最近時間を有効に使うために気に入っているのが、朝ジム。
7時過ぎからジムでトレーニング、フレックスを使って9時過ぎに出勤。
そうすれば夕方以降は早く帰るなり、他の用事をするなりできますからね。
という事で、金曜日は朝ジム&夜映画というフルコースで。

女王陛下のお気に入り「女王陛下のお気に入り」
監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、オリヴィア・コールマン
【あらすじ】
ルイ14世のフランスと戦争中のイングランド。揺れる国家と女王のアンを、幼馴染のレディ・サラが操っていた。そこに、サラの従妹で貴族から没落したアビゲイルが、召使として働くことになる。サラに気に入られ、侍女に昇格したアビゲイルだったが、生き残りをかけてその野望が芽生えはじめる…。≪アイルランド・イギリス・アメリカ合作≫


これはアカデミー賞にも複数ノミネートされているという事と
イギリス王室モノは好きなので、観てみたいと思っていたんですよね。
たまたま時間が合ったので、公開日にミリオン座へ。





いつも思うのですが、こういう作品を許すイギリス王室の寛容さも
こういう作品を作る製作陣も、凄いなーって思います。
どうやらこの作品に出てきた内容は大筋で史実に近いようで、
(アビゲイルがサラを毒殺しようとしたとか、その辺りまで事実
かどうかは分からないけど)アン女王(ひいてはイギリス王室)
にとってあまり誇れた内容ではないですからね。

しかし、このサラと言う人、観ていて真っ先に思いついたのは
フランス革命の際にアントワネットに寵愛されたポリニャック公爵夫人。
孤独を感じた女王が気を許し、重用する中で政治力まで身に着けて
政治を動かすに至った人。
恐らく、ポリニャック夫人よりも地頭が良さそうだし、ある意味
分かりやすい人。「私は弱い人が好き」とか言っちゃうし(笑)。

それに対して、アビゲイルはねぇ、自分が上流階級から
没落した身の上だという事もあってか、上昇志向・野心の塊。
自分が追い落とすべきターゲットがある間はいいんだけど、
それが無くなると不安になり、気が緩んじゃったり・・。
キレイだけど、根性の悪い(笑)女性をエマ・ストーンがピッタリ!
と言える熱演でした。

そんなアビゲイルの本心を薄々気づいていたけど、見て見ぬふりを
していた女王が最後の最後にアビゲイルの本当の姿を見ぬいた時の
二人の絶望感が溜まらないラストでしたね。
自分の判断の過ちと、失ったものの大きさ、自分に何も残っていない
という事を悟った女王と、築き上げてきたものの崩れる気配と、
そのもろさ、今後の不安に押しつぶされそうなアビゲイル。
ま、二人とも自業自得だよねーって感じですが(笑)。

むき出しの女の争い程恐ろしいものは無いよね。
3人の女性のガッツリ組んだ映画で見ごたえはあるんですが、野心に
満ちた人を見るというのは、映画であっても疲れるものでございます(笑)。