今年の観劇始めでございます。
てっきりこの公演は月末だと思い込んでいて、偶然前日の夜に
気付いたからいいようなものの、でなければ完全にアウトでした(笑)。

スルース「スルース〜探偵〜」スルースVer. 名古屋市民会館あ列
18:00開演、20:55終演
作:アンソニー・シェーファー  演出:深作健太
出演:西岡馬、音尾琢真(TEAM NACS)

【あらすじ】 
マイロ・ティンドルは著名なミステリー作家であるアンドリュー・ワイクから呼び出された。 実はマイクはアンドリューの妻と不倫関係にあったので、その件で追及を受けるものと思っていたのだが、アンドリューは意外な事を口にする。「資産家の妻にはほとほと困り果てていた」「私も素敵な愛人がいる」そして「自宅の金庫に保管している宝石を泥棒に扮して盗んでほしい」・・・と。宝石には盗難保険がかかっているため、自分は愛人とともに保険金を手にし、マイロは妻と共に宝石を手にすればよいというのだ。虫のよい話だとも思ったが、金銭的に困窮していたマイロは作家のアンドリューが考えた筋書き通りに宝石を盗み始めるが・・・



これは以前映画で観たことがあり、舞台化されたら(元々舞台作品)
観てみたいと思っていたのですよね。
映画の内容はかなり忘れているとはいえ、面白いという事は
ある程度想定されていたので、安心して劇場へダッシュ!
東京では、新納さんと音尾さんのダブルキャストですが、
地方公演は音尾さんのシングル。
東京まで出かけるとしても、音尾さんで観たかったので、そう言う
意味では丁度良かったかな。


 
 
「ネタバレ禁止」と表示されていて、そりゃこういう作品では当然よね
と思いますが、公演が終わった今はどこまで書いていいのやら・・と。

まずは騙しあいの二人芝居は非常にスリリングでした。
外からの陽が差し込まないような、全体に暗いセットもまた
その雰囲気に合っていましたし。

新納さんの舞台を観ていないので、何ともいえないのですが
マイロ役の音尾さんが良かったなぁ、と。
後ろ暗い所があって、ビクビクとやって来るところ、突然の提案に
疑心暗鬼になっているところ、アンドリューをやり込めてるところ、と
どんどん変わっていく表情がね。
でも、お金に困っていないアンドリューの奥さんはこのマイロの
どこに惚れたんだ?若さかなぁ、仕事がバリバリ出来る風でもないし、
ビジュアルだって・・・ねぇ(笑)。
どちらかというと、ヤンキー崩れっぽい感じでしょ。
お金もないマイロと一緒にやっていけるのかしらねぇ・・と
思わずにはいられない。これが新納さんだとまた受ける印象は
違っていたんだろうな、と想像できるけど。

あと、見事だなぁと思ったのは西岡徳間さんの壊れっぷり。
理知的な役はイメージが出来る方なんだけど、そういう人だからこそ
ちょっと狂気があったり、取り乱したりしていく様子がとても
アンドリューを体現していますよね。
恐らく、とてもプライドが高い人だから自分の作品について
批判されたり、自分に主導権が無い状態にうろたえてしまって
人としての脆さが伝わってくるし、そういう人としての図太さが
逆転していくのも面白かったです。

マイロとアンドリューの騙しあいだったけど、でも実は
一番の黒幕はアンドリューの奥さんで、旦那とも別れたい、
マイロともずっと一緒にやっていくつもりはない、でもお金は欲しい
そう思った彼女が、全部のストーリーを仕掛けて、二人を葬った
んじゃないのかしら、と思ったりした私でした。

映画で観るよりもずっと面白かったです。
終わった後の二人が「やりきったぜ」みたいな感じでぐったり
なさっていて、そうだよね、二人芝居だったよね・・と。
でもこれ、名古屋で観られるのはありがたいのですが、内容から
いうと、東京での劇場(新国立小劇場)ぐらいの規模の所で
観たかったかもー。


で、この日はちょっとしたハプニングがありまして(笑)。
序盤、アンドリューの申し出に腹を立てたマイロが舞台を降りて
通路を歩いていたら、遅れて係員に誘導されて入ってきたお客様と
通路でバッタリ鉢合わせしてしまいました。
お客さんも注目を浴びるわ、着席したいけど、どうやら席は音尾さん
の立ち位置よりも前方みたいだし、戻るに戻れないし・・で、
どうしたら良いかわからずひたすら恐縮されていて。
この事がカーテンコールでネタにされてました(笑)。

音尾さんも通路で鉢合わせした時に、そのお客さんに「すみません」
って言われて、答えてあげたいんだけど、自分も怒っているシーンだし
どうしてもあげられなくて、っておっしゃってました(笑)。
ちゃんと舞台に支障のないところで案内してやれよ!って話ですが(笑)。 
役者さんって、ああいう時でも冷静なものなんだなぁ、と
ちょっと感心してしまいましたとさ。

なかなか良い観劇はじめになりました!