観たい映画が溜まってきたので、仕事帰りにレイトショー。
でもその前にジムに行ってトレーニングをして・・と(笑)。
仕事が終わってからの時間の充実ぶりは、なかなかのモンだと
絶賛自画自賛中。

ガラスの城の約束ガラスの城の約束
監督:デスティン・ダニエル・クレットン
出演:ブリー・ラーソン、ウディ・ハレルソン、ナオミ・ワッツ
【あらすじ】
ニューヨークで自立して暮らす主人公の女性が、関係を絶っていたホームレスの父親との再会をきっかけに、本当の幸せをつかむための人生を再び歩み始める姿を描いた。人気コラムニストのジャネットは、恋人との婚約も決まり、順風満帆な日々を送っていたが、ある日、ホームレスになっていた父親のレックスと再会する。かつて家族のために「ガラスの城」を建てるという夢をもっていた父レックスは、仕事がうまくいかなくなり、次第に酒の量が増え、家で暴れるようになっていった。高校生になったジャネットは大学進学を機にニューヨークへ旅立ち、親との関係を絶とうとしたが……。≪アメリカ製作≫




私がブリー・ラーソンを知ったのは「ルーム」ではなく
「ショート・ターム」で、かつその作品が面白かった
のですよね。そしてこの作品が「ショート・ターム」の監督
だという事だったので、前から興味シンシンだったのです。



 
この作品、フィクションかと思ったらノンフィクションの自叙伝
の映画化だったんですね。それをエンドロールで知って驚きました。

恐らく私のような人間にはこの「父親」は理解できないんだと思う。
酒に溺れ、家族が食べ物が無くても酒を優先し、煙草を吸いまくり、
学校にも通わせず、定住すらしようとしない。
子供が入院しても、料金を踏み倒す。そもそもその入院の原因だって
「お腹が空いた」と言う小さな子供に「自分で作れ」と母親が言い
ソーセージをボイルしている間に火が洋服に引火して、火だるまに
なった・・という、あり得ない話。そもそもアメリカだったら十分
「児童虐待」で捕まるレベルでしょ。

ザックリと腕を切って帰ってきた父親が、幼い娘に裁縫用の縫い針で
縫合させるシーンは、とても観てられなくて(気分悪くなりそうで)
思わず目をつぶっちゃったよね。

観ている私ですら腹が立ったり、絶望したりするぐらいだから
子供たちが逃げ出すのも当然だし、むしろ良くここまで耐えたよね
と思っちゃう。私だったらお金が無くても逃げ出して警察やら
福祉関係の機関に飛び込むよ、きっと。

ただ、嫌悪感だけではないのは、この父親はめちゃくちゃな事を
やってはいるけど、子供の事が憎い訳じゃないのは間違いなさそう。
「幸せ」の価値基準がちょっと違い過ぎるというか、人の価値観を
全く受け入れられない人なだけ、というか、自分優先なだけ、と言うか。
金融アナリストとの生活はセレブ感に溢れていたけど、ラストシーン、
決して豪華という訳ではないアパートで、手料理を作っている様子は
それまでにない柔和な・自然な表情で「落ち着くべきところに
落ち着いた」と言う感じだったのが印象的です。

私はこんな人生は絶対に嫌だけど(笑)、幸せと言えば幸せ・・
なのかも、と思えるエンディングでした。