これが平成最後の観劇という事になりますね。
フレックス勤務だから「定時」という概念は本来無いんですが
やはり「18時になると仕事が終わり」という雰囲気はあるので
18時にダッシュで職場を離脱いたしました。

十二番目の天使「十二番目の天使」名古屋市民会館 あ列(最前列)
18:30開演、20:50終演  原作:オグ・マンディーノ 
脚本:笹部博司  演出:鵜山 仁
出演:井上芳雄、栗山千明、六角精児、木野花、辻萬長、大西統眞、溝口元太、城野立樹、吉田陽登
【あらすじ】
ビジネスで大きな成功を収め、故郷に戻ったジョンは新生活を始めようとした矢先、妻のサリーと息子のリックを交通事故で失う。幸せの絶頂にあったジョンが絶望から人生に幕を下ろそうとしたとき、幼馴染のビルが訪ねてくる。ビルは地元のリトルリーグのチーム監督を引き受けてくれるよう、ジョンに頼みに来たのだった。そのチーム、エンジェルスの監督を引き受けることにしたジョンは、ティモシーという少年と出会う。十二番目のメンバーとしてチームに選ばれた彼は体が小さく、運動神経も悪かったが、決してあきらめることなく人一倍練習に励んでいた。ティモシーの努力に触発されるように、エンジェルスはリーグで快進撃を続け、決勝戦に駒を進める。ティモシーが抱える、ある重大な秘密を誰も知らないまま―


井上芳雄氏が出演されるけど、ストプレだよね?
色々とネット情報が流れてきてはいましたが、あらすじ含めて
全くその辺りは観ないようにして観劇に臨みました。
原作があるらしい事、泣ける話らしい事・・ぐらいですかね
事前に知っていたのは。





うむぅ・・・。
何故この作品を舞台化しようとしたのかなぁ。映像向きの素材
なんじゃないのかな、なんて思うんですけど。

まあ、とにかく思ったのはナレーション(録音していたもの)が多く
それ以外でも説明台詞が多いこと!
一幕は「これ・・・朗読劇でやればいいんじゃね?」と思ったぐらい。
必死で仕事を終えた疲れもあったし、落ちちゃったよね(爆)。
あの内容、ナレーション以外でも内容を伝えられると思うのですよ、
何かしら会話の形にするとかで。
なのに、それをそのままナレーションで説明しきってしまうので、
舞台を観ているというより、2時間ドラマをそのまま舞台に置き換えた
ような印象を受けてしまうんです。
舞台は総合芸術だと思っているので、目を閉じていても特に
支障が無いような作品は、別に舞台でなくてもいいんじゃないすか?
原作ものという制約があったかもしれませんが、あの脚本では・・。

役者の皆さんは芸達者な方が多いから、なおさら勿体ないというか
役者さんの無駄遣い感がハンパないというか。
でも木野花さん、良かったですねぇ。
あの年代の方にありがちなお節介さとか「いるいる!」と言う感じで。
セリフも聞き取りやすいですしねぇ。

でも最後に歌わせちゃう辺りは、演出家の「せっかく井上君が出るから」
という、スケベ心が見え隠れしているように思えてしまって
歌そのものは素敵だったのですが、私には何だか・・・。
手にマイクを持って歌うのも(隠してはいましたが)何だかちょっと
ストプレの舞台の一部として観るには、醒めるというか違和感が・・ね。
ミュージカルファンの方は嬉しかったりするのかも、ですが。

2幕は1幕に比べてナレーションの量も減って、舞台らしくなって
私の目も覚めてまいりました(笑)。
まあ、何となく展開は想像が出来ておりましたので、泣けると言うほど
でもなくて、淡々と観終わった、という感じです。
役者さんや演出とかではなく、作品そのものが全く刺さらなかった
という感じの平成最後の観劇となってしまいました。
えーっと、誤解の無いように言っておくと、「作品の内容が悪い」と
言いたいのではないのです、美しすぎて私の心には残らないという
だけですね(笑)。心が汚れておりますから〜(爆)。
だから某演劇集団も観ない、っていうのに繋がるんですけれども。

それにしても、ミュージカル界のプリンス、井上芳雄氏が父親役かあ・・
そしてそれが似合ってたし、まあ実際に二児の父でもあるし・・
なんて思うと、感慨深かったですね。
そういう意味では、今の井上芳雄氏の等身大の演技が観られたのかもね。
どういう心境で演じているんだろうな、なんて思いを馳せたりして。
井上氏はストプレだと、たまにセリフ回しが気になったりすることも
ありますが、今回は全般的に、そんな事はなく素直に観られました。
説明台詞が多いので、セリフ量も多いですから、大変だったと思います。
上手側の最前列だったので、デスクで苦悩する辺りは、ガン観させて
頂きましたよ(笑)。

個人的にはスタオベするような舞台ですか?と思いましたけど
熱心な方がスタオベされていて、最前列でもありましたので、まあ
不本意ながら、つられスタオベ。
最近はこういう時に頑として立たない!という頑固さが減りました。
日和ったな、自分・・・と、歳を実感したのでした(笑)。