朝からダラダラとして、その後お出かけです。
でも時間を読み間違え、最寄駅に着いたのが開演9分前。
ひえ〜!と中日ビルまでダッシュ、最後の直通エレベーターで
9階まであがり、着席です。危ない危ない。

中日文楽1「第四回 中日文楽 昼の部」 中日劇場 11列
11:00開演、13:50
・解説−文楽の魅力
・寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)
・仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
  二つ玉の段(ふたつだまのだん)
  身売りの段(みうりのだん)
  早野勘平腹切の段(はやのかんぺいはらきりのだん)




「中日文楽」は第一回目から観劇していて、そのうち殆ど
昼夜通して観ています。
歌舞伎の巡業もですが、分かり易い、有名な演目を選定して
頂けるのと、事前の説明などがあって、私のような初心者でも
楽しんで観られるのがいいんです。 

簡単な感想は追記にて。




 
解説−文楽の魅力:豊竹芳穂大夫
寿式三番叟
 翁:豊竹咲大夫
 千歳:豊竹呂勢大夫
 三番叟:豊竹希大夫
 三番叟:豊竹靖大夫
    豊竹咲寿大夫
    鶴澤清治
    鶴澤燕三
    鶴澤清馗
    豊澤龍爾
    鶴澤燕二郎
 (人形役割)
 翁:吉田和生
 千歳:吉田勘彌 
 三番叟:吉田幸助
 三番叟:吉田一輔 

歌舞伎で操り三番叟は観た事がありますが、それ以外の三番叟は
まだ観た事がございません。
ただ、五穀豊穣を寿ぐ、という点では変わらないものなんですよね?

歌舞伎でも舞踊ものは少々苦手なものですから、少し不安に思って
いたのですけど、結論から言うととても楽しく拝見しました。
翁や千歳については、神聖な印象がして、祝いの場で演じられる
というのも分かる気がします。

ですけど、その後の三番叟の踊りは、前半の神聖な雰囲気とは
全く違って、力強くてワクワクしてくる感じ。
力いっぱい踊っていたからか、ゼエゼエして舞台の端で休んで
汗を拭っちゃう三番叟や、ズル休みしている三番叟を叱りに
行ったクセに自分自身が休憩したりする三番叟が愛らしくって。

神聖な雰囲気から、ワクワク楽しい雰囲気で終わって、
ちっとも眠くなる事なく、観ている私もニコニコしちゃう演目でした。
楽しかった。


仮名手本忠臣蔵
二つ玉の段
 豊竹芳穂大夫
 竹澤團吾
 胡弓鶴澤燕二郎
身売りの段
 豊竹咲甫大夫
 鶴澤清志郎
早野勘平腹切の段
 豊竹英大夫
 竹澤團七
(人形役割)
 百姓与市兵衛:桐竹紋臣
 斧定九郎:吉田玉佳
 早野勘平:吉田玉男
 女房おかる:桐竹勘十郎
 与市兵衛女房:吉田簑二郎
 一文字屋才兵衛:吉田簑一郎
 めっぽう弥八:吉田玉翔
 種ケ島の六:吉田玉誉
 狸の角兵衛:吉田簑次
 原郷右衛門:吉田玉也
 千崎弥五郎:吉田勘市
 駕籠屋:大ぜい 

仮名手本忠臣蔵については歌舞伎で主だった所は観ており
今回上演されている段についても、有名どころですので、やはり
何度か歌舞伎で観た事はありました。
でもやっぱり面白かったなー。

私は基本的に「人が演じる」のを観るのが好きなので、文楽も
好きではありますが、そこまでハマらないかなと思っていました。
でも今回、太夫さんすごいな・・と改めて思っちゃったんですよね。
今までは、つい文字を追う事に集中してしまって余裕がなくて。
それが、今回は自分が知っている演目なので、筋を追う事に必死に
ならなくても良かった分、大夫さんの語りにも注目できたのかな。
それが大夫さんの語りで、人が演じてるんだな、と思えました。

それにしても、定九郎の与市兵衛へのとどめの差し方は残忍だなぁ。
与市兵衛の訴えも切実だったから、尚更そう感じるんだけど。

勘平も死ぬことになるとはいえ、ある意味自分の希望が果たせたので
本望な部分もあるんでしょうけど、姑の嘆きを見ていると
与市兵衛も、その奥さんもおかるも、本来はただの庶民だったのに
早野勘平と関わってしまったがために、大きな歴史の犠牲になった
一家なんだよな、という事が切なく伝わってきました。

「仮名手本忠臣蔵」は昨年に続いての上演ですから、来年は
「祇園一力茶屋の段」とかやってほしいなあ。

笑ったり、切なくなったり・・。とても楽しい上演でした。