朝イチでチケット予約をクリアし、ホットヨガに行き、慌てて向かった豊橋。
これが今年最後の豊橋です。

かもめ
「かもめ」 穂の国とよはし芸術劇場PLAT主ホール L列
13:00開演、16:10終演
作:A.チェーホフ 翻訳・上演台本:木内宏昌 演出:熊林弘高
出演:満島ひかり、田中圭、坂口健太郎、渡辺大知、あめくみちこ、山路和弘、渡辺哲、小林勝也、中嶋朋子、佐藤オリエ
【あらすじ】 
若き劇作家トレープレフは退屈で惰性的なこの時代のすべてに我慢できず、その不満の発露を新しい劇形態の創作に求めいる。しかし、彼の母であり有名な女優でもあるアルカージナや、彼女の愛人である著名な作家トリゴーリンは、彼が上演した湖畔での野外演劇を真に理解しようとはしない。トレープレフの焦りはますます高まるばかりだった。その頃、美しい娘ニーナは女優になることを夢みて、きびしい親の眼を盗んではトレープレフと演劇活動を続けていた。彼女は演劇仲間であるコーチャが自分に抱く愛を知りつつも、女優として大きく成長するには別の生き方をしなければならないと考えていた。そして、その気持を受けとめたのはトリゴーリンであった。ニーナは彼のもとへと去っていく。一度はニーナとの愛を選んだトリゴーリンであったが、その生活は長く続かなかった。彼が欲し、必要としているのは、実はアルカージナだったことに気づいたからである。数年の後、ニーナは夢破れて昔の家に戻ってきた。今や彼女を支えているのは、試練に耐えて彼女自身がつかみとった自己の才能を信ずる信念だった。



「かもめ」を観るのは何度目だったかな。
チェーホフの作品の中では「桜の園」よりは好きな作品です。 
誰がそこまで人気があるのか分かりませんが、すんなりとは
チケットが取れず、席もイマイチ。
でも特別ご贔屓の俳優さんが居るわけじゃないし、センターなので
観やすいお席だったので問題ございません。






観劇を終えた後で、「坂口君が人気なのよ」と知り合いから
チケ取りが難航した理由を教えてもらいました。
そうなのか、彼は人気者なのか。
故に、普段あまり舞台を観ないであろう人がカーテンコールで
スマホを使って堂々とムービーを撮影していたり(←係が注意しろよと思うが)
横浜辺りから遠征してきたらしく、帰りの新幹線チケットを
確認する人がいたり(大楽でしたから)、いつもに無い客席の雰囲気。
終わった後で、「もうサイコー!」と言いながら抱き合うお嬢さまがた
がいらっしゃったりして、自分自身の観劇後の感覚とあまりに
違って、戸惑ってしまいました。

久しぶりに、芝居を観ながら寝ちゃったよねー・・・。

全体に中途半端だった印象が強い1本です。
まず一番受け付けなかったのが、役者さん達がアドリブのつもりか
ウケ狙いか知りませんが、やたら素で言葉を吐く場面が多かった事。
「豊橋信用金庫で7億」ぐらいまではまだいいですよ。
「今日ぐらいはちゃんとやろうと思ったのに」とか
「ジェネレーションギャップ?」とか、アルカージナやニーナではなく
佐藤オリエさん、満島ひかりさんが話しているシーンが多い。
特に前半はやたら多かったな。あれはどういう意図なんだろう。

ライブのエンターテイメントなので、そういうアドリブっぽいものが
ウケるのも理解はできますが、おふざけが過ぎているというか
何故イチイチ、平成の日本に引き戻されなければいけないのだろう
と思うと、どんどん舞台との心理的な距離が広がるというか
白けてしまって、寝落ちっちゃった訳です(笑)。 

後驚いたのが、トリゴーリン役が田中圭君だったこと。
ニーナが満島ひかりさん、ソーリンが小林勝也さん、マーシャが
中島朋子さん、ドールンが山路さんという、イメージ通りの
キャスティングの多い中、意表を突かれた感じです。
トリゴーリンって、私の中では都会的で洗練されている
(少なくとも、ニーナにはそう映るような人で)大人の男、って言う
イメージだったので「若っ」と思って(笑)。
ただ、観てみると、こういうトリゴーリンもアリかな、と思わされました。
割と厭世的というか、やさぐれた役を演じる事が多い印象なので
こういうのも新鮮でした。

コースチャを演じた坂口君は、思ったよりも良かったです。
ピアノが弾いている姿に、彼(コースチャ)の育ちの良さが見えたり
背が高い彼が見せる幼児性がアンバランスで、コースチャの
不安定さと合っていたように思います。

満島ひかりさんは、オフィーリアにしろ、ニーナにしろ、少し
エキセントリックな役をやらせたら似合いそうなんですよね。
でも、今回は彼女のオフィーリアを観た時と同じ感想。
うーん、もっと凄いと思ったけど、割と想定の範囲内だった。
決して悪くは無かったのですけどね。
 
新しい事をしたいんだろうな、というのは伝わってきますし、
新たにこの戯曲で発見出来る事もありましたが、
あまりこの演出は私の好みではなかったな、という1本でした。