これは遠征してまでは・・な舞台ですが、地元であれば興味アリ。
19時開演なのがありがたいです。

エジソン最後の発明「エジソン最後の発明」アートピアホール2列
19:00開演、20:50終演
作・演出:青木豪
出演:瀬奈じゅん、東山義久、岡部たかし、まりゑ、安田カナ、武谷公雄、八十田勇一、小野武彦

【あらすじ】
下町にある小さな工場。社長は、職人でありながら近所から「エジソン」と呼ばれている発明好きのおじいさん。でも何だか最近気もそぞろ。実は彼、発明王エジソンが最後に発明しようとした「Spirit Phone」(死者と話す通信機器)を開発しようとしているらしい。「なぜ、そんなものを発明しようと思ったの?」「死んだ誰と何を話したいの?」ラジオ局に勤め人気パーソナリティとなっている娘や、父親の片腕として働いている息子や、娘の恋人や、おせっかいな近所の人々が、あれやこれやと憶測を飛ばすなか、謎の人物も現れ、てんやわんやの大騒動。さあ、事の顛末は如何に!?




青木豪さんの脚本に興味があった事と、東山義久さんが観たくて。
元々青木さんは苦手感があったのですが、最近は「いや、むしろ
この人の作品は好きかも?」と思うようになったのですよね。
東山さんは最近こそ拝見していませんが、私が観たレミゼの中では
ベスト・アンジョルラスだったので・・・。

舞台は工具などがディスプレイされた、ちょっとした集会場
のような感じ。ワンシチュエーションもののようです。



 
 
どうやらここは下町の工場街で、モノづくりの情報発信基地として
「ラボ」と言われる集会所的な所があり、そこに集ってくる人たちの
お話という事なんですね。
ラジオのパーソナリティーをしている 深春(瀬奈じゅん)が
生中継をする為に訪れてきている所からの開幕です。

私は宝塚の事を良く存じませんが(というか、観たことが無い) 
瀬奈じゅんさんが元男役のトップスターだという事も存じていますし、
梅田の阪急電車の中央改札に続く大きな柱巻に、VISAの広告でバーンと
広告が掲出されたのを見た記憶があって、さすが男役だけあって
シュっとして凛々しい方だなぁ・・と思ったものです。
それが、何だかソフトでフワッとした印象になっていて、思わず
「えっと・・これ、瀬奈さんですか?」と思ったぐらいですね。
(少しふっくらされましたね・・とも言えますが。)

そのチャキチャキの下町っ子である深春をサポートする、ラジオ局の
ディレクターの仲木戸(東山義久)と共に、時間の迫る生放送に
間に合わせようと、マイペースな人たちとの会話に悪戦苦闘する
様子に思わずホッコリさせられます。
東山さんも「えっ?」と思いましたねー、最後に舞台で拝見したのが
「オペラ・ド・マランドロ」なので、仕方ないのですが、雰囲気が
随分変わったなーと。
もちろん、“イケてない兄ちゃん”みたいな役どころなので、役作り
何だとは思いますが、私のアンジョはどこに行っちゃったの?と(笑)。

キャストは皆さんハマリ役ですよ。
瀬奈さんの気は強いけど少し涙もろい女性だったり、東山さんの
チャラいというか、要領が少し悪い所もあるけど、誠実で一生懸命な
バツイチ男性も。

深春の父親、真一郎(小野武彦)もいいんですよね。
KYでガンコなオッサンなんだけど、あったかくてねー。恐らく
この芝居の「あったかい」雰囲気が醸し出せていた、一番の要因は
小野さんの存在だと思う。
そして、小野さんと並んで印象に残ったのが、深春の義理の姉になる
安田カナさんが良かった!何だろう、この安定感は。
こんな義姉がいたら、本当に安心だよね、と思わせる人柄の良さと
抜群の間から生まれる笑いが良かったわー。キレたところがまた
笑えてねー(笑)。

でも町工場の社長の父親が死者と話せる「Spirit Phone」を作ろうとしている
という辺りから、なんかきな臭い感じがしてきました(笑)。
陽子物理学とかの説明は分かりやすかったし、陽子の特性の話も
面白かったのですけどね・・・。
挙句の果てには、仲木戸が父親に結婚を認めてもらうために
「Spirit Phone」を作ります!と真顔で宣言しちゃうんですよね。

恐らく私は、SFとか明らかに設定がフィクションなものについては
問題なく楽しめるのですが、こういう「微妙にありえない」設定の
作品は、よっぽど作りこまれていない限り苦手なんだろうな、と
思い至りました。

結局、Spirit Phoneが出来る事もなく、現実的な解決を見せる訳ですが
自分の仕事を疎かにする程、父親がそれにのめり込んだ原因が
フワっとしてしまっているというか、最後のオチに「あらあら、
それでもう納得できちゃう程度だったのですか?」と矛盾を感じるし
ラーメン屋の麦子(まりゑ)の存在が、中途半端なまま終わった
という感じがしちゃうのです。あんなに熱弁を振るってたのに
ボールを投げっぱなしになっちゃった・・という感じ。

もちろん、最後にAIの“お母さん”が「不安になっちゃった」と語る
深春に対して「大丈夫よ」って言うシーンは、さすがにホッコリした
気持ちにさせられました。
役者さんも皆さん、素晴らしくて良かったのですが、今回に関しては
脚本が好みじゃなかった、って感じです。