センチュリーシネマでしか観られないかとおもいきや
地元のシネコンでも上映していると気付きました。
観たい映画も溜まっているし、レイトショーに行ってまいりました。

ビガイルドThe Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ
監督:ソフィア・コッポラ
出演:コリン・ファレル、ニコール・キッドマン、エル・ファニング
【あらすじ】
南北戦争期のアメリカ南部。世間から隔絶された女子寄宿学園で暮らす7人の女たちの前に、怪我を負った北軍兵士の男が現われる。女性に対し紳士的で美しいその兵士を介抱するうちに、全員が彼に心を奪われていく。やがて情欲と危険な嫉妬に支配されるようになった女たちは、ある決断を下す。《アメリカ製作》



ソフィア・コッポラの監督作品と言う事と、このチラシの
妖しいまでの美しさが印象的な作品ですよね。
ニコール・キッドマンは女性映画監督の少なさを嘆いていて
定期的に女性監督の作品に出演するようにしているのだとか。



ちょっと、私が想像していた内容とは違っていたかな。
女の園に男(しかも若くてイケメン)がやってきて、女たちが
その男を取り合って、殺し合いでもするのかと思っていました(笑)。

まあ、基本的には上記のイメージに近いものはあります。

ある日突然、鬱々と暮らしている女の集団に男がやって来るから
皆が興味津々だし、ワクワクしてるし。
誰もが身なりに気をつかってオシャレしてきていて、笑える(笑)。
でも、こういうのは分かります。
うちの会社は女性が圧倒的に多くて、女性しかいない部署もありますが
そこに男性が1名入っただけで、(色っぽい話かどうかは別として)
色々と雰囲気が変わったり、物事が建設的に進んだり(ダラダラ
しなくなる・・と言う意味で)と言う事は目の当たりにしていますので
どちらか片方の性しか居ない集団というのは、どこかがいびつ
になってしまうんだろうな、と思います。

男は生き残りたい。あわよくばこのまま学校に残りたい。
女たちはここから抜け出したり、自分を女性として認めて欲しかったり。
良くも悪くも、お互いにその気持ちをチラつかせながら、微妙な
空気になり、女性は女性を牽制しながら生活をするようになるけど
そのバランスが一気に崩れたとき−・・
そこの描き方が、監督が女性ならではかな、と思う所もありますが
あれだけ牽制しあっていた女性達が、また団結していくんですよね。
今までの諍いはまるでなかったかのように。

あの足は本当に切断しなければならなかったのかどうか、については
分からないし、もしかしたらそこまでする必要はなかったのでは?
この混乱の原因の男の自由を奪ってしまえ、と言う気持ちが
無かったといえるのかどうか・・・。
色んな意味で、女って怖えぇ・・・と、前日観た舞台も思った事を
再度思ったのでした。

ただ、これは小さなスクリーンでこっそり観ている・・ような
雰囲気のほうが合う作品な気がします。
あとは照明がとても綺麗で、森とその光が幻想的で素敵でした。