GW最終日もジムに行って筋トレしてから御園座ですよ(笑)。

笑う男(御園座)「笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-」御園座2階4列
12:30開演 15:25終演
原作:ヴィクトル・ユゴー   脚本:ロバート・ヨハンソン
演出:上田一豪   作曲:フランク・ワイルドホーン
出演:浦井健治、夢咲ねね、朝夏まなと、宮原浩暢、石川禅、山口祐一郎、他
【あらすじ】
17世紀のイギリスが舞台。コンプラチコスという人身売買集団に誘拐され口の両端を引き裂かれたグウィンプレン。幼い彼はある日コンプラチコスから吹雪の中一人捨てられる。そして赤ん坊であったデアと出会う...。その後、興行師ウルシュスと出会いウルシュスはグウィンプレンの奇形的な笑顔と盲人であったデアの話をもとに公演を創作し流浪劇団を立ち上げる。やがて時は経ち、グウィンプレンは青年へと成長すると欧州全域で最も有名な道化師となり、妹のように育ったデアと互いに愛情を抱くようになっていた。だがある日、グウィンプレンの前に肉親を名乗る裕福な者が現われる。自分の出生の秘密を知らされたことで平和であった3人の人生に新たな危機が迫る...。



当初は名古屋でリピる予定はありませんでしたが、衛藤デアばかり
観ていたので、夢咲デアも観てみたかったのです。
どうしても歌唱力がね・・・と思ったので、歌がお上手な方だと
浦井君とのデュエットとかも、雰囲気が変わるんじゃないか、と。

私はマチソワも、2日連続で同じ演目を観たのも記憶の限りでは
それぞれ過去1度しかなく、滅多にやらないんですよね。
(やらないと言うより、短いスパンで観るのが勿体ないというか。)
ただGWでどこか遠出をする訳でもないし、2階席ですが、
安く譲っていただけたので「これならば!」と。
これがmy楽という事になりました。
キャスト 5_6

宝塚に詳しいお友達からは「あまり過度の期待をしない方が」
と言った話がありましたが、そうは言っても宝塚出身の方は
基本的には、世間一般で見るとみなさん歌はお上手だと思います。
(レベルが高い宝塚の中では・・って事なんだろうなと思います)

御園座では初めての2階席でしたが、何だかとっても観やすくて。
またセンターブロック(上手より)だった事もあったので
今回観た3回のうちで、一番よく見えて満足感が高かったです。







3回目ともなると、最初に観たときの「ん?」と思うような所も
何だか許せてしまうというか(笑)。「王家の紋章」もそんな感じ
だったなぁ・・なんて思い出したりして。

今回のデアは夢咲ねねさん。
夢咲さんをミュージカルで拝見するのは、3回目か4回目か・・・。
別に私が聴くレベルでは「歌が下手」と言う印象は無かったし、
実際に、もう御一方と比べると断然お上手でした。
だから、グウィンプレンとのデュエットも聞きごたえがあって
「そうそう、こういうのが聴きたかったのよ」と。
ただ、このデアという役を考えたときには、舞台全体から見ると
私は衛藤さんの方が合っていたのではないか?と思いました。
夢咲さんは立ち姿が美しくて、衛藤さんと比べると凛として見える
事も多いし、衛藤さんよりも声量がありますので「気丈な、強い人」
と見えてしまう事もあるのですよね。
女性としては素敵ですが、皆に庇護されないと生きていけない
体の弱い女性・・にしては強いというか。
また足元がしっかりしていて、「見えていない人の足どりですか?」
と思う事もしばしば。

「王家の紋章」でも歌は断然新妻聖子さんのほうがお上手なんですが
舞台として考えると、ダブルキャストの宮澤左江さんのほうが
バランスが良かった、と感じた事を思い出しました。
総合芸術でもある舞台を観る面白さでもあり、どの組み合わせで観るか
悩む所でもありますよね・・・。

そしてリトル・グウィンプレンは今回は下之園嵐史クン。
日生劇場で観たときと同じ子でしたが、この子のほうが私は好きですね
元気だし、芝居心がある感じがして。
でも前日に観た子も決して悪くは無くて、子役ちゃんて本当に
皆さんお上手だなぁ、と感心してしまいました。

この作品は音楽が素敵だな、と思ったのですが、特に好きだったのが
1幕2場の「ガーデンパーティ」。
貴族たちの衣装も素敵だし、コーラスも素敵で幸せな気分になります。
同じく1幕8場の「涙は流して」も好きだなぁ。
フィーヴィーとヴィーナスが襲われたデアを慰めるシーンの曲。

2幕だと6場の「世界を変える」はメロディラインが複雑だし
転調とかもあって歌いづらそうだけど、素敵な曲でした。
続く7場の貴族院での演説の「目を開いて」も良かったです。
ちなみに前日に一緒に観た元同僚は、その後で歌う低音の「笑う男」
がとてもカッコよかった、なんて申しておりました(笑)。

これまた冷静に考えると、ヴィクトル・ユゴーってフランス人。
この作品はイギリスが舞台なんですよね。
イギリスに行った事もなく、この作品を書いたのだとか。
ユゴー自身も貴族院の議員だったり、貧困撲滅の演説を行ったり
したこともある人だったようです。
結局ナポレオンへの抵抗運動に関わったために亡命をせざるを
得なくなり、この作品はその亡命中に書かれた作品という事に
なります。(レミゼを書いた後ですね)
そういう意味では、貴族院で「目を開いて」を歌うグウィンプレンに
自分自身を投影している所もきっとあったんだろうな、なんて
推察できますね。
こういう事が分かると、また舞台の観方が少し変わったのも
事実だったりします。

初見の印象が一番正しいとは思うのですが、何度か観てそれなりに
楽しめた「笑う男」@名古屋だったと思います。


浦井君の今年のお仕事はあとはヘドウィグとビッグフィッシュ。
どちらも新作ではないので、「どんな作品だろう」という
ワクワクが終わってしまったのは残念・・・。
思う所は色々あれど、早くCD欲しいな〜、と待ち遠しい(笑)。