朝イチで歯医者に行って、それからミリオン座へ。
時間が少し空いてしまったけど、これが観たくて・・・。

ロイヤルナイト
監督:ジュリアン・ジャロルド
出演:サラ・ガドン、ベル・パウリー、エミリー・ワトソン 他
【あらすじ】 
1945年、5月8日。6年間続いた戦争が正式に終わる国を挙げてのお祝いの夜。エリザベス王女と妹のマーガレットは生まれて初めてお忍びでバッキンガム宮殿をあとにする。付き添いが目を離した隙に、シャンパンに勢いづいてバスに飛びのったマーガレットを追いかけて街にでたエリザベス。そして人生を変える一夜が幕を開ける─。今年生誕90周年を迎え、イギリス史上最高齢・最長在位の君主であるエリザベス女王の実話を基にした感動の物語。



何となくフライヤーの写真から「おとぎ話」ってうイメージが
あったのですが、実話がベースと言う事だそうで、そこに興味アリ。
でも、いつもは男性の方が多いのでは?と思うミリオン座なのに
圧倒的に女性が多い、しかも私よりも圧倒的に年上の女性。
内容がイギリス王室ものなので、こうなっちゃうのかなー。

1945年、5月8日のイギリスにおける「戦勝記念日」と言えば
映画「英国王のスピーチ」でも 取り上げられていた場面だな・・と
観ながら思い出しておりました。




 
実話がベースと言う事だそうですが、戦勝記念日にマーガレットと
お忍びの外出をしたこと、そこでスピーチを聞いたこと、リッツホテルで
ワルツを踊った事が符合するぐらいなので、それ以外はフィクション
なのでしょうね。
ただ、戦勝記念日は本当にあんな感じだったようで、国を挙げての
お祭りだったんだな、という迫力を感じます。

全体にライトな感じの作品ではありましたが、エンタメとして
楽しく観られました。
やっぱり王室モノって、それだけでちょっと楽しめてしまう(笑)。 
「ジャックにお金を借りている」とエリザベスが言うと父親(ジョージ6世)が
「持ち合わせがないので、召使に寄付してもらおう」と言うあたりが
「そうかー、現金持ってないのかー、要らないもんなあ」なんて
気付かされたりね。 でもちゃんとジャックの事をを理解する父親と
エリザベスは似ているなーとも思いましたよ。

でもマーガレットを演じたベル・パウリーがいい味を出してたなぁ。
無防備に知らない男性について行ってしまい、娼館に連れ込まれて
薬入りのお酒を飲まされたりするのに、“無菌状態”で育っている
彼女には「悪意をもった人がにこやかに近づいてくる」なんて想像が
つかなくて、危機感と言うものが全くない様子が、良く描かれてて。
でも、ちゃんと逃げ切っちゃう辺りが、彼女の運の強さというか(笑)
憎めない感じが魅力的に描かれていて、とてもキュートでした。

エリザベスも分別があって、知性が高いのだけど、普通の若い
女の子らしさや弱さももつ女性として描かれていました。
「エリザベス王女ですっ!」と言うときの凛々しさは「さすが」な
感じが出ていましし。大人になった彼女の元ならばいい社会が
やって来るのではないか、と思わせられました。

戦争に対するネガティブな面とか、王室に反発する声とか、
もっと下層で苦しむ民衆とか、暗い面はサラッと触れただけなのが
物足りないというか、残念と言えば残念なんだけど、そこを
突っ込みすぎると、まとまりがなくなりそうだし、逆にエンタメ作品なので
これぐらいが丁度よかった気もします。