今回の遠征の〆はこちらです。
わかぎゑふさんの舞台を一度観てみたかったんです。
粟根まことさんもご出演ですしね。
場所は今年の浦井君のFCイベントでも行ったことのある所です。

夜の姉妹「夜の姉妹」品川プリンスホテル クラブex  A3列(3列目)
18:00開演、21:00終演 
作・演出:わかぎゑふ
出演:山本裕典、彩乃かなみ、佐藤永典、平野良、宮下雄也、原嶋元久、田中崇士、中野咲希、菊地美香、黄川田将也、八代進一、近江谷太朗、粟根まこと

【あらすじ】
19世紀初頭のドイツ、バーデン大公国。そこへフランスからオペラ「椿姫」を書いたアレクサンドル・デュマという女流作家がやってくる。そこで、バーデン大公国の皇太子、ラインハルトに出会い、やがて親友になっていく。ラインハルトは恋人ローザとの結婚を両親、特に母親のマルガレーテ王妃から反対されていた。王妃と大公はラインハルトを跡取りにしたくないという動きもあり・・・




劇場に入ると、何やら、そこはかとないアウェイ感。
何なんだろう・・・(笑)。
確かに客層はすごく若い。20代とか10代後半のお嬢さん方ばかり。
会話を耳にすると、結構リピーターもいる様子。
でも・・・いつも私が観ているような舞台と、何かが違う(爆)。
何が違うんだ!

舞台は、この場所を選ぶ以上円形ステージにするのかな?と
少し期待していましたが、T字型というか、真ん中に突き出した形の
舞台になっていました。ちょっと残念。
また、元々がクラブなのでステージに対しての客席の傾斜もなく
そのためにか、ステージは少し高めに作られていました。




今回出演された俳優さんで「テニスの王子様」に出ていらっしゃった
方が何名も居たようです。
もともとネルケプランニングの舞台は、少しアニメっぽい作品が多い
という印象ですし、出演する俳優さんも若手のイケメンばかり。
私は初めて拝見する方が多かったのですが、観客の皆さんは
出演者の事を良くご存じのようなんですね。
そういう雰囲気がアウェイ感につながったのかなぁ・・と。

舞台そのものは「男女入れ替え」と言う事なので、男性役は女優が
女性役は男優が演じています。
男女を入れ替える必然性は何だろう?と思って観はじめました。

ラインハルト皇太子を演じた彩乃かなみさんは、舞台上での
立ち居振る舞い、声の出し方などから一発で「宝塚出身の方だ」
「舞台慣れしている方だ」と言う事が分かり、この方に関しては
中性的な魅力がよく出ているなあ、と思いました。

ただ、逆に言うと男女逆転をしている事でプラスに働いているのは
私は彩乃さんだけだったように感じます。
あ、待てよ。粟根さんも良かったな。
教養もある女性だけど、色気は無くて、真面目で、堅物で
悪人なのか善人なのかが分からない人。
本当の女性が演じるともっとオバサン臭くなりかねないですし
あまり″女性”を感じさせちゃいけない人だと思うし。
途中でパニエが脱げて落ちてくる・・というハプニングもありましたが
うまく笑いに繋げていらっしゃいました。

もちろん女装しているイケメンボーイ達はお綺麗なんですけど
時折、所作が″男”のままなのが気になります。(特に山本裕典くん。)
「男が演じている女」で笑いを取ろう、という趣旨の演出なら
それはそれでアリだと思うし、そういうノリの部分もありましたが、
最終的にどうしたかったのかなぁ・・という所が少し曖昧でした。
そう考えると、蜷川シェイクスピアってクオリティ高いわ・・。
それにしても、最近のイケメンボーイは背が高いわ、顔は
とてもちっちゃいわ、である意味バランス悪いよね、と思った(笑)。

あと、あの舞台の形状もどうなんでしょうね。
T字型の突き出した部分で演技をされても、私は凹んだ部分の
席に居たので、死角になって見えないところも多くて、むしろ
普通のシアター形式の方が観やすかったのにな、と少し残念。
左右の袖ではなく、舞台の奥から出入りするのは面白いなあ
と思いましたが、あの形状でなくても良くないでしょうか?

と、ここまでみると不満が多いように思われるかもしれませんが、
ストーリー展開が意表をついているというか、どんでん返しがあり
切なくて、とても面白かったのです。
(だからこそ″勿体ない”って思ったんですよねー)
両隣のお嬢さんは、手を握りしめて泣いていらっしゃいました(笑)。

国王と妃が離婚をしようとしているのは、不仲だからではなかった。
皇太子が結婚し、子供をもうけることを反対したのは、実は
相手の女性や生まれてくる子供の事を考えての事だった。
妃は自分が女性だったが故に知らなかった″事実”の為に、子供を
死に追いやることになっていた。
そして全てを理解した皇太子は、生まれたばかりの自分の子どもを
傷つけて、死に至らしめた。
最後の″歌”とオープニングがリンクする時、とても切なくて。
そして、皇太子の弟も杖をついて出てきたときに感じる絶望感は
デュマの感覚と同じなんだろうと思わずにはいられない。

中盤までは、権力争いとかの話かと思っていたのに、どんどん
全く違う方向に進み出し、そして加速がついて目が離せなくなる
そんな感じの舞台でした。
悪者ばかりかと思ったら、悪者が居ないんだよねー。
むしろ悪者が居てくれた方が、スッキリできたかもしれないよねー。
粟根さんもブログに描かれていましたが、ゴシックホラーと言うより
サスペンスの要素が強い気がしますね。

観やすく、分かり易い作品なのですが、それと同時に、コンテンツ
としても非常に伸び代を感じるので、蜷川さんとか、栗山民也さんとか
全然違う方が演出をされたり、男女逆転しないで上演すると、
らもっと違う魅力が発揮される気がするので、そういうパターンも
観てみたいなあ、と思います。

エンディングに男性はタキシード、女性はドレス姿でダンスを
踊りはじめ、客席から一斉に手拍子が始まった時に「ああ、私の
感じていたアウェイ感はこれだ!」と思い至りました(笑)。
皆さん、このノリに慣れていて、″身内感”があったんですね。
踊りを強要されないので、まあ構わないのですが、切ない話は
余韻を大切にして帰りたいんだけどなー、私は(笑)。