今月は観劇予定が少ないため、遠いけど行っちゃえ!と
連休最後の日に、津まで向かう事にしたのでした。

おしゃべり古典サロン
知れば知るほどおもしろい!
古典芸能を‘偏愛’する二人のトーク&レクチャー
「おしゃべり古典サロン」vol.2『伊賀越道中双六』
日時:2019年1月14日(月曜祝日)
14時00分〜16時20分
会場:三重県総合文化センター生涯学習センター
登壇:木ノ下裕一、田中綾乃(三重大学人文学部准教授)





第一段が「伊勢音頭恋寝刃」だったそうで、そちらが聞きたかったな・・
とは思いましたが、木ノ下さんのお話は面白いですから、
向学の為にも!と思い申し込んでおりました。

ただ・・分かっちゃいるけど、遠いのよ。
名古屋駅から最寄駅の江戸橋まで1時間15分ぐらい。そこから徒歩で
20分かかる訳ですね。徒歩20分ぐらいは歩けない距離じゃないですよ。
でも朝イチでジムに行って筋トレした後、40分ぐらいジョギングをして
4キロ程度は走った直後ですから、もう到着する頃には何だかプールから
あがったようなグッタリ感(笑)。

でも、沢山の方がいらっしゃってました!
豊橋でも木ノ下さんの講演はありましたが、比べ物にならない程の
大人数でビックリです。





「伊賀越道中双六」は「沼津」を一度観た事があるだけです。
この演目をトークの主題に選ばれたのは、やはり三重県(伊賀)を
意識しての事のようですね。

まずは田中さんからこの舞台が「三大仇討」の一つであること、
これは他とは違う「上意討ち」であること、
そして、舞台の元となった「鍵屋の辻の決闘」等についての説明が。
木ノ下さんからは、作者の近松半二についての説明があります。
もうここで既に1時間ぐらい経過(笑)。

その後、「沼津」(平成中村座の映像)を観ながらの解説と、
「岡崎」の解説がありました。「岡崎」は映像が無いので、
浄瑠璃の映像を使いながら。
田中さんが、吉衛門丈の演じた、国立劇場の「岡崎」がどれだけ
素晴らしかったか!を語る語る・・・(笑)。
「たまには、いいやつを上演するよね、国立劇場も」なんて
おっしゃっていましたが、そういうモンなんですか(笑)?

ただ、なんだろう、以前「摂州合邦辻」の解説を聞きに行った時
のような「おもしろ〜〜い」という感動が無かったんだよな。
確かに、色々な背景が聞けたのは面白かったのですけどね。

この日に一番面白いなぁと思った話が、一番最後の話でした。
田中さんが木ノ下さんに「もし、伊賀越道中双六を現代化するなら」
という質問をした時かなぁ。
現代化するのに難しいのは2パターンある。
一つは、現代の人でも同じように感じるような作品、例えば「沼津」。
もう一つは、あまりに現代とかけ離れている作品、例えば「岡崎」。
だから、伊賀越道中双六はとても難しい、と。
でも、主人公のキャラクターを思いっきり変えてしまったら。
例えばとても気弱だったり、フワフワしていて、自分の意思があまり
無いような人だったら・・?とすると、切り口があるのかも、とか
お話を細かく分割して、モザイク状に上演するとか・・等と瞬時に
アイデアが出てきて、「すごいぞ、木ノ下さん」と思っちゃいました。
なかなか上演されない演目、との事だったのですが、やはり説明を
して頂くと、その演目を実際に観てみたくなりますよね。
また国立劇場とかで、通しでやってくれたらいいのにな。

ただ今回は田中さんがお話になる事が多かったんですよね。
それがイマイチのめり込めない原因だったのかな・・なんて思います。
決してお話が下手な方ではないし、知識も豊富だし、伝統芸能に対する
愛情も深くて、面白いのですが、やっぱり木ノ下さんの方は
演劇という軸があってのトーク。だから私は木ノ下さんの話の方が
が好きなんだろうなと思いました。

2時間以上のトークの後、「サロン」として別室で飲み物を飲みながら
自由に歓談を・・という企画でした。
私は早く帰りたかったので失礼してしまったのですが、1000円で
これだけの企画って、すごくお得ですね。

じゃあ、第三弾があったら行きますか?と聞かれると、ちょっと・・(苦笑)。
津まで1時間以上かかるのはいいですよ。
ただ、最寄駅から遠いのだけはねぇ・・・。
歩いて20分〜30分、バスも1時間に1本〜2本しかない、っていうのは
やっぱ厳しいな、という事を実感し、ぐったりして帰ってきたのでした。