劇団M.M.C)、 黒木友宜、千葉真琴
【あらすじ】 
秀吉の軍勢によって親や故郷を失った少女おたあは、九州肥後国宇土のキリシタン大名・小西行長のもとで、行長とその妻ジュスタの慈愛を受けて成長していく。行長が設立した施薬院(貧しい人々を無料で手当てする施設)を手伝うようになったおたあは、「誰かの為に命を使いたい!」と強く願うようになってゆく。やがて関ヶ原の戦いに赴くことになった行長は、「戦の無い、海の向こうの国々との交易の夢」を語り、武士と理想の狭間で悩みながらも、前を向いて歩んできた人生を語る。その言葉におたあは、「生きることの意味=愛」を知り、行長の願いを受け継いで生きようと決意する。しかし、行長が関ヶ原の戦いに敗れ処刑され、家康に仕える事になったおたあに、更なる苦難が待ち受けていたー。



「わらび座」は名前を聞いたことはあっても、今まで一度も
ご縁がなかったのですが、会社の同僚が以前、この劇団の
関係者だった事もあって「一度観てみてくださいよ」と言われて
本日の観劇に至りました。

この劇団は秋田に自前の劇場をもち、平行して日本中を公演して廻る
という形態の歴史のある劇団なのだそうです。





 
タイトルを聞いても全くピンと来ない。「ジュリア」は良いとしても
「おたあ」って?と思って劇場へ。

客層は著しく年齢層が高くて私ですら違和感を覚えるほどでした。
開演時間となって幕が開くとそこには演台と日韓の国旗、そして左右に並ぶ
胸に来賓のリボンをつけた、どうみても役者には見えないスーツ姿の
偉そうな男性が左右に並んでいます。司会者まで居るし!
もう、頭の中には「?」が20個ぐらい並んでいる状態で、一緒に行った
後輩に助けを求めるように視線を送ると「日韓国交正常化50周年の
記念事業として協賛してもらっているからじゃないかな」とのこと。
なるほど。。。と思うと、次々と来賓挨拶が続き、芝居を観に来たんだか
仕事で講演を聞きに来たんだかわからない状態に(笑)。
結局来賓のご挨拶は延々と30分続き、一旦幕が閉まって10分休憩。
・・・ゆっくり来てもよかったじゃん(爆)。

舞台そのものはミュージカルです。でも台詞で進む所も多いので
2幕はミュージカルというより音楽劇という趣でしたが。
1幕、2幕の最後はまるで「ワンデイモア」のようなミュージカルの
王道の盛り上がりだなあ、と思ったら、演出家の方がレミゼの
演出助手をしていた方だとか。なんか、納得です。
歌も皆さんお上手・・というか、(まあ、お上手なんですけども)
とても丁寧に歌っていらっしゃるという感じがしました。
ただ、どうも迫力に欠けるのですよねぇ。
色々と原因を考えてみたのですが、果たしてこのキャストの方の歌唱に
迫力がないのか、それとも東宝ミュージカルのような大手の作品が
必要以上に音響で“盛って”いるのかは分かりませんが、確かに大手の
作品はすごく音が響くように設定されていて、違和感を感じることが
あったりしますので、両方が原因かもしれないです。
キャスト自体も多くはないですから、アンサンブルの迫力、という
点では不利かもしれませんね。

そして疑問をもっていたタイトルは実在の女性の名前でした。
秀吉の朝鮮出兵で両親を殺され日本に連れてこられた女性の名前。
その後小西行長に育てられ、キリスト教の布教に尽力した方だとか。
なるほど、だから日韓国交正常化の記念事業として協賛される訳ですね。
お恥ずかしながら、この方の存在は全く存じませんでした。

お話のベースが“おたあの人生”ですが1幕が少し長い印象です。
説明が多くなってしまうので仕方ないと思うんですけどね。
後半の盛り上がりは良かったと思うので、もう少しキリスト教の部分なのか
おたあの強さなのか、おたあの悲劇なのか、国の政の愚かさなのか
テーマを絞ったほうが分かりやすいのかもなあ、と思ったりもします。
2幕には笑えるシーンもあったり、泣けるシーンもあったりで
思った以上に観やすい作品でしたし、劇団の強烈な癖のようなものも
感じなかった、とても良心的な作品という感じですね。
映像を多用することもなく、セットもシンプルでアナログな感じは
嫌いじゃありません、私。
音楽も複雑ではないけど、聞きやすいメロディーでした。

とても面白い題材だと思いますので、もう少し切り口や脚本が
変わると、もっと疾走感のある作品になるような気がします。
そこそこ舞台も観ていると思っていましたが、まだまだ知らない劇団、
知らない作品が多くあるんだなぁと思ったのでした。
今回はいい機会を頂きました。

ただ、カーテンコールにも例の“来賓”と“司会”の方が登壇して
「では、花束贈呈を・・・」が始まったときには軽く脱力感を
覚えましたね。市議の先生たちは休憩中には支持者の方なのか
地元の方なのか知りませんが、挨拶回りに客席をぐるぐる回られ
満面の笑顔で挨拶を繰り返しておられ、舞台の内容とのギャップに
ちょっと皮肉なものを感じた私でございました(苦笑)。
個人的にはエンタメはエンタメとして楽しみたいな。
事情は色々あるとは思いますけど。