一部と二部の間には45分間しかない。
このバタバタも三部制の納涼歌舞伎の風物詩ですよね。
時間もないし、やりたいことも無いので私はそのまま
歌舞伎座の中にて二部の開演待ち。
 
八月納涼歌舞伎「八月納涼歌舞伎 第二部歌舞伎座2階8列
15:00開演 17:40終演
東海道中膝栗毛











ここ数年の定番ですよね、この顔ぶれでの東海道中膝栗毛。
2017年にも観ていますが、このテイストは正直好みではないので、
3等B席で!と思ったのですが、よく考えたらこの演目は3階席が
ある意味一番オイシイ席な訳で、当然あっと言う間に売切れ。
私ごときの会員種別では手に入らず(笑)。←少し出遅れたし。
もう観るのを止めようかとも思ったのですが、折角延泊した
のも勿体なく、2等席にて観劇です。







昨年の内容を観ていないので、想像で補う部分もありますが
恐らく一度死んでるんですよね?弥次さんと喜多さんは。
今回は「・・・って言う今までの事は全部夢でした」って所から
始まります。
すごいご都合主義(驚)。
でも、それが許せちゃうのがこの演目なのでしょう(笑)。

まあ、いろんなパロディやらイジリがいっぱい出てきます。
中車さんがカマキリだったり、「おとなの保険」だったり
親子ネタとか(笑)、「いだてん」ネタもありましたね。
こういうのは本来「過ぎたるは及ばざるがごとし」だと思ってますが
何故か許せちゃうのも不思議なところ(笑)。

でも本気で(?)パロってたのが「女殺油地獄」でしょう。
壺に入っているのが「油」じゃなくて「とろろ」になってましたし
ただの白い液体みたいだったのですが(女殺油地獄はもっと
粘度の高い液体ですしね)割ときちんとパロっていた気がします。
そう言えば、セットは「御存 鈴ヶ森」もありましたよね?
歌舞伎が詳しい方がご覧になったら、きっともっと沢山気づく
パロディもあったんでしょうね。

私が初めて観た時は、あまりのぶっ飛び具合に「ちょっと苦手・・」
と思ったものですが、今回はちょっと印象が違ってた。
もちろんぶっ飛んでたし、客席もそれを楽しみにしているという
感じが伝わってきましたけど、一つの舞台としてちゃんと成立を
させよう、という気持ちがきちんと伝わってきたというか。
なので、初めて観た時のような苦手感はあまり感じなかったかな。
猿之助さんと幸四郎さんの早替りという、歌舞伎の芸をガッツリ
堪能させてもらえた、って言うのも良かった。

途中で「カツラが取れてしまう」アクシデントがあったのですが
どうやら「毎回起きることになっている」アクシデントのようで(笑)。
そう思わせない役者さん、お上手だなと思います。

第一部で「怖い」けど「凄い」と思った幸四郎さんは、
水の中の立ち回りでは、敢えて自分から水流の強い所に顔を
突っ込んで行ったりして笑わせる一方で、水中での立回り中に
子供たちの刀が下に落ちてしまったのを拾って、彼らが
拾いやすい位置・角度に置きなおすといった冷静さもあって
違う意味で「凄いなぁ」と思ったのでした。

今回は割と楽しめた!と思うのですが、元々コメディが苦手なので
次回作があったとして、次も観ますか?と言われても即答は
出来ないんですが(笑)。