ミリオン座に残って、もう1本。
こちらは結構楽しみにしていた作品ですが、かなり混みあっていました。

ストリートオーケストラストリート・オーケストラ
監督:セルジオ・マシャード
出演:ラザロ・ハーモス、カイケ・ジェズース、サンドラ・コルベローニ
【あらすじ】 
サンパウロ交響楽団のオーディションに落ちたヴァイオリニストのラエルチが紹介された仕事は、スラム街の学校で音楽教師。5分たりとも静かにできない子供たちに愕然とするが、「ギャングがラエルチ先生の演奏に感動して銃をおろした」と聞いた子供たちは、音楽に興味を抱き、演奏に喜びを覚え始める。そんな矢先、ラエルチと子供たちに、思わぬ事件が待ち受けていた―。クラシック音楽でブラジルを動かした感動の実話!彼らの奏でる希望に満ちた旋律が人々に勇気を与える。


これは、実際にブラジルのスラム地区の子供たちで結成された
エリオポリス交響楽団の誕生にまつわる実話をもとにした作品で
作品中の暴動も、モデルになるような騒ぎがあったそうです。
ただ、登場人物や具体的なエピソードはフィクションっぽい。 



 
これもまた軽く泣かされましたが、ただ「良かったね」だけではない
重いものも感じました。

単純に音楽は素敵です。 
パッヘルベルのカノンが大好きなので、それだけでも嬉しいし
ラストの演奏会は見惚れてしまいました。
かといってクラッシックばかりでもなく、ヒップホップも使われていて
「クラッシック最高♪」みたいな感じになっていないのも、良かったし。

日本という土地に生まれ育ってしまうと、「スラム」と言うものを
現実感をもって受け止めることが出来ない所もあり、あの子たちが
楽器演奏をするという事が、どれ程すごい事なのかをちゃんと
私自身が理解出来ているかは疑問が残ります。
ただ、女の子が言っていたように、合奏する事によって、自分が
必要とされている、存在意義が感じられる、と言う事がとても
大切で、そこはスラムであろうがなかろうが、きっと変わらない
んじゃないかな、とも思うんですよね。 

序盤の女子生徒2名の喧嘩も、途中からガチになったらしいし
警官との抗争シーンも(警官は“俳優だ”と説明していても)
ガチになって暴走しかねなかった、という話を読んで、この問題の
根深さも感じましたが、ただ現実にエリオポリス交響楽団が
成立しているという事に、救われる思いもします。

ただまあ、あの先生。初めて人前で演奏した訳じゃなかろうに
あそこまで緊張するって、プロとしてやっていけるのか?と
思ったのは私だけではないはずだ(笑)。

・・・・そんな治安問題を抱えるブラジルでも、ちゃんとした
交響楽団はあって、それを聴きに来るお客様もいるという所に
貧富の差を感じざるを得ないし、子供たちがカードで買った入場券。
あのカードは(偽造ではない)ちゃんとしたカードなのか?
と思わず疑ってしまう所に、単純に「良かったね」とは言えない
気持ちになった原因があったのかな、と思います。