朝イチは3か月に一度の歯科医通院。サックリ終了してしまい
次の予定は15時のため、さてどうしよう・・と思った時にこちらを
思い出しました。センチュリーシネマが近いじゃないか!

小さな園の大きな奇蹟「小さな園の大きな奇跡」
監督:エイドリアン・クワン
出演:ミリアム・ヨン、ルイス・クー 
【あらすじ】
有名幼稚園の園長だったルイは、エリート教育に疲れて退職。博物館で働く夫と世界一周の旅に出るつもりだった。そんなある日、テレビで見たのは、わずか給料4500HKドルの園長募集ニュース。資金不足で先生が一人もいなくなった幼稚園に5人の園児だけが残され、新園長が来ないと園が閉鎖されると言う。ルイは夫に反対されることを承知で園長に応募する決意をするのだが・・・。閉園の危機にあった幼稚園を1人の女性が再建した実話描く。



一度だけ予告を観て、気になっていた作品なんですよね。
香港映画かあ・・。私にしてはめずらしいな。




 
素直に泣かされたよねー。

ストーリーはある意味王道でというか、ありがちな作品ですよ。
もともとエリートだった人が、閉園に立ち向かい、徐々に周りの信頼を
勝ち得ていくけど、園児は集まらず、自分も病気で倒れてしまう。
そして、ギリギリのところで入園者が集まり、閉園を逃れてハッピーエンド。

でも、そういった分かりやすいストーリーでも、ちょっとご都合主義な
展開でも、許せてしまうというか、素直に見守りたくなるような
温かさのある映画だな、と思いました。
子どもたちが可愛いし、健気なんですよね。
幼いし、弱いんだけど、彼女たちは実は大人も驚かされるような
洞察力があったり、芯の強さがあったりして、そういう視点もとても
好ましい描き方だな、とも思いました。

これ、実話なんでしょ?
4500HKドルって、日本円だと6万円ぐらいだというから、日本なら
絶対に最低賃金にひっかかるレベルの報酬ですね。 
まあ、意地悪な見方をすれば、この主人公の方は世界旅行に
行こうと思うぐらいに経済的に余裕のある方だからこそ、出来たのであって
どんなに志があっても、経済的に無理な方だっていたはず。
でも、経済的に余裕があるからと言って、誰でも出来る事ではないですしね。 
日本では「幼稚園なんかに行かずに働け」っていう親は、まず居ないでしょ
と思いますが、こういう時代もあったし、そしてまだ未だにそういう
地域もあるんですよね。
そして現在の中国本土の富裕層での幼児教育のすさまじさは、
知識としては知っていましたけど、やっぱりあるんだな・・とも思うし、
同じ国なのに(香港と中国本土という違いはありますが)貧富の差で
受けられる教育に凄いギャップがあって驚かされてしまう。

将来の夢が無かった園児が、卒園式の時に「園長のように、だれかを
助ける事ができるようになりたい」って発表した後で、「園長ありがとう
ございました。でも・・・卒園しなきゃダメ?」ってボロ泣きしたシーンでは
私ももれなく泣かせて頂きました(笑)。
よかったねー、いい先生に出会えてって。

この実在のルイ園長は、今でも同じ報酬で園長を続けていて
園では入園希望者が多く、待機中の子どももいるほどとか。
それをエンドロールで知ってまたホッコリと温かい気持ちになれた1本でした。