髑髏城の七人の花鳥風月シリーズ、第二弾ですね。
最近はちょっと新感線熱が落ち着いていたのですが、「花」を観て
やっぱり面白いなあと思い、期待マンマンで臨みました。
これが今回の遠征最後の観劇。よく観たわー。

鳥髑髏劇団☆新感線「『髑髏城の七人』Season 鳥」
IHIステージアラウンド東京7列 18:30開演、22:00終演
作:中島かずき     演出:いのうえひでのり 
出演:阿部サダヲ、森山未來、早乙女太一、松雪泰子、粟根まこと、福田転球、少路勇介、清水葉月、梶原善、池田成志 ほか

※あらすじはもうパスしていいですか・・・。




「Season花」も素敵なキャストでしたが、 個人的には「鳥」の方が
好みなんですよね。
阿部サダヲさん、森山未來さん、早乙女太一さん、梶原善さん、そして
池田成志さんは新感線に3度以上出演している“準劇団員”の方たち(笑)。
劇団員は粟根さん、右近さん、カナコさんの3人しか出演していない
ですけどね(爆)。(仁さんは厳密には劇団員ではないですもんね(笑))

お席は7列目。どの席でも視界に難ありのイメージがある劇場ですが
今回はめちゃくちゃ観やすかったです。
前過ぎると映像酔いしてしまうのですが、これぐらいの距離感であれば
ギリOK。役者の表情もよく見える。
また、下手のブロックの一番センター寄り(通路脇)の席だったので
視界を遮るものが無く、ストレスフリーでございました。


「ガラスの仮面」の中に「忘れられた荒野」という劇中劇があります。
北島マヤが狼少女ジェーンを演じたヤツですね。
ガラカメの中で演出家が全く解釈を変えて数パターン上演しています。
コメディになったり、悲劇になったり、オオカミが人間を支配する
という逆転世界だったり。基本は同じ作品なのに、全く違った
舞台になり得るんだ、というのがとても印象的で、最初に読んだのは
中学とか高校生ぐらいだったのですけど、記憶に残っていました。
今回の「髑髏城」のプランを聞いて、最初に思い出したのはこの
「忘れられた荒野」の事だったなぁ、なんて思い出したりしながら
「花」も面白かったけど、「鳥」はどう変わっているんだろうと
ワクワクし、出来るだけ予備知識を入れないで、観劇に臨みました。

もう1度観る予定があるので役者さんについては改めて・・と
して、全体の印象などについて、つらつらと。





素直にすごいなあ、と思いました。
もう、結構な回数上演しているから、ネタ切れにならないかしら?
なんて思った私はバカでした、ていうか、失礼でした。
確かに「髑髏城の七人」なんだけど、全く違う作品のように
受ける印象が違って、笑っちゃうぐらいでした。

「花」が正統派というか、シリアス路線の王道をいく作品とすれば
「鳥」は昔の新感線というか「新感線ってこういう感じだったよね」
と思うような作品です。歌あり、踊りあり、笑いあり、殺陣あり
適度なアドリブ感ありのゴージャスな舞台。
(ま。私は「いのうえ歌舞伎第二章」とか言い始めた頃からしか
生の舞台を観ていないので、厳密には「昔の新感線」をリアルに
観ている訳じゃないんですけど・・・)

「捨之助とはこういうキャラクター」という固定概念に
囚われていない設定を思いついて、阿部サダヲさんを捨之助に
キャスティングするというプロデュース力はさすが。
捨之助が虚け者のフリをしてるオープニングなんて、私の
想像の斜め上を行きすぎでしょ(笑)。
今までは「天魔王の真意を確める」意図もあってやってきた
捨之助・・だと思いましたが、今回は最初から「天魔王を倒す」
と目的を定めているんですね。

そう、一番「花」と違うのが捨之助の設定。
元忍びだったという所から、服装も忍者服に近いもので、刀も
短めのものを逆手で持って戦います。
華麗な殺陣というより、身軽さを活かした殺陣って感じかな。
以前の髑髏城では「あの姿を見せられたら」等と言っていたと
記憶しているので、信長の最後に居合わせたと思っていたのですが
「花」からはどうやら、天魔王だけが本能寺で信長の最後を
見届けたらしいと思える内容になっています。
「鳥」では、謀反の知らせを伝えるべく、急いで本能寺に向かった
けど間に合わなかった事、その途中、通りすがりの町で起こった
虐殺についても捨之助が語っていて、それが今回の捨之助という
人を表すエピソードになっていたように思います。

あと、髑髏城に捉えられた捨之助に天魔王の身替りをさせる
事になった(鎧を着せられる)シーンはばっさりカット。
今までは助けに来てくれた仲間に「すまない、俺の為に」と
謝っていたのに、今回は「ありがとう」ってお礼を言っていたのが
とても印象的でした。

兵庫を追ってやって来るのは「兄者」ではなく「せがれ」に。
これは転球さんの年齢を考慮した設定なのかしらね。
ラストシーンでカツラを取っちゃうシーンは笑えましたけど
これも「アリ」ですかね。あの二人は兄弟、って勝手に
思い込んでいたんだな。極楽大夫との年齢差はちょっと微妙
というか、いきなり「おっかあ」にされちゃうのは気の毒
ではありますが(笑)。

捨之助と贋鉄斎との関係も面白かったー。
鴈鉄斎も色々なパターンがあったけど、いずれも捨之助に
強力的でしたからね。今回みたいに捨之助の頼みを拒否って
半ば脅迫して刀を打たせるって・・・(笑)。
ネットで今回の髑髏城を「レッツゴー髑髏城」って表現している
のを目にしましたが、背中に刀を研ぐ装置を背負っている姿は
バッテン不知火にしか見えませんでしたわ(笑)。
この二人のやり取りも、アドリブ感があって面白かった。
(本当にアドリブかどうかは分かりません)
雷にうたれて倒れる鴈鉄斎を起こすために、ハンマーみたいな
もので全力で叩くのですが「うっすら曲がってないか?」と
成志さんに言われるほど、思い切りたたいてましたよね。
あまりに全力で振り下ろしているように見えたので、体じゃなく
地面を叩いてるかとおもったのに・・(笑)。

蘭兵衛もやはり違うんですよね。
捨之助程のふり幅はないものの、「花」とも、「ワカドクロ」
の時とも違う蘭兵衛でした。
惰性で生きているような所がありますが、「花」のように
すぐに昔に引き戻されそうな危うさがある、という感じでもない。
ただ、「あ、今、スイッチが入った。蘭丸が目を覚ました」と
分かるシーンがありました。
そして、捨之助と天魔王、蘭兵衛は天地人として、かつては
仲間だった、という空気感が「花」にはありましたが、今回は
それはなく天魔王が蘭兵衛に対する妬みを持っていた、信長が
亡くなる時にも側に寄り添う自分ではなく、その場にいない
蘭丸に対して「織田を忘れて、自分の人生を生きろ」と
言い残した事が羨ましかったという視点が、新鮮でした。

スクリーンを閉めてから客席が回るのではなく、閉まりながら
客席が動くという、余韻を感じるシーンも増えていて、
いのうえひでのりさんが、更に回転劇場の使い方に慣れてきた
とも思いましたね。
楽しみにしていた、カーテンコールもやっぱり素敵で、
全体に満足感がとても高い舞台になっていました。

セットや映像は「花」の時の使い回し有効活用されているものも
幾つかありましたね。髑髏城の中の様子で上下する映像は「花」同様ですが
7列目であっても酔いそうでした。「花」が終わった後の短期間で「鳥」が
開幕出来た理由の一つが、ここにあるのかもしれません。

もう一度観るのが楽しみ!
そして、ライブビューイング申し込んでおけばよかったかも・・。