昼の部が終わり、一旦難波の街をウロウロしてからまた劇場へ。
今回の私の遠征の一番の目的は夜の部なので、花道横をGET。
本当はもう2列ぐらい後ろが良かったんだけどな・・。

七月大歌舞伎「七月大歌舞伎」大阪松竹座 1階3列
16:00開演、20:10終演
一、舌出三番叟(しただしさんばそう)
二、盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)







三番叟かあ、何を寿いでいるのかしら?と思ったら、そもそも
この公演が大阪松竹座新築開場二十周年記念の公演なんですね。
私が最初に松竹座に参りましたのは、「朧の森に棲む鬼」の時
だったかと思いますが、好きな劇場の一つです。

そして一番のお目当ては「盟三五大切」。
コクーン歌舞伎でしか観たことが無かったので、大歌舞伎で
ちゃんと観てみたい、という事と、仁左衛門丈が薩摩源五兵衛を
演じるなんて素敵!と。




一、舌出三番叟(しただしさんばそう)
三番叟・・・鴈治郎
千歳・・・壱太郎

三番叟の中でも、舌出三番叟は初めてかな。
とはいえ、これも基本は同じかな、っていう感じの所作ですよね。
この演目の三番叟と千歳は親子で演じるのがスタンダード
なのでしょうか?以前観たのは、彌十郎さんと新悟君が
出演なさっていたと思うのですが。

しかし、鴈治郎さんのもつ福々しいお顔だったり、出で立ちが
とても雰囲気があるなーって思いますね。


二、盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)
 序 幕 佃沖新地鼻の場、深川大和町の場
 二幕目 二軒茶屋の場、五人切の場
 大 詰 四谷鬼横町の場、愛染院門前の場

薩摩源五兵衛・・・仁左衛門
笹野屋三五郎・・・染五郎
若党六七八右衛門・・・松也
芸者菊野・・・壱太郎
ごろつき勘九郎・・・橘三郎
仲居頭お弓・・・吉弥
富森助右衛門・・・錦吾
芸者小万・・・時蔵
家主くり廻しの弥助/出石宅兵衛・・・鴈治郎
同心了心・・・松之助

これまた観に来てよかった!と思う1本でした。
染五郎さんは、団七九郎兵衛よりも、こちらの三五郎の方が
私は好きでした。「朧の森に棲む鬼」の時にも思いましたが
染五郎さんの″悪い男”って、色気があります。
「好きな男のために、水商売に身をやつしてまで、金を稼ぐ」事に
説得力が生まれますからねー。

しかし、色気と言ったら源五兵衛を演じた仁左衛門さん!
女殺油地獄でも本当に色っぽかったですが、今回も色っぽい。
心配する八右衛門との掛け合いから、お金に無頓着というか、
純粋っていうのはよく伝わってくるんだけど、「おいおい、
討ち入りはいいのかよ?」とこちらまで心配になるレベル。

討ち入りに参加するための100両を奪おうとする小万達に
一芝居打たれている時なんて、「ダメだから、払うって言ったら
ダメだから」ってこちらまでハラハラ。
八右衛門が自分の身を犠牲にしてまで、主人を守ったというのに
それでもまだ復讐をしてしまうなんて、残念すぎる・・。

しかし、この源五兵衛って理性的な人かと思いきや、かなり
粘着質ですよね。小万達の引っ越し先にまで毒入りの酒を持って
押しかけてくるんだから。ただそれが「粘着質」という言葉が
違和感があるほどに、あの表情は痛々しさを感じるんです。
もう、感情も希望も残ってない・・っていう表情ね。

あと、生首が動いたので驚いちゃったんですが、あれは大歌舞伎
では普通の演出なんでしょうか・・・。

あとは小万も良かったな。
源五兵衛の事を真剣に気の毒がる、もう少し真っ当な人かと
思っていたけど、自分の好いた夫のために、盲目になっている
ようで、「女」なんだなーって感じがしました。



その後、結局ネットカフェで夜明かしをするハメになるのですが
ちっとも腹が立たなかったのは、舞台の満足度が高かった、
という事も大きいと思うんですよね。
ああ、面白かった。そして観られて良かった!っていう作品でした。