今年最後の東京遠征はまずはこちらから。
寒いという情報は聞いていたのですが、ワンピース一枚で
上着もダウンコートじゃなくて、失敗した感が満載。
品川駅構内にあるユニクロでカーディガンを買ってから
歌舞伎座に向かいました。

十二月大歌舞伎 「十二月大歌舞伎 第一部」歌舞伎座 3階2列
11:00開演、14:10終演
一、あらしのよるに
原作:きむらゆういち  脚本:今井豊茂
演出・振付:藤間勘十郎
出演:獅童、松也、梅枝、萬太郎、竹松、橘太郎、猿弥、権十郎、萬次郎、中車

【あらすじ】
ある嵐の夜、真っ暗闇の山小屋で偶然出会ったオオカミのがぶとヤギのめい。二匹は、お互いの素性を知らぬまま夜通し語り合い、友達となる。「あらしのよるに」を合言葉に再会を心待ちにしていた二匹。約束の日に、相手の姿に驚く二匹だったが、互いの仲間たちに内緒で友情を育んでいく。だが、ついにはそれぞれの仲間たちに知られることとなり、猛反対にあう。裏切り者と追い詰められた二匹は…。



客席にはお子様連れのお客様もチラホラ。
そうだよね、この作品だったら親子そろって楽しめそうです。
花道にも芝が敷かれ、舞台は「あらしのよるに」仕様になっていました。

キャストは概ね初演と同じ。
月之助さんが新派に行ってしまわれたので、中車さんがご出演です。




テレビで放送されたものを一度観ていますが、やっぱり生で観ると
違うなーという事を実感しました。
まあ、映像で観るきはそこまで集中していないので、聞き逃す事も
多かったりするのも原因だとは思いますが。

中村獅童さんは、歌舞伎俳優さんとしてはあまり印象が強くないし
ガサっとした声もあまり好みではないのですが、こういう新作歌舞伎だと、
俄然活き活きして見えますし、獅童さんの良さが活きている気がします。
コミカルな動きも、台詞のテンポもよくて笑えます。
気が弱くてお人よしな「ガブ」がピッタリ。
でも「ガブ」であることを忘れ「オオカミ」となった時の凶暴な感じの
変わり方も見事で、表情と立ち姿だけで「ああ全然違う」と
伝わってくるのが凄いな、と思いました。

尾上松也さんは歌舞伎でも非常に印象が強くて声も好みですが、
最近は体がガッシリされて立役のほうが向いているんじゃないか?と
思う事もあるのですが、「あれ、メイって松也じゃなかったっけ?」と
一瞬思ってしまうぐらい、想像していたよりもとってもキュートで
可愛らしい羊のメイちゃんでした。

埋枝さんのみい姫は綺麗だし、相変わらずバケモノ系のお役は
並ぶものがないんじゃないか?と思うぐらい萬次郎さんのおばばも
良かったし、ぎろも本当に根性悪さが全開で良かったです。

ガブにせよ、メイにせよ、動きそのものは大きく単純なものが
多いのですが、観ている以上にすごく大きく大胆に体を使わないと
ああは見えないはずで、すごく体力を使う役だろうな、と思いました。
映像で観ていては、そういう感じがなかなか伝わりませんから。

義太夫さんとの掛け合いや、「神ってる」なんて時事ネタだったり
アドリブ感のある(恐らくアドリブ)のセリフ、客席を使った演出に
客席の練り歩きなど、生の舞台だからこそ楽しめる仕掛けも多くて
ホッコリと幸せな気分になって、今年の歌舞伎座納めとなりました。

ガブとメイ
木挽町広場にあった、ガブとメイのぬいぐるみwithクリスマスツリー。