映画というのは、少し足が遠のくと、更に足が遠のくもので
最近は本当に映画館に行かなくなってしまいました。
でも、今週末は特に何の予定もないのだから、せっかくだし・・と
何かを観に行こう、とは決めていました。で、観たのがこちら。

バッド・ジーニアス「バッド・ジーニアス  危険な天才たち」
監督:ナタウット・プーンピリヤ
出演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン、チャーノン・サンティナトーンクン、ティーラドン・スパパンピンヨー
【あらすじ】
小学校、中学校と優秀な成績を収め、その頭脳を見込まれて進学校に特待奨学生として転入を果たした女子高生リン。テストの最中に友人のグレースをある方法で手助けしたリンの噂を耳にしたグレースの彼氏パットは、試験中にリンが答えを教え、代金をもらうというビジネスを持ちかける。さまざまな高度な手段を駆使し、学生たちは試験を攻略。リンの売り上げも増加していった。そして多くの受験生の期待を背に受けたリンたちは、アメリカの大学に留学するため世界各国で行われる大学統一入試「STIC」攻略という巨大な舞台に挑むが……。≪タイ制作≫


最初は全然興味が無かったみたいです、私。
「観に行くかもしれないな」と、少しでも興味を持った映画は
いつも片っ端からフライヤーを写真撮影しておくのですが、
この映画は画像が無かったので(笑)。
でもネットではこの作品の評価が思いのほか高くて、どうせなら
そちらを観てみるか、という事で。


 

なかなか良いチョイスだった気がします(笑)。

タイの映画って殆ど観ないので、特徴とかよく分からないのですが、
あまり、どこの国の作品とか気にしなくても楽しめる。
主人公のリン役の女優さんが、目が細くて、ペタンとした顔で
「ザ・東洋人」って感じで、いかにも秀才!っていう感じがするのだけど
これは同じ東洋人だから、そう感じ取れるところもあるのかもしれないな。
ただこの女優さん、なかなかのアジアン・ビューティーなんですけどね。

「秀才がテストの答えを同級生に教える代わりに、お金を集金する」
という、後味の悪い事件を描くので、「見つかってしまえ」と思う
部分もありつつ、見つかりそうになるとハラハラしたりして、
どちらかというと、ミッション・イン・ポッシブル的な、ハラハラが
楽しめて、社会派というか、道徳的な部分もありつつ、ちょっとした
どんでん返しもあったりして、飽きなかったです。
カメラワークも面白いものがいくつもあったな、と思うし。

これ実話?と思いましたが、中国でのカンニング事件を参考にしている・・
という事だったので、似たようなことはあった、という事でしょうね。
すごく驚くようなロジックを考えたかとおもいきや、ピアノの件も
時差の利用も、そこまで奇抜なアイデアではない、というところが
高校生の考えることっぽくて、リアリティーがあった気がします。
そして、リンの肝の座り具合は、なかなかのものでした。

そもそも、一番最初にリンに回答を教えてもらった、という「秘密」を
恋人にペラペラしゃべるような友達は「友達」なのか?とか、
いくら天才でもたまには間違えるでしょう?その間違いまで同じなら
カンニングがバレるとか、思わなかったわけ?とか、突っ込みたいところは
ありつつも、そうせざるを得ない背景がタイにはあるのか?と思ったり。
しかし、こんな貧富の差が激しい国なんだろうか、タイって・・。

でも軽くショックだったのが、とても清廉な高校生だったはずのバンクが
ラストでは逆にリンを脅して、犯罪に加担させようとしていた。
自分の能力を使って簡単にお金が儲けられる、と考えが変わった所。
ああ・・この子はもう、人生こんな感じに過ごしていくんだろうな、
せっかくの頭脳があるのにもったいない。
でもリンの一番の罪は、バンクをこのような状況に引きずり込んだこと
なんだろうな、とも思いました。

いやいや、またぼちぼち映画館に通い始めますかねぇ。