ゆっくりブランチして、向かったのはサンシャイン60。
昨日も来たな、ここ(爆)。

罠「罠」サンシャイン劇場 7列
13:00開演、15:00終演
脚本ロベール・トマ  演出:深作健太
出演:加藤和樹、白石美帆、渡部秀、初風緑、山口馬木也、筒井道隆
【あらすじ】
とある山荘での出来事。新婚3ヶ月のカップルがバカンスのため訪れていたが、妻のエリザベートが行方不明になってしまう。夫のダニエルは、カンタン警部に捜索を依頼するが、なかなか見つからない。そこへ、マクシマン神父に付き添われてエリザベートが戻ってくるが、全くの別人だった!ダニエルは、激しく抵抗し、妻ではないと主張するが、状況証拠はどれもこれも、現れた彼女が妻に違いないというものばかり。証人として絵描きや看護婦も登場し、騒動の渦は大きくなるが、ついに殺人事件にまで発展してしまう。誰が正しいのか、嘘をついているのは誰なのか、エリザベートは一体どうなったのか、やがて、思わぬ事態から意外な真実が明らかになる…。


ロベール・トマの作品は過去に2作観ていて、興味があったので
こちらの「罠」も観たいなと思っていました。
そうえばサンシャイン劇場って久し振り、何年ぶりかなぁ。

感想は追記にて。


 
ロベール・トマは「W〜ダブル〜」を2010年に観たのが最初ですが
思いがけないどんでん返しの展開でとても面白くて、2011年に
8人の女たち」が上演された時にも、喜んで観に行きました。

部屋の中にはダニエル(加藤和樹)が一人、タバコに火をつける
のですが、すぐにもみ消してしまうし、灰皿の中にてんこ盛りに
なっている吸い殻も、長いタバコが多いので、きっとイライラが
続いているんだろうな・・と思わせられます。
そこにやって来るカンタン警部(筒井道隆)。
2人の会話で、ダニエルの新婚の妻が、新婚旅行の後でやって来た
山荘から出て行ってしまい、戻ってこないという事が分かり、
それがイライラの原因なのか、という事が分かります。

そこにやって来るマクシマン神父(渡部秀)と、彼に連れられて
戻ってきた妻のエリザベート(白石美帆)。
「ごめんなさい」と抱きつくエリザベートに対して、体を堅くする
ダニエルに「?」と思っていると、「彼女は妻ではない」と
訴えるダニエル。

来た〜(笑)。

そこから舞台の進行を見守りながら、私の頭の中でもグルグル
色々な事を考えることになります。
本当にエリザベートは偽物なのか?
でも、確かにマクシマンは引き出しからタバコを取り出す際に
何かを懐に入れたように見えるぞ。
徐々にエリザベートの表情が冷たいぞ、という事が気になりだすと
同時に、ダニエルに対しても本性を表すような態度を取り出します。
そうか。本物のエリザベートの伯父さんが資産家で、死が
近いらしいから、そうなれば彼女が遺産を相続する事になる。
そのエリザベートになりすまして、夫のダニエルが居なければ
遺産を全て自分たちのものに出来るからな。

でもこれ・・・「W〜ダブル〜」と同じような展開だなぁ・・・。
とすると、カンタン警部も怪しくないか?
サスペンスのセオリーとして、一番怪しくなさそうな人が怪しい
って言うからな。そう思って観ると、怪しいよ、この警部。
とすると、もうダニエルには誰も味方が居ないじゃないか・・。

そう思っていたラストにくる、ドンデン返し。
「一番怪しくなさそうな人が怪しい」のは良い目の付け所だった
のだけど、「一番怪しくなさそうな人」って、ダニエルだったか!
一人、孤立無援で戦うダニエル・・と思い込んで観ていたので
無意識にダニエルを対象から外してしまっていたのですが
実は、ダニエルが遺産目当てにエリザベートを殺していて
「失踪」を装っていた、他の人たちは全員、それを暴くために
罠を仕掛けていた、というオチ。
同じように潜入捜査官が、犯罪を解決する・・というプロットは
「W〜ダブル〜」と同じだけど、展開は真逆じゃないすか。
やられたなぁ・・。

加藤和樹さんはミュージカルで拝見する事が多かったのですが
徐々に壊れていく感じ、最後に見せる弱った様子から「ああ、
この人なら、欲に目がくらんで妻を殺すとか、やりかねない」
と思える辺りは良かったですね。
それにしても、ダニエルは「演じていた」のか「エリザベートが
失踪したと思い込んでいた」のか(ある意味メンタルヘルス不全だが)
どちらだったのかな、と思います。
私には「演じていた」ようには見えなかったのですよねぇ。
それが演出の狙いなのか、そう見えちゃったのかは分からない
のですが、自分の作り出した世界(エリザベートが失踪した)に
本気で生きてしまっていたように思えました。

渡部さんの怪しげな神父も、メガネを取った時の「悪い感じ」も
表情というか、雰囲気がコロっと変わって、凄いな、と思いました。
白石さんは・・細かったな(笑)。
初風緑さんの出番が少なかったのは、ちょっと残念だったかな。

さすがに初めてトマの作品を観た時ほどの驚きはなかったですが
まんまと楽しく騙された1本でした。