朝からバタバタと活動して、向かったのは赤坂です。
最近、赤坂で舞台を観るときは2階ばっかり・・・(溜息)。

ロミオ&ジュリエット「ロミオ&ジュリエット」赤坂ACTシアター2階D列
12:30開演、15:30終演 
原作:W.シェイクスピア
作:ジェラール・プレスギュルヴィック
潤色・演出:小池修一郎
出演:古川雄大、木下晴香、矢崎広、小野賢章、広瀬友祐、大貫勇輔、香寿たつき、シルビア・グラブ、坂元健児、阿部裕、秋園美緒、川久保拓司、岸祐二、岡幸二郎  他

※あらすじは省略


すっかり若手の登竜門といった位置づけの公演になっているのと
私がミュージカルに疎いので、Wキャストで知っている人の方が少なく
「知っている人」と、一部の「避けたい人」を考慮した組み合わせで
週末の日程を掛けあわせたら、選択肢はほぼ一択(爆)。
キャスト
 
残念ながら初演は観ていないのですが、2013年の公演は観ていて 
とても音楽が気に入り、幕間に売店にCDを買いに走ったという
(過去にそんな経験はない)楽曲が大好きな作品です。
今でもCDをよく聴いています。
だから今回もとても楽しみにしていて、チケ取りも気合が
入っていたのですが、2階のD列。
リベンジ!と思って大阪公演にも挑戦したけど、25列目とかで
すっかりトーンダウンして、大阪遠征は止めることにしました。

とはいえ、赤坂ACTシアターの2階は観やすくて、しかも
どセンターだったので、席に着くとそれはそれでワクワク(笑)。



 
幕があくと、いきなり飛行機が爆弾を投下する映像−。
これは・・争いの歴史は続いている、という事が言いたいのかしら?

まずは今回は新演出と言う事で、オープニングの大公の台詞が
かなり違っていたように思います。
以前は大公と民衆の間で「行政指導はなされたのですか?」のような
やり取りがあったはずですが、今回はその辺りのくだりが無かった
と記憶しています。

元々原作の「ロミオ&ジュリエット」からかなり細部をカットした
舞台でしたが、今回はより二人の恋愛と言う部分にフォーカスし
それ以外の要素は更に削ぎ落としていった印象ですね。
私が以前衝撃を受けて、記憶に残りすぎているのが原因なのかも
しれませんが、ジュリエットママとティボルトの関係がそこまで
ドロっとしていなかった・・・ように思う(笑)。
もっとドロドロと描かれていた気がするんですが。
ただこれは、役者さんの違いによるものかもしれませんが。

それは「死」にも言える事で、以前はもっと序盤からいつも舞台の
どこかに「死」があった(居た)印象なんですけど、今回は
「気づくと居た」という言葉が合っている気がする。
以前と違ってロングマントや帽子を被っていたりするのも一つの
要因かもしれませんけど・・・。
個人的には体のしなやかな動きが隠れてしまうような気がして 
ちょっと残念かな。 

そして・・・公演が始まった直後から話題になっている
「既読スルー」に「AED」のような単語ですが、ちょっとゲッと
思っていたのに、実際に舞台で観るとそこまで嫌悪感は無かったです。
これはセットや衣装が現代的だから違和感がなかったのか
心づもりをしていたから平気だったのか・・(笑)。

前回観た時のキャストと同じなのは、古川ロミオと大貫死だけ。
古川ロミオは以前よりは声量も気にならなくなってきたし、
いい感じで力が抜けているような感じですね。
何だろう、すごくこの人って冷静というか、少し醒めているというか
幸薄そうというか、低血圧っぽいロミオなんですよね。
個人的にはもう少し情熱的な感じのロミオが好きなんですけど、
良家の子息らしい知的さも感じられるし、普段冷静だからこそ
マーキューシオが殺されて激昂するとか、ジュリエットの死を
聞かされて激しく悲しむとかの差が激しくて、それはそれで
アリだな、とも思ったのでした。
そして、この人のダンスはしなやかでキレイだなあ、と思う。
ただ・・・もう少しアドリブに強くなりましょうか(笑)。
「大丈夫かしら」と見守るこちらがハラハラしてしまいますよ。
坂元さんを「おじさん」と言って、その後ガチで「以後気を付けます」
と頭を下げていたのは素を見ているようで微笑ましかったですが(笑)。
(まあ、アドリブ相手が坂元さんでは分が悪いですけども)

ジュリエットは現役女子高生の木下晴香さん。
なんて初々しいんでしょうねぇ(←オバサン全開だ(笑))。
その初々しさがジュリエットと重なって、とても良かったです。
歌も思ったよりもお上手だし、単に「歌う」ではなく、ちゃんと
演じて歌っていたのが凄いと思います。
これからもきっとミュージカルで活躍されるんだろうな。

マーキューシオとベンヴォーリオのお二人も悪くはないのですが
ちょっと高音が辛いようで、もう少し歌が安定していると
いいのになぁ、と。いや、決して下手とかではないんですけど。
ただワチャワチャ感は幼馴染で、本当に仲がいいんだろうなぁ
と思わせてくれて、その雰囲気は良かったですね。
ティボルトは以前観た加藤和樹君がとてもハマっていた印象でしたが
今回の広瀬さんも野性味があって良かったです。

ただキャストに関しては大きな不満はないものの、全体に小粒感は
否めない感じがします。

そして、この公演の見所は、メインは若手中心で、脇がベテランで
固められている所・・かな。
香寿さんと秋園さんはイメージに合っていて、お二人の歌うシーンは
本当にゾクゾクして満足だったのですけど、それ以外の方については
私的に、あまり役にフィットしなかったんですよねぇ。
皆さん好きな俳優さんばかりなのですが。
岡さんは歌は完璧、でも娘を想う切なさと温かさに関しては
以前の石川禅さんの方が好みだった。
坂元さんのロレンス神父も歌はバッチリで、声がクリアでセリフが
よく聞こえるのはいいのですが、もっと深さが欲しくて、やっぱり
安崎さん方が好みだった。
乳母のシルビア・グラブさんは、こんなに音域狭かったっけ?と
思う程高音が辛そうで、その点ではダイナミックな声量と
高音が出る未来優希さんの乳母が良かったなぁ。演技については
とても良かったんですけどね。

そう考えると、初演ってドリームキャストでしたね、観てませんけど(爆)。
初演に出ていた人たちが成功してきているという事でもありますね。

衣裳も更に現代的になって、一緒に観た人は
「ウエストサイド・ストーリーみたいだよね」と言っていましたが、
背景にビルが映ったりアメカジっぽい衣装を見ると、確かに・・と。
もともとウエストサイドはロミオ&ジュリエットをベースに
作られているのは有名な話ですが、どうしてもそうなっちゃうのかな。

エンディングも前回とは随分違ってた気がする。
十字架に張り付けられたキリストの真似をして、まるで自分が
世界を支配しているかのような顔をしていた「死」。
「死」しか解決をする術は無かったんだ、「死」が偉大なんだ
とでも言わんばかりに。
でも結局はその「死」から「和解」が生まれ、「死」が全てではなく
「愛」が「死」を超える事が分かり、十字架の上で苦しむ「死」。
言わんとしている事は同じなのかな、と思いますが、今回の方が
ストレートな表現だったような気がします。

演出やキャスト、衣装などの違いはあれども、私はこの舞台の
舞踏会で2人が出会い、二人だけになるシーンと、「エメ」を歌う
結婚式のシーン、ラストにキャストが「エメ」を歌うシーンが
大好きだなーと再確認しました。
最初は2階席にブーたれていましたが、ダンサーの踊りもよく見え、
2階だったからこそ結婚式でも「死」の影が舞台上に映る様子が
よく見えて実は良かったかも、と思いました。

相変わらずツッコミどころは満載ですけど、この作品やっぱり好きだ。
大阪公演のチケットは全部譲ってしまったのですが、どうしても
誘惑に負けて、この後再度大阪公演を取り直してしまったバカは
私です(笑)。だって、別の舞台を観るために、ちょうど大阪に
行っていて、観れるスケジュールだったんだもーん。