今年の遠征〆は豊洲となりました。
そしてこれが私の豊洲詣での〆という事にもなります。
Twitterでは「14回目」とツイートしていましたが、きちんと数えたら
「15回目」が正しかったようです。(どっちでもいいわっ!)

メタルマクベスDisc3
劇団☆新感線RS「メタルマクベス Disc3」IHIステージアラウンド東京5列
18:00開演、22:00終演
脚本:宮藤官九郎   演出:いのうえひでのり
出演:浦井健治、長澤まさみ、高杉真宙、柳下大、峯村リエ、粟根まこと
   右近健一、橋本じゅん、ラサール石井、礒野慎吾、吉田メタル
   中谷さとみ、村木仁、冠徹弥 ほか



今回は5列目、左右の通路のすぐ後ろ、かつセンターという
とても観やすいお席になりました。
LVを合わせると3回目の観劇という事になりますが、
とてもいい感じになっており、かつ終盤とは思えないほどの
エネルギッシュな舞台でした。





やっぱり舞台は生ですね、当然ですけど。
LVも観て、それはそれで面白かったのですが、やはり生バンドの
舞台は別格だな・・と思いました、しみじみ。

浦井君のランダムスターは、夫人を労わるシーンではとことん優しく
慈愛に満ちていて、狂気のシーンはとことん壊れている感じ。
もともと狂気を孕んだ演技はお得意かと思いますけど、
国王を殺した後吐いてしまい、倒れこむシーンなんて、あまり
受け身も取らずに倒れているから、「大丈夫かしら」と思わず
思ってしまうほどでした。
バカップルシーンは、更にバカップルになってましたね(笑)。
殺陣もスピーディーになっていたし、バイクのシーンもこちらが
ヒヤヒヤするほどスピードが出ていました。
ご本人も言ってましたが、マクベス浦井の時は本当に
アルフィーの高見沢さんみたいで笑えちゃいますね。

そういえば、序盤に橋本じゅんさんにビンタされるシーンはもはや
定番になっているらしいと聞いたので、今回もかな?と思って
観ておりましたら、浦井君の鼻の穴に指を突っ込む・・という(笑)。
浦井君も「・・・(笑)、なんで、鼻?」と言ってましたけどね。
その後のシーンでも、何度か浦井君の鼻を狙って攻撃している様子が
見て取れました!

長澤まさみさんも声枯れすることも無く、伸びやかでしたね。
歌も前回よりはハラハラする事が少なくて。(下手ではないと思いますが)
いつもアルコールをグビグビ飲んでいる夫人という像が、何だか
とても今回の役にピッタリだったなぁ、と思います。
得体のしれない不満というか不足感があって、その満たされない所を
アルコールでごまかしている、というかね。

ランダムスターは自分の力で戦いを勝ち抜き、その戦果を評価されている
という自負もあるので、「もう少し(勝利の)余韻に浸りたいんだよ」とも
言っているけど、夫人にはそれが無いですからね。
その不足が「王位」という地位だと思い、ランダムスターをけしかけ
結果、鋼鉄城に住むようになっても「私が求めていたものはこれじゃない」
と気づき「あーあ、小さいのにすれば良かった」と呟くまでの流れが
納得感があります。ランダムスターもそれに気づいているからこそ、
心を病んだ夫人に対して、包み込むような優しさで接しているんでしょう。

君の言うとおり王を殺して王位を得た。それはそれで終わったことだけど
僕たちの幸せはそこには無かったね、と言っているかのようなね。

王を殺した直後はランダムスターの方が正気を失ったようになっていたけど
夫人が壊れていくにつれて、ランダムスターは以前見せていたような混乱を
見せる事がなくなっていったのも、妻を守りたいという気持ちからかな
なんて思うと、切ないですよね。

時代のシンクロも前回観た時ぐらいからストンと腹に落ちた感じがして
観れば観る程、よく出来た脚本だなぁ、と思います。
特にこのDisc3はシリーズ最後という事もあって、アクションの川原さんが
ご出演になっていますし、冠さんも出ていますし、集大成感がありました。
迫力も増していたし、2度観に来てよかったな。
これでIHIステージアラウンド東京は最後か・・と思うと、少し寂しかったり
しない訳ではありませんが、十分堪能させて頂きました。
花髑髏の頃と比べると、ステージの使い方もバリエーションが増えましたよね。
次は香取真吾君の個展で使うようですが、その後はどうするのかなあ。