遠征2日目は帝国劇場です。初演が面白かったので、再演も
楽しみにしておりました。

王家の紋章「王家の紋章 」帝国劇場
マチネ:12:30開演、15:25終演(G列)
ソワレ:18:00開演、21:00終演(R列)
原作:細川智栄子あんど芙〜みん「王家の紋章」
脚本・作詞・演出:荻田浩一 
作曲・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ 
出演:浦井健治、宮澤佐江・新妻聖子[Wキャスト]、宮野真守・平方元基[Wキャスト]、伊礼彼方、愛加あゆ、出雲綾、矢田悠祐、木暮真一郎 、濱田めぐみ、山口祐一郎 他
【あらすじ】 
 16歳のアメリカ人キャロル・リードは、エジプトで大好きな考古学を学んでいる。ある日、古代エジプトの少年王・メンフィスの墓の発掘に立ち合う。古代エジプトへのロマンに沸き立つキャロルの前にアイシスという謎の美女が突然現れる。アイシスは古代エジプトの神殿の祭司でメンフィスの異母姉。メンフィスの墓を暴いたことによる祟りを起こすため、現代に現れたのだ。彼女の呪術によって、キャロルは古代エジプトへとタイムスリップ。キャロルの金髪碧眼に白い肌、現代の知恵からエジプト人達に、“ナイルの娘”“黄金の姫”と崇められ、メンフィスからも求愛を受ける。強引で美しい若き王メンフィスに反発しながらも心惹かれてゆくキャロル。だが、メンフィスを愛するアイシスより命を狙われ、ヒッタイト王子・イズミルからも求愛されるなど、2人の間には数々の困難が立ちふさがる。果たしてメンフィスとキャロルの運命は―。




芝居を観るようになって、「やるまい」と心に決めていたのが
同じ演目を昼夜通しで観る事。理由は単純に「勿体ないから」。
勿論私だって、リピ観する事はありますし、一日どっぷりと
好きな作品を観続けられる醍醐味は理解出来るんですけど、どうせ
2回観るなら、別の日に分けてじっくり・長く楽しみたい派なのです。
でも今回は、結果的にその禁を破る事になりました(爆)。
もともと、もう1泊するつもりでしたし、初演があまりにチケットが
入手困難だったため、どうせどちらかは取れないだろう、と思って
昼夜ともエントリーしていたら、まさかのW当選。
譲り先を探したものの、譲渡板には大量の同公演の投稿があって
値下げしても、譲り手が見つからない。
・・・であれば、自分で楽しみましょう、という事で。

ちなみにマチネの組み合わせがこちら。
昼公演
この組み合わせ、私の中では一番優先順位が低かったヤツ(笑)。

夜公演
ソワレがこちら。イズミルが平方君じゃないのね・・というのが残念。

帝劇入口
帝劇入口は今回もこんな感じでど〜ん。
でもビジュアルは初演からは変わっておりますね。

再演の評判が今一つ芳しくないようで心配しておりましたが、
まあ、なんかそういう評判も分からなくはない感じですね。
ただこれは、初演を観ていればこそだよね、という事もあると思う。
ちなみに、オケはここ10年間の東宝のミュージカルの中では
2番目に規模が大きいそうで、音楽は迫力が増しておりました。
歌ウマさん揃ってますしね、基本的には(笑)。

「あー、そこ無くしたか」と「あー、そこ変えないのか」とか
「違わなくね?」と突っ込みながら観ておりましたが、
そうは言っても、エンタメとして面白かったです。
大阪公演も2公演チケット取れちゃってて、「おぉぉ」と思って
おりましたが、あと2回ぐらい観ちゃえ!という気になりました(笑)。






 

【変わった所、変わっていない所(セットとか衣装とか)】

・基本的なセットは初演と同じ。でも少しずつ立派になっているというか(笑)

・衣装が変わった人も居るかな。イズミルが水色の普段着っぽい服が

 増えていましたね。前回すごく気になったメンフィスのパンチラが

 今回は(私の席の関係かもしれませんが)殆ど気になりませんでした。

 メンフィスの髪がサララサラ度が増しているそうですが、そこまでは

 舞台ではちょっと分からなかったかな。

・「ナフテラポーズ」と言っていた、お辞儀のポーズが変わりましたね。

 以前は胸の前で手をクロスさせてお辞儀していましたが、手を挙げた

 ポーズ(ヒエログリフなんかで見たことがあるポーズ)になってた。

・初演では吹き出しそうになった、ライアン兄さんが使うダイヤル式の電話が

 下からニョキーって出てくるシーンが無くなったのは良かったです(笑)。

 

【変わった所、変わっていない所(演出面)】

今回は、よりキャロルのメンフィスの恋愛にフォーカスされていて、

そこに直接絡まない話は、バッサリ無くなった感じ。

将軍がアイシスに恋心を寄せるシーン。あそこは確かに初演では少々

取ってつけた感があったのだけど、アイシスの気高さと女性としての
脆さがドンと伝わるシーンもあったので、少々残念な感じ。

 

初演では最初から、アイシスがメンフィス・ラブなオーラを出しまくり

近寄ろうとする人を明らかに睨み付けたり、分かりやすかったのですが、

今回はそこまでではなくて、王女を殺すシーンが逆に少し唐突に感じます。

そういう意味でも、少しアイシスの濃すぎるキャラが薄まった感じ。

ただその“濃さ”が好きだった私としては、少し物足りない・・・。

とはいえ、やはり濱田めぐみさんの演じる切ない女は絶品ですけどもね。

 

メンフィスのキャラクターも初演とは違う印象。

初演では「暴君」をかなり意識していたと思われ、時にデスノートの

八神月みたいな「ちょっとイッちゃった」感じの怖さを出していて、

「それは違わないか?」と思ったりしたものです。

今回は、″冷静で怖い”って感じが強い。もちろん怒鳴る所はあるけれど

冷徹さをより感じます。

「王様」という意味では、今回の方が正しい気がしますが、ただ10代の

すぐに激昂したりする若くて、ある意味世間知らずの荒々しい王という

原作のメンフィス像とは少し違ったものになってきてしまった感じ。

 

アイシスの執拗さ、メンフィスの荒々しさが原作の魅力だとすれば

再演はそれらが少し失われてしまっているのではないかなぁ。

ただ、この舞台単体で考えると、この再演の方がよりバランスが取れて

収まりが良くなっているとも感じます。

 

あと、メンフィスの“やさしさ”は再演の方がキュンキュンするな(笑)。

すごーく優しく、大切なものを抱くようにキャロルを抱き寄せる

シーンや、ヒッタイトに囚われたキャロルが、メンフィスをかばって

再度囚われるシーンで「なぜ行かせた!」と自分を責めるシーンは

なかなかのキュンキュン度で、再演の方が好きですね。

 

細かいところですが、テーベの町に繰り出したキャロルが能天気に
歌い
踊る後ろで、無表情に淡々と踊るルカが、何気にツボだったん
ですけど(笑)、再演では、ルカはお供の人ではなくなってしまい、
あの「めんどくせーな」とでも言わんばかりの顔で踊るルカが
見られないのは、地味に残念(爆)。

キャロルが古代と現代に行く演出は、初演も「分かりづらいな」と
思ったのですが、大きく変わっていない感じ。
最初に現代→古代に行くシーンは少し改善したように思いますが
一度現代に戻った後、再度古代に行くシーンは、むしろ前よりも
分かりづらくなったような気すらします。ここは変えて欲しかったな。
 

 

【キャストについて(キャロル)】

今回はマチネが宮澤キャロル、ソワレが新妻キャロルでした。

もともと宮澤さんの公演を観たいとは思っておらず、日程的な問題で

観る事になっちゃった・・っていう感じ。

それがね、宮澤キャロルが思った以上に良くて、驚いちゃいました。

 

もちろん歌唱力に関しては新妻さんに及ぶはずもなく、声量の面でも

聞き劣りしてしまうのですが、思った以上にちゃんと歌えている。

それよりも、彼女の演じるキャロルが、とてもキャロルっぽい
というか、キャロルそのもの、っていう感じで、芝居心がある子
だなあ・・とちょっと感心すらしてしまいました。

見世物のように扱われてキレるところ、サソリに刺されたメンフィスを

必死に介抱するところ、自分のために争いが起きてエジプトの兵士が

亡くなっていく姿に涙するところ、メンフィスが助けに来てくれたのを

見て喜ぶところ・・・。むしろ、新妻キャロルよりも好きかも、と

思っちゃいました。

やっぱり先入観って持っちゃだめだなぁ・・・。

この観劇が無ければ、DVDはキャストは一択だったのだけど、

結局悩むことになっちゃいましたね(笑)。

 

それに対して新妻キャロルの歌の安定感は、全く心配するところもなく

マチネで宮澤キャロルの方がいいかも・・と思ったけど、やっぱり

新妻キャロルもいいなぁ・・なんて思ったり(笑)。

 

 

今回、再演になって1本のミュージカルとしてまとまりが良くなった

という印象です、悪く言えばこじんまりしちゃったとも言えるし

原作から少し外れて別の方向で発展したという印象もあります。

初演ではもっともっと突っ込みどころがあったし、バランスの悪い

所もあったけど、あの勢いやゴツゴツした荒っぽいところがまた

“味”でもあったんだろうなーなんて思います。

 

 

【カーテンコール】

カーテンコール最後にはメンフィスからの投げキスが。

でもなんか慣れていない感じがするのは私の気のせいでしょうか(笑)。

 

ソワレは「エポスカードとおけぴ」の合同貸切公演だったため、
カーテンコールではご挨拶がありました。

新妻さんから「エポスカードで王家の紋章全巻を大人買いしてもらって」

なんてご挨拶があり、〆は浦井君の挨拶。

「プレミアム会員でも全館貸し切りは難しいのに・・」と話だし、

両脇に居た宮野さんと新妻さんが「はっ、“全館”と“全巻”を間違ってる」

と気づき、同時に両側から浦井君に突っ込み。

「あー。そういう事ねー」と言いながらも、バツの悪そうな浦井君。

宮野さんには「でも、お客さんは皆分かってると思うから!」
と言われちゃいました。

最後の最後までバツが悪そうなままのメンフィス王でしたとさ。

大阪公演は結局2回も観に行くことになっていて、チケットを
取り過ぎた・・と思っていたのですが、まあ2回ぐらい観てもいいか!
と思えました。何だかんだ言って、面白かったです(笑)。