今回の遠征2本目はこちら。
キャストが良いのでチケットを取ったものの、どういう話なのかは
全く分からないままでの観劇でした。

メトロポリス「メトロポリス」シアターコクーン F列(7列目)
19:00開演、21:00終演
原作:テア・フォン・ハルボウ 演出・美術:串田和美
出演:松たか子、森山未來、飴屋法水、佐野岳、大石継太、趣里、さとうこうじ、内田紳一郎、真那胡敬二、大森博史、大方斐紗子、串田和美
【あらすじ】 
 メトロポリスの主、フレーデルセンの息子フレーダーは、労働者階級の娘マリアと出会い、恋に落ちる。彼女を追って地下へと向かい、そこでメトロポリスを動かす巨大な機械と、過酷な労働を強いられる労働者を初めて見たフレーダーは、社会の矛盾に気付く。一方マリアは密かに集会を開き、労働者たちに忍耐と希望を説いていた。「頭脳(支配者)と手(労働者)を仲介するのは心でなくてはいけない。仲介者は必ず現れる」と。それを知ったフレーデルセンは、旧知の科学者ロートヴァングにマリアを誘拐し、製作中のアンドロイドをマリアそっくりの顔にして、労働者たちの間に送り込み、彼らを混乱させろと命じる。アンドロイドは見事にその役割を果たし、労働者は暴徒と化して機械を破壊、メトロポリスも音を立てて崩れ始める。そのために労働者が住む地下の町は洪水に見舞われて…。フレーダーは、最初に出会った労働者の若者や、父が解雇した元秘書などの助けを借りて、マリアと地下の町を救うべく立ち上がる。





コクーンで終演後に今後の某公演のチケットを売っていた(しかも「席だけでも
見て行ってください」って呼び込みまでしてた)のを初めて見ましたよ。
まあ、その該当公演、私も行きませんけどね(笑)。

 
 


原作の「メトロポリス」は観たことがありません。
「SF映画の原点にして頂点」と言われている映画であること、ぐらいの
知識でしたので、昨年観た「プルートゥ」みたいな感じなのかな?
ぐらいな軽い気持ちで観に行きました。

作品についての予備知識を知らなければ楽しめない舞台なんて・・
と思う気持ちもありますが、知っていた方が楽しめるという側面が
あるというのも、また真だとは思っています。
そういう意味では、今回はもう少し予習をしていくべきだったかな。

摩天楼が建ち並ぶ超都市「メトロポリス」。
これは骨組みだけでできたセットの集合体。そのセットがバラバラに
なったり、固まったりを繰り返して形を変えていき、形を変えたり
その移動するセットに合わせて、その中にいる役者さんたちも
動いていく、そのコンビネーションは見事です。
そして、「メトロポリス」のセットは、そのまま労働者階級の住む
地下のセットにもなり、実は表裏一体というか、捉え方次第で
ユートピアとディストピアは変わるのではないのかな、などと
思ったりもします。

ユートピアを支配するフレーデルセン(大森博史)の息子の
フレーダー(森山未來)は、支配階級の証である白い上着を
着る恵まれた立場にありながら、作業着を着て一日働く労働者
階級の世界を知ろうとし、出会った労働者と上着を交換して
その世界に潜り込み、そこでマリア(松たか子)と出会います。

でも冷静に考えると昔の作品だなぁと思いますよね。
そんな高度文明の社会を描いているのに、地下労働者たちの作業は
肉体労働ばかりで、ちっとも機械化されていない(笑)。
作業においては、生身の人間を使うより、産業ロボットを
使う方が合理的なのに、当時には「産業ロボット」がまだ
無かったのかなーなんて思ったりしてね。まあ、いい対比になって
いるし、よりSFっぽさを醸し出してもいるのだけど。

「頭脳(支配者)と手(労働者)を仲介するのは心でなくてはいけない。
仲介者は必ず現れる」

そう説くマリアは、ラジオのDJもしており、労働者たちのマドンア
でもあり癒しの存在。
彼女の温かく、透明感のある歌が母性を感じさせて、疲れた
労働者たちから支持されるのが分かるような気がします。
マリアとパロディは、その違いが明確に分かるときと、分かりづらい
所が混在していたように感じました。
ただ、それは演出側の意図だったんじゃないか、とも思いますが。

その「頭脳と手の仲介者」になり得る存在のフレーダー。
森山未來くんの身体能力は今さら書く必要もないほどですが、
彼はこういう作品を選んで出演しているような気すらしますね。
アカデミックというか、小難しいというか(笑)。
もっと色々なタイプの作品に出てくれてもいいのになー。

親が子供を想う気持ち等も描かれており、全く分からない
という程ではないものの、「どこにでもイヌ丸」の存在意義
(存在感は十分にあった)だったり、ラストは結局・・?と少し
悩んでしまう所もあり、今一つカタルシスに欠ける作品ではありました。

私は串田さんの作品が好きだ、と思って今まで観てきたけど
どうやら好きだったのは、串田さんの演出するコクーン歌舞伎だった
のかもしれない・・と、今回ハッキリ自覚するに至りました。
「もっと泣いてよフラッパー」も、「ひょっこりひょうたん島」も
この作品も、観終わった後の印象が同じなんですよね。
うーむ。今度、どうしてくれよう・・・・。