1本目を観た後、雪が舞う中表参道までお茶をしに行って
その後向かったのは初台です。

マニアック音楽劇「マニアック」新国立劇場 4列
18:30開演 21:40終演
作・演出:青木豪 
出演:安田章大、古田新太、成海璃子、堀内敬子、小松和重、山本カナコ、宮崎秋人、山崎静代、頼経明子、浅野和之ほか
【あらすじ】
舞台はとある町の山の上、広い庭には樹木が生い茂り鬱蒼として不気味な、というかとても昭和的な佇まいの八猪(やずま)病院がある。この病院の院長・八猪不二男(古田新太)は、人当たりの良い柔和な人物として、近隣でも評判だった。そこへ院長の一人娘のメイ(成海璃子)が病院に帰ってくる。ある日病院の庭の手入れに訪れる植木屋の犬塚アキラ(安田章大)。そしてアキラとメイはひょんなことから運命的に出会うのだった…!



あれ・・何でこの舞台、チケット取ったんだっけ?と
思い出さないといけないぐらい(古田さん、カナコさん、浅野さん辺り
がお目当てでした)、テンションが低い作品だったのですが
そういう舞台に限って、前方席のセンターブロックという・・・。
とてもチケットが取りづらい舞台らしいので、そんな私が
観に行ってしまって、何だか申し訳なくなってしまいます。

また客層も、ビビるぐらいいつもの新国立とは違っていて・・・。
(この公演が新国立主催ではなく、PARCO主催の貸館公演ですから
ある意味当然ですが)中学〜高校生ですか?というような若いお嬢さん、
髪の毛の色がカラフルなお嬢さんとか、いっぱいいらっしゃいまして、
客席の9割以上が女性で、なんか私の方が落ち着かないというか
「ごめんなさい」って気持ちになっちゃいました(笑)。






山の中の怪しげな病院。
どうやら盲腸の手術で入院した花旗一郎(浅野和之)院長の
八猪不二男(古田新太)が「(盲腸を)食べますか?」と聞く、
という、「は?」な会話から始まります。それが現実なのか、夢なのか。
でもこの舞台の内容そのものが、そんな感じなのですよね。

ああ、これはやはり私があまり得意ではないジャンルではないか。
(例えば「犯さん哉」のような)そう思って、半ば諦めかけて
いたんですが、割と普通なんですよね(笑)。
「古田さんがやりたい事をやった」舞台なら、もっととんでもない
「観た後に何も残らない」事を良しとするような、ただ無駄に
パン一になったり、エロいことを叫び続けるようなものになるのか?
と身構えていたんですけどね(笑)。
古田さんだったらもっと踊れるはずだけど、「ダンス」というより
「振付」的な踊りだなーとも思います。
でもこのセットやら踊りや楽曲の、言葉を選ばずに言えば「チープ」
な感じは、きっと狙いだったんだろうな、とも思います。

この舞台となる病院にたまたま手入れに入った造園業者の1人が
アキラ(安田章大)。私は関ジャニの事を全く知らないので、
メンバーを挙げろと言われてもフルネームを知っている子は一人も
居ないし、写真を見せられても、絶対に全員は分からないと思う。
だから、どんな歌を歌っている人なのかとか全然知らなかったのですが
歌は普通にお上手で驚きました。ギターが弾けるんだ、と思いましたが
ギターを弾く必然性は全く無いので、ファンへのサービスショット
って感じはしましたけどね(笑)。
演技も別に何の違和感もなく、ジャニーズの子って器用な子が多いな
と改めて感心させられました。
ただ、総じてジャニーズのアイドルが舞台に出るときは、「その子の
イメージに近い」役が充てられることが多いと思っているのですが、
(なので、舞台で観ても違和感が少ないことが多い)、今回
アキラが関西出身という設定も、安田君だからこそ、なんでしょうね。
関西出身の舞台役者だからって、設定まで関西出身にするなんて
基本的には無いですから。なんて思うと、正直少々醒めてしまう
天邪鬼な私でございます、ごめんね、安田君のファンの方。

そして、看護師役で堀内敬子さんが出演されていたんですね。
舞台で拝見するのは久しぶり!やっぱり歌はお上手ですよねえ。
この舞台、歌を歌うのはお上手な方が中心だったので、聞いていて
ストレスは無かったですね。
その「お上手な方」に入るのが、山本カナコさんです。
カナコさんは、数えきれないほど舞台で拝見しているはずですが
劇団公演以外で拝見するのは、初めてなんじゃないかしら?
今まで、当たり前のように拝見してきましたが、カナコさんって
歌もうまいし、演技もいいよなぁ・・と、再認識させて頂きました。

古田さんの娘役、アキラが憧れる女の子のメイ(成海璃子)。
特別好きでも嫌いでもない女優さんなのですが、どうしても彼女の
声だけは好きになれないというか、何だかのどにモノが詰まった
ような、くぐもった声で聴いていると苦しくなってくるのですよ。
うーん、「鉈切丸」の時はもう少しいい印象があったのだけどな。
ただ、あんな大道具に乗せられたり、あんなセリフを連呼させられたり。
(「あんな」は書けないような下ネタと思っていただければ。)
していますが、恥ずかしそうにしたら台無しな訳で、それをやりきって
いて、凄いなぁと感心してしまいました。(事務所も良く許した(笑))

そして、浅野さんのアドリブの嵐も笑えるし、久しぶりに観る
舞台での小松さんも嬉しかったですね。

「割と普通の舞台なのかな」と思っていたら、終盤にはそんな思いを
あざ笑うかのような、下ネタ、あり得ない展開のオンパレードで
「そうだよね、古田さんだもんね」と妙に納得させられちゃいます。
「そうだよ、どうだ、騙されただろう」って古田さんに言われたような(笑)。

お話の展開は、それ程深いものもでもなく、それ程どんでん返しが
あるようなものでもなく、割と浅いかな。でもエロ・グロだけでなく
ストーリー性もあったので、私でも割と普通に楽しめました。
生バンドの演奏はやはり聞きごたえがありましたし。

カーテンコールでの安田君に対する「ぎゃぁぁぁあ!」という歓声に
ビビってしまった私でしたが、ここまで素直に好きなアイドルに対して
素直に反応できる彼女たちって、少し羨ましいな、と思ったりもしたのでした。