たまたまミッドランドスクエアシネマで発見したのがこちら。
松竹ブロードウェイシネマかぁ。ナショナル・シアター・ライブ
みたいなものを、松竹がやってるって事なのかな。

ロミオとジュリエット松竹ブロードウェイシネマ「ロミオとジュリエット」
原作:ウィリアム・シェイクスピア 
演出:デヴィッド・ルヴォー 
出演:オーランド・ブルーム コンドラ・ラシャド 他 
【あらすじ】 
イタリアを舞台に繰り広げられる、愛し合う事を禁じられた恋人達の物。代々、キャピュレット家とモンタギュー家は敵同士の仲。そんな中、モンタギュー家のロミオとキャピュレット家のジュリエットが出会ってしまう。 2人の悲恋の結末は、もはや誰にも止められない。 


上演されていたのは、2013年。
ブロードウェイでこの作品が上演されるのは36年ぶりなんだとか。
シェイクスピア作品の中でも上演回数が多い作品だと思うのに!

NTLはもっと観たいと思うのですが、上映している所は名古屋市内でも
行くにはなかなか不便な所で、足が向かなくて。
なので、便利な場所で上映してくれる作品ぐらいは、観ておきましょう
と思いまして。ルヴォー演出にも興味がありましたし。
という事で、ミッドランンドスクエア2で1本観た後で、
ミッドランドスクエアシネマに移動でございます。





もっと、トラディショナルな作品なのかな、と思っていたのですが
現代的にアレンジされた作品なんですね。

舞台を「現代」に設定した、という事でしたので、ロミオの衣装は
白Tにジーパンというラフな姿で、バイクに乗って登場。
・・・なんですが、最近日本でもよく観るような、スマホや携帯が
出てくる事は無いし(原作通り手紙でロミオに連絡を取ろうとする)、
それ以外特に現代らしさもない(というか原作通り)。
序盤のバイクを忘れたら(衣装は別として)「現代」の設定という事を
忘れる程の、中途半端な感じは残ります(笑)。
別に敢えて「現代」にしなくても良かったんじゃないか?

大胆な本火使いの演出はダナミックで、これは恐らく日本の劇場では
観るのは難しいのでは?と思ったり。(火を使う演出は色々と規制が
多いでしょうし、実際に最近は本火は使わない傾向ですしね)
でもなぜか、本物の水とか火が出てくると、観ている人って何故か
テンションあがるんですけどね(笑)。
セットもシンプル、シームレスな演出はスマートです。
テンポも良かったのですが、その為にか最後の霊廟のシーンでパリスが
登場しなかったり、戯曲も一部カットされていたりしました。

ロミオはオーランド・ブルーム。
オーランド・ブルームは私は好きでも嫌いでもない俳優さんなので
個人的には何の感慨も無いのですが(笑)、登場シーンで「ギャ〜!」という
黄色い歓声が沸き上がってまして「オーランド・ブルームというのは
アメリカではアイドルなのか?」「アメリカでは舞台でこういう声を
上げるのは普通なのか?」とか、いろいろ考えちゃう。
日本で登場するだけで「キャー!」となる舞台も、無くは無いですが
私が観るような作品ではまぁ、稀ですよね。(2.5次元とかは分かりません)
すぐに思い出すのは「お気に召すまま」の再演に出演した小栗旬かなぁ。
当時は凄い人気でしたから。日本だと歓声を上げるよりも、登場時に
拍手する、と言う反応の方が一般的な気がします。

そういったオーランド・ブルームの立ち位置もですが、それ以外にも
原作に忠実な内容でも「え、そこ笑う?」と思う部分での笑いが
結構何か所もありまして。
それは、英語を母国語とする人たちだからこそ分かる、笑える
ニュアンスがあるのか、国民性や背景にある文化の違いによるものか
観客の反応が、なかなかに興味深かったです。

オーランド・ブルームは熱演されていて、舞台も出来る方なんだな
と思いましたが、それ以外のキャストの方も、素晴らしかった。
これ、生で観たら、凄い声量なんだろうな、なんて思ったり(笑)。
あと、音楽がドラマチックですね。
これ、最近観た外国人演出家の舞台(ハムレットとか)でも感じてて
海外ではこういう音楽の使い方がトレンドなのか?と思ったりも
しましたが、この作品は2013年上演なので、必ずしもそうは言えない
かもしれません。

ただ、個人的には期待した程ではなかった・・かな。
特にラストがね、なんか呆気ない幕切れで。
ここに情緒を求めるのは、私が日本人だからかもしれませんね。
でも、ブロードウェイの舞台を観るなんて、なかなか機会が無いので
ありがたい。(昔は「CHICAGO」を観に行ったものです)

欲を言えば、NTLを名古屋駅前でも上映して欲しいなぁ(涙)。