メガネを購入してから読書も捗り、戸棚で眠っていたこちらも
無事に読み終わりました。

大地の子「大地の子」全4巻
著:山崎豊子










山崎豊子さんは好きな作家です。
「白い巨塔」「不毛地帯」「沈まぬ太陽」「華麗なる一族」
「女の勲章」と読んでおりましたが、どうしてもこの「大地の子」
だけは、読もうと思えないままだったのです。

この作品のドラマ化で抜擢された上川隆也さんが、一気に注目された
という事は知っていたので、興味がない訳ではなかったのですが・・・
どうも東アジアのお話はどうも苦手感が強くて。




とはいえ、好きな作家さんですので、読み始めれば引き込まれて
あっという間に読み終えてしまいました。
確かに、上川隆也さんが演じたらしっくりきただろうなー。

幼心にも、中国残留孤児の方が肉親捜しのために来日された様子、
聞き取り調査や面会の様子、再会を果たした人のインタビューを
テレビで目にした記憶があります。
何度も実施されて、回を追うごとに肉親が見つかる可能性が低くなった
というニュースも覚えています。
ああ、まさにあの時みたニュースの話なんだな・・と思って
感慨深く読んでいました。

山崎豊子さんの作品らしく、まるでドキュメントを読んでいるのか?
と思えるほどのリアリティ。もう、読んでいてムカつくムカつく(笑)。
主人公の受けた仕打ちにムカつく、周りの考え方にムカつく、
日本企業にたかるかのように、難癖をつける中国側と、その
言いがかりのような文句にムカつく、権力闘争の為には回りを
犠牲にする事も厭わない政権中枢にムカつく(笑)。
とうとう、ずーっとイライラし続けたまま読み終えてしまいました。

ただ、この作品を通して文革がどういうものだったのか、少しは
分かったような気がするし、こういう背景、こういう歴史がある
という事が分かると、今の中国、また中国人の考え方が、
何となく腑に落ちた気もしました。
まあ、これも「面白かった」と言ってもいいよね(笑)。