毎年欠かさず観ているカンパニーですが、最近は公演数も
めっきり減ってしまい「今年は観られるかな」とドキドキもの。
東京公演は予定が合わなかったので、滋賀まで青春18きっぷで
やってきましたよ。たまたま予定が空いている日でよかった・・。
子供のためのシェイクスピア「じゃじゃ馬ならし」
この「びわ湖ホール」は色々な方から「素敵な劇場ですよ」と
伺っていたので、それも楽しみだったんですよね。
劇場のすぐ裏は琵琶湖。天気もいいし、眺めも本当に素敵。
めちゃくちゃ暑いし、来るまでに結構疲れていたんですが
(何せ朝イチでジムで筋トレしてから向かっていますので)
この景色を見たら「来てよかった」とすっかり観光客気分(笑)。
現金なものです。
めっきり減ってしまい「今年は観られるかな」とドキドキもの。
東京公演は予定が合わなかったので、滋賀まで青春18きっぷで
やってきましたよ。たまたま予定が空いている日でよかった・・。
子供のためのシェイクスピア「じゃじゃ馬ならし」
滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール A1列(最前列)
14:00開演 16:10終演
14:00開演 16:10終演
原作:W.シェイクスピア 脚本・演出:山崎清介
出演:山口雅義、戸谷昌弘、若松力、加藤記生、鷹野梨恵子、大井川皐月、川澄透子、山崎清介
【あらすじ】
パデュア村の金持ちバプティスタには二人の娘がいる。妹のビアンカはしとやかな器量よしで求婚者は星の数ほど。問題は、姉のキャタリーナが未婚で、しかも評判のじゃじゃ馬娘なこと。キャタリーナが片付かないと誰もビアンカと結婚できないが、あのじゃじゃ馬に貰い手がつくとも思えない…。と思いきや、荒ぶるじゃじゃ馬の上をゆく男ペトルーチオが現れて、強引にキャタリーナを妻としたものだから、ビアンカに群がる男たちの争いはエスカレート。一方、妻となったキャタリーナは、思いもよらぬ展開へー。
出演:山口雅義、戸谷昌弘、若松力、加藤記生、鷹野梨恵子、大井川皐月、川澄透子、山崎清介
【あらすじ】
パデュア村の金持ちバプティスタには二人の娘がいる。妹のビアンカはしとやかな器量よしで求婚者は星の数ほど。問題は、姉のキャタリーナが未婚で、しかも評判のじゃじゃ馬娘なこと。キャタリーナが片付かないと誰もビアンカと結婚できないが、あのじゃじゃ馬に貰い手がつくとも思えない…。と思いきや、荒ぶるじゃじゃ馬の上をゆく男ペトルーチオが現れて、強引にキャタリーナを妻としたものだから、ビアンカに群がる男たちの争いはエスカレート。一方、妻となったキャタリーナは、思いもよらぬ展開へー。
この「びわ湖ホール」は色々な方から「素敵な劇場ですよ」と
伺っていたので、それも楽しみだったんですよね。
劇場のすぐ裏は琵琶湖。天気もいいし、眺めも本当に素敵。
めちゃくちゃ暑いし、来るまでに結構疲れていたんですが
(何せ朝イチでジムで筋トレしてから向かっていますので)
この景色を見たら「来てよかった」とすっかり観光客気分(笑)。
現金なものです。
このカンパニーの作品は2008年の「シンベリン」から観ていて
「次はどんな作品なんだろう」と毎年楽しみにしているんですが
あまりテンションが上がらなかった演す、「じゃじゃ馬ならし」は。
蜷川シェイクスピアで1度観ていて、演劇としては面白いと思いましたが、
戯曲自体があまり好きになれないというか。
色々な所で書かれている話だとは思いますが、この戯曲の中の
ジェンダー感が、なかなか・・なので、あれをガチでやられると
フェミニズムとか全く興味が無くても、一応は私も女ですので
「おいおい」と思う所もあってですね・・。
ただこの作品に関しては、私のような感情を持つ人が居るだろう
という事を想定した内容になっていたんじゃないかな、と。
現代で受け入れられやすいように考えられているというか。
セリフの中でも「男尊女卑の話」っていう自虐フレーズがありましたし、
何より、作品の構造が結構工夫されていたんですよね。
この作品の特徴は全体が「劇中劇」になっているという所。
酔っぱらったクリストファー・スライが、騙されて芝居を観る・・
という流れで、蜷川シェイクスピアではスライ役の役者と
その奥さん(のフリをしている役の人)は実際に客席に降りてきて
舞台を観る、と言う演出でした。
そして、その劇中劇の終わり=この「じゃじゃ馬ならし」の終わりで、
現実と劇中劇の境目がぼんやりしたまま終わってしまいます。
でも今回は、クリストファー・スライ自身が劇中劇のペトルーチオを
演じており、最後に劇が終わって現実に戻る、と言う構造になっています。
また最後の「自分の奥さんの従順さを競う」シーンは無くなってました。
あそこ、今の時代から見るとちょっと違和感があるシーンなので
このシーンが無くなった事と、劇中劇の部分の終わりが明確になった事で
「妻を調教する」事が「劇=フィクション」だという事も明確になって
違和感が少なくなったような気がします。
かといってセリフをカットした訳じゃないのですが、同じセリフでも
受ける印象が、かなり違っていたんです。
それにしても、妻を「調教」するために、眠らせないとか
食べ物を与えないとか、完全にカルトの洗脳と同じだよね・・と
思ってましたが、前回観劇した時にも同じことを思っていたようです(笑)。
このカンパニーでお馴染みの役者さんもいらっしゃれば、はじめまして
の方もいらっしゃいますが、キャタリーナを演じた鷹野梨恵子さん、
ものすごい迫力でギャンギャン喚いて、「わあ、こんな人が居たら
ちょっと近寄りたくないかも?」と思うほど、熱演されていたんですが
だからこそ、ラストシーンがドラマチックで素敵でした。
緩急つけた演技、観応えがありました。
どこかで拝見した事があるような気がするのですが、初見のようです。
もうこのカンパニーには欠かせない若松力さんはクリストファー・スライ
そしてペトルーチオの二役。割と「誠実な役」を演じるイメージが強い
方ですが、だらしないスライと、傲慢なペトルーチオの二役は意外。
でもちっとも違和感なく観られましたよ。
机から降りるときには片手側転で降りるとか、相変わらず身体能力の
高さを見せてくれました。
このカンパニーはエンディングが毎回、創意工夫されていて
それも楽しみなのですが、今回はとてもロマンチックでした。
自分がペトルーチオを「演じて」いただけけで、キャタリーナと結ばれた
というのも「お芝居」での話。「お芝居」が終わった後では
舞台衣装を脱いでスライに戻り、一人ぼっちになったところに
1人戻ってくる、キャタリーナを演じていた女性。
そこで二人は、「お芝居」でのペトルーチオとキャタリーナではなく
スライと旅役者の一人として、最後に結ばれて終わるーというもの。
そう言えば、このカンパニーでガチのキスシーンなんて初めてじゃない?
と思うんですけど・・。
この時の鷹野梨恵子さんの表情がとても良かった、というのも印象的で。
「それじゃ、お芝居の主題が変わっちゃうんじゃないの?」と言う意見も
あるかと思いますが、私はこの演出、結構好きです。
年々規模が小さくなってしまっているこのカンパニー。
これからどうなっちゃうの?来年は観られるの?と心配は尽きないのですが
少なくとも、今年も観られてよかった・・という事と、今年の作品は
とても良かった・・・!という事で、遠くまで来た甲斐があったというもの。
そう言えば、この公演はお子様の観劇率が高かったなぁ。
東京や名古屋、武豊、静岡・・と、色々な所まで追いかけて観劇を
続けていますが、名古屋とかは本当に子どもの観劇数が少ないので
そういうモノかな?と思っていましたが、今回は結構な数のお子様が
いらっしゃっていて、恐らく劇場側が力を入れているかどうか・・で
変わってくるんだろうな、と思いました。
土曜の昼公演という事もあるとは思いますが。
3時間近くかけてやって来て、とんぼ返りするのも勿体なく、
劇場にあるカフェコーナーで、琵琶湖を眺めながらケーキセットを頂き
少しだけ観光気分を味わってから、のんびり帰途につきました。
あー、どこででもいいから、来年もまた観られますように!
気になって、過去の蜷川シェイクスピアの録画を観なおしてみましたが
随分違う作品になってるなーと改めて思いました。
「次はどんな作品なんだろう」と毎年楽しみにしているんですが
あまりテンションが上がらなかった演す、「じゃじゃ馬ならし」は。
蜷川シェイクスピアで1度観ていて、演劇としては面白いと思いましたが、
戯曲自体があまり好きになれないというか。
色々な所で書かれている話だとは思いますが、この戯曲の中の
ジェンダー感が、なかなか・・なので、あれをガチでやられると
フェミニズムとか全く興味が無くても、一応は私も女ですので
「おいおい」と思う所もあってですね・・。
ただこの作品に関しては、私のような感情を持つ人が居るだろう
という事を想定した内容になっていたんじゃないかな、と。
現代で受け入れられやすいように考えられているというか。
セリフの中でも「男尊女卑の話」っていう自虐フレーズがありましたし、
何より、作品の構造が結構工夫されていたんですよね。
この作品の特徴は全体が「劇中劇」になっているという所。
酔っぱらったクリストファー・スライが、騙されて芝居を観る・・
という流れで、蜷川シェイクスピアではスライ役の役者と
その奥さん(のフリをしている役の人)は実際に客席に降りてきて
舞台を観る、と言う演出でした。
そして、その劇中劇の終わり=この「じゃじゃ馬ならし」の終わりで、
現実と劇中劇の境目がぼんやりしたまま終わってしまいます。
でも今回は、クリストファー・スライ自身が劇中劇のペトルーチオを
演じており、最後に劇が終わって現実に戻る、と言う構造になっています。
また最後の「自分の奥さんの従順さを競う」シーンは無くなってました。
あそこ、今の時代から見るとちょっと違和感があるシーンなので
このシーンが無くなった事と、劇中劇の部分の終わりが明確になった事で
「妻を調教する」事が「劇=フィクション」だという事も明確になって
違和感が少なくなったような気がします。
かといってセリフをカットした訳じゃないのですが、同じセリフでも
受ける印象が、かなり違っていたんです。
それにしても、妻を「調教」するために、眠らせないとか
食べ物を与えないとか、完全にカルトの洗脳と同じだよね・・と
思ってましたが、前回観劇した時にも同じことを思っていたようです(笑)。
このカンパニーでお馴染みの役者さんもいらっしゃれば、はじめまして
の方もいらっしゃいますが、キャタリーナを演じた鷹野梨恵子さん、
ものすごい迫力でギャンギャン喚いて、「わあ、こんな人が居たら
ちょっと近寄りたくないかも?」と思うほど、熱演されていたんですが
だからこそ、ラストシーンがドラマチックで素敵でした。
緩急つけた演技、観応えがありました。
どこかで拝見した事があるような気がするのですが、初見のようです。
もうこのカンパニーには欠かせない若松力さんはクリストファー・スライ
そしてペトルーチオの二役。割と「誠実な役」を演じるイメージが強い
方ですが、だらしないスライと、傲慢なペトルーチオの二役は意外。
でもちっとも違和感なく観られましたよ。
机から降りるときには片手側転で降りるとか、相変わらず身体能力の
高さを見せてくれました。
このカンパニーはエンディングが毎回、創意工夫されていて
それも楽しみなのですが、今回はとてもロマンチックでした。
自分がペトルーチオを「演じて」いただけけで、キャタリーナと結ばれた
というのも「お芝居」での話。「お芝居」が終わった後では
舞台衣装を脱いでスライに戻り、一人ぼっちになったところに
1人戻ってくる、キャタリーナを演じていた女性。
そこで二人は、「お芝居」でのペトルーチオとキャタリーナではなく
スライと旅役者の一人として、最後に結ばれて終わるーというもの。
そう言えば、このカンパニーでガチのキスシーンなんて初めてじゃない?
と思うんですけど・・。
この時の鷹野梨恵子さんの表情がとても良かった、というのも印象的で。
「それじゃ、お芝居の主題が変わっちゃうんじゃないの?」と言う意見も
あるかと思いますが、私はこの演出、結構好きです。
年々規模が小さくなってしまっているこのカンパニー。
これからどうなっちゃうの?来年は観られるの?と心配は尽きないのですが
少なくとも、今年も観られてよかった・・という事と、今年の作品は
とても良かった・・・!という事で、遠くまで来た甲斐があったというもの。
そう言えば、この公演はお子様の観劇率が高かったなぁ。
東京や名古屋、武豊、静岡・・と、色々な所まで追いかけて観劇を
続けていますが、名古屋とかは本当に子どもの観劇数が少ないので
そういうモノかな?と思っていましたが、今回は結構な数のお子様が
いらっしゃっていて、恐らく劇場側が力を入れているかどうか・・で
変わってくるんだろうな、と思いました。
土曜の昼公演という事もあるとは思いますが。
3時間近くかけてやって来て、とんぼ返りするのも勿体なく、
劇場にあるカフェコーナーで、琵琶湖を眺めながらケーキセットを頂き
少しだけ観光気分を味わってから、のんびり帰途につきました。
あー、どこででもいいから、来年もまた観られますように!
気になって、過去の蜷川シェイクスピアの録画を観なおしてみましたが
随分違う作品になってるなーと改めて思いました。