観たかった1本ですが、3月は色々と忙しく、なかなか土日に
時間が作れない。だったら平日しかないか・・と思っておりました。

グリーンブックグリーンブック
監督:ピーター・ファレリー
出演:ビゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ、リンダ・カーデリニ
【あらすじ】
1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、粗野で無教養だが口が達者で、何かと周囲から頼りにされていた。クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまったトニーは、南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけようとするドクター・シャーリーと、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、その旅に同行することになったトニー。出自も性格も全く異なる2人は、当初は衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていく。


結局仕事でいろいろあって、職場を離脱したのが20時30分。
これから21時過ぎの開映、23時半近くの終映かぁ・・・。
ミリオン座は伏見で帰りも面倒だな・・と、微妙にテンションが
下がっていたのですが、ふと「今日は1日だからどの映画館でも安いぞ」
という事を思い出し、ミッドランドスクエアシネマをチェックしたら、
20時台の開映があるじゃないですか。
名古屋駅前なら帰宅も便利だし、これなら行きたい!と思い
慌ててネットでチケットをGETし、走ってギリギリ滑り込みでした。

アカデミー賞を受賞していること、割引のある日だということもあって
遅い時間の開映でしたが、かなり席は埋まっている状態でした。



★第76回ゴールデン・グローブ賞<作品賞><助演男優賞><脚本賞>受賞
★第91回アカデミー賞(R)<作品賞><助演男優賞><脚本賞>受賞





思ったよりは普通でした(爆)。
もちろん悪くは無いんだけど、ちょっと期待過多だったかもしれない。
アカデミー賞の作品賞を獲る映画って、ちょっと個性のある作品が
多いという印象なんですけど、この作品は良くも悪くもあまり
アクが無いという気はします。(だから観やすい、とも思うけど)

ありがちなロードムービーではあります。
露骨に差別をしてはいないが、嫌悪感を普通に持っていた主人公。
上品さとは無縁で、クチャクチャと音を立てて食事をし、
あたりかまわず煙草をふかし、ゴミは車外へ平気で捨てる。
観ているだけの私でも「うわ・・受け付けないわ・・」と思う
レベル。

ドクは様々な偏見にさらされながら、ピアノで成功してきた黒人。
ピアノだけでなく、学歴も高く、物腰も洗練されています。
恐らく・・ですが、自分が卑下される黒人であるからこそ、
バカにされない教養と知識、ふるまいをしなければ・・と
身につけたものではなかったか、と思ってしまいます。

短絡的で感情に流されるトニー・リップに対して、差別されても
嘲笑されても、冷静で大人な対応を獲り続けるシャーリーが
本当に真逆のキャラクターです。
でも、少しずつ距離を詰めていく様子が微笑ましいんですよね。
フライドチキンを初めて食べたドク、意味もなくバーでボコボコに
されるドクを見て腹を立てるトニー・リップ。
トニー・リップが自分の元を離れて仲間の元に行ってしまうのでは
と不安になり、引き留めようとするドクには今までのような自信はなく
心細い様子が痛々しかったり・・。

努力して自分の地位・立場を気づいてきたドクでも、そうする事
によって他の黒人達からは異端視されることになり、かといって
白人の世界に入れるわけでもない。「黒人でも白人でもない」という
のは本当に孤独だったんだろうな、と思います。

白人と黒人、雇い主と雇われた運転手・・そういった立場の
垣根がどんどん曖昧になっていくのが、爽やかな映画でもありました。
ラストの、トニー・リップの奥さんがドクに対して
「手紙をありがとう」と耳元で囁くシーンが、クスリとして、そして
温かくて私はとても好きでしたね。

そして、この作品もwhite saviorで批判されてしまっているらしく。
white saviorとされた作品の中には私の大好きだった作品も何作も
含まれていて、こういうのを見ると、何だかなぁ・・と思って
しまいます。ポリコレとか、文化盗用とかの議論とかも、同様ですが。
まあ、これは人種差別に疎い日本人である私だから感じる事
なのかもしれないとは思うですけど、どうせエンタメ作品なのだから
もっと素直に楽しめばいいのに、と思うんですけどね。

私にとっては「大感動!」って作品ではなかったのですが、
ホッコリできてクスっと笑える。そんな作品でした。