直前にテレビで特番も放送されましたが、やはりこの公演は
観ておきたい!

猿若祭「猿若祭二月大歌舞伎」歌舞伎座2階1列
16:30開演、20:45終演
 一、門出二人桃太郎(かどんでふたりももたろう)
 三代目中村勘太郎 二代目中村長三郎 初舞台
二、絵本太功記(えほんたいこうき)
三、梅ごよみ(うめごよみ)





ほんと最近中村屋さんの公演は座席運が悪いわぁ・・と
思いますが、歌舞伎座で2階から観るのは初めてです。
(2階席取るぐらいだったら、3等で3等A席を取っている)

 祝い幕
祝い幕のデザインはひびのこづえさん。

2階席かよ・・と、最初はテンションが低かったのですが
実際に観てみると、意外と視界が開けて観やすかったです。
(まあ、2階とはいえ1等ですから、観やすくなきゃ困るが)
売店には桃太郎に関連して、きび団子も売っていて、
またパッケージも可愛いものだから思わず手に取り会計へ。
でもその間に「お前はきび団子が食べたいのか?!」と
冷静になり、棚に戻したり・・という事がありました(笑)。




一、門出二人桃太郎(かどんでふたりももたろう)
 三代目中村勘太郎 二代目中村長三郎 初舞台
 劇中にて口上相勤め申し候

兄の桃太郎・・・勘太郎
弟の桃太郎・・・長三郎
お婆さん・・・時蔵
お爺さん・・・芝翫
息子勘作/鬼の総大将・・・勘九郎
嫁お鶴・・・七之助
犬彦・・・染五郎
猿彦・・・松緑
雉彦・・・菊之助
村の女・・・児太郎
村の男・・・橋之助
村の男・・・福之助
鬼・・・錦吾
鬼・・・亀蔵
村の男・・・彌十郎
庄屋妻お京・・・雀右衛門
吉備津神社巫女お春・・・魁春
庄屋高砂・・・梅玉
吉備津神社神主音羽・・・菊五郎


中村屋さんと桃太郎と言えば、8年前の名古屋城での平成中村座公演で
勘三郎さんが登場した際に、勘三郎さんの初舞台である桃太郎の際の
筋書きを掲げているお客さんが客席に居らっしゃったのを勘三郎さんが
見つけて「そんなモノ、よく持ってたね」のような事をおっしゃっていた
のが印象深い私です。

特番で結構取り上げられていたこともあり、目新しさはないのですが
もう、客席全体が「親戚のおばさん」になっているのが、本当に
よく分かります。
客席にも小さなお子様連れの方が多くいらっしゃって、二人の同級生
とかなのかなーなんて思ったりもしましたけど、とにかく客席が
「見守ってます」オーラがハンパなかった。そしてまたその温かい
雰囲気が心地よかったりもしたのですけどね。
桃が流れてくると「いよいよ」感が増してきます。

勘太郎君はちゃんと周りと合わせよう、と振りや動きの意味を
それなりに理解して動いているな、という事が分かり本当に
成長したなーと微笑ましく、長三郎君もチョコチョコと動いて
本当に可愛らしい。
3歳という年齢を考えると、じっとさせるだけでも大変なのに、
お兄ちゃんをみて、要所要所はきちんと合わせている。
開幕直後は舞台の端を歩いて、松緑さんに軌道修正してもらったり
なんていう事があったようですが、私が観た時にはそんな事もなくて。

口上も、普段よりも一人一人が短めで、サクサク進んでいきます。
子どもの集中力を考えての事なんでしょうね。

後ろに控えている勘九郎さんが、セリフのある時は別ですが
そうでない時には本当に心配そうに二人を見守っていて、
その姿を見ていると、こちらまでハラハラしてそうなぐらいでした。

それにしても、桃太郎の仲間の何て豪華なことか!
皆さんお子さんがいらっしゃる事もあるでしょうが、やはり
見守る視線の温かい事といったら・・。
踊りもコミカルだしすごくお得感がありました。

恐らく、舞台を観ている私も、舞台上の役者さんも、この子達を
温かく見守る先に、勘三郎さんを見ていたんだろうな・・と
思わずにはいられません。勘三郎さんがご存命だったら、どんなに
喜ばれただろう、と思うだけで泣けてきそうになります。 


二、絵本太功記(えほんたいこうき)
 尼ヶ崎閑居の場

武智光秀・・・芝翫
操・・・魁春
真柴久吉・・・錦之助
佐藤正清・・・橋之助
初菊・・・孝太郎
武智十次郎・・・鴈治郎
皐月・・・秀太郎
   
太功記とつくので、秀吉が出てくるんだろうねーなんていう
話をしていましたが、役名を見れば歴然でしたね。
十次郎が鴈治郎さんで、ちょっと意外な感じがしました。
鴈治郎さんって、お顔の感じもあって、はんなりした役の
イメージが強いものですから、若武者っていうのが意外で。 
でも、健気な雰囲気がきっと合っているんだろうなーと。

ただ、元々日本の歴史が苦手なものですから、この時代の話も
なかなか頭に入って来づらくて、感想を書けるほどではございません。


三、梅ごよみ(うめごよみ)
 向島三囲堤上の場より深川仲町裏河岸の場まで

丹次郎・・・染五郎
芸者仇吉・・・菊之助
芸者米八・・・勘九郎
千葉半次郎・・・萬太郎
許嫁お蝶・・・児太郎
本田近常・・・吉之丞
芸者政次・・・歌女之丞
太鼓持由次郎・・・松之助
番頭松兵衛・・・橘三郎
古鳥左文太・・・亀鶴
千葉藤兵衛・・・歌六

初見の演目でしたが、絵本太功記とは違って、こちらは分かりやすくて
楽しめた演目でした!(まあ、世話物なので当然ではありますが)
ていうか、想像以上に面白かった。

何て言っても、仇吉(菊之助)と米八(勘九郎)の二人が
本当に面白い。まずはキャスティングがバッチリなのが一つと
この二人の性格が全然違ってて、でも何となく通じる所があって
何より、現代にも「こんな女いるよね」って思えて、クスリとして。
二人で派手に喧嘩したりもしますし、男の名前になっているのも
深川芸者の特徴なのだとか。
それにしても菊之助さんの美しさ、所作には溜息が出ちゃう。

そしてまたピッタリだったのが丹次郎(染五郎)ですよね。
色男だし、周りが放っておかないのだけど、本人もそれをある意味
当然と受け入れているような所があって、でも嫌味じゃない(笑)。
二人に挟まれてオロオロしている所なんか見ると、思わず
「で、どうするのかしらね?」とちょっと意地悪な見方を
しちゃったりするのですけど(笑)。

でも結局は、許嫁だった お蝶(児太郎)と結婚するっていう
オチに思わず吹きそうになったけど、でも「報われない」という
オーラを全開にしている女こそ、最後には自分の思い通りに
なっている事ってあるよね?とこれまた「うむうむ」と
思ってしまいました。 

いやー、桃太郎がある意味目的だった観劇でしたが、面白かった! 
また上演されるといいなー。