日曜のマチネが終わり、空は晴天。
帰りが面倒な事になりそうなので、もうそのまま名古屋に帰りたい・・
と思ってはいたのですが、この晴天だと、やっぱり未練が。
という事で、マチネを一緒に観劇したお二人と別れて
東銀座に向かいました。

秀山祭九月大歌舞伎「秀山祭九月大歌舞伎」夜の部:歌舞伎座3階4列
16:30開演、18:05終演
寺子屋
歌舞伎十八番の内 勧進帳(観てません)
秀山十種の内 松浦の太鼓(観てません)








恐らく、3本目の「松浦の太鼓」は観れないだろう。
(終電は運行予定だが、夕方から間引き運転が始まると聞いていた)
だったら、20時くらいに、「勧進帳」が終わったら帰ろうか
と思い、新幹線の指定を変更しようと思ったら、もうその
時間帯の新幹線は指定券がネットでは買えなくなっている。

まあ・・・そのまま乗ってもいいよね、と思い自由席に
変更する事はせずに「寺子屋」を観て、幕間でTwitterを
確認したところ「最終列車が19時に繰り上がった」との事。

まじか。

既に18時過ぎだったので、慌ててロッカーから荷物を出し
イヤホンガイドを返却し、東京駅に向かったのでした。
まあ・・無事に帰れたのでいいんですけど、何だかな・・
勿体なかったな、色々と。






菅原伝授手習鑑
一、寺子屋(てらこや)
松王丸・・・吉右衛門
園生の前・・・福助
千代・・・菊之助
戸浪・・・児太郎
涎くり与太郎・・・鷹之資
菅秀才・・・丑之助
百姓吾作・・・橘三郎
春藤玄蕃・・・又五郎
武部源蔵・・・幸四郎


正直、あまり得意な演目ではない「寺子屋」。
何度か観ていると思うのですが、あまり強く印象に残るという
感じでもなくて。主君の為とはいえ、今日、手習いに通い始めた
ばかりの子が「身替りにちょうどいい!」と思い、その通りに
殺してしまうとか、全く理解不能ですから。
確かに今回観ても「面白い」という感想ではなかったのですが、ただ
「すごい」と思いました。

とにかく、一番印象に残っているのが吉右衛門丈です。
私が観た後で休演なさったので「大丈夫かっ!?」と思いましたが
無事公演期間中に復帰され、一安心。
病気を患っているような、弱々しい様子、源蔵の家を出て
元気に・・じゃなかった、力強く走り去る様子の差も「おお」と思います。
この演目の見どころが「泣き笑い」だという事は知っていましたが
今回は圧倒されたー・・。切なかったー・・・。

源蔵も色気のある役者さんの方がいい、という事らしいですが
(浮いた過去のある男なので)幸四郎さんはそこはバッチリですし
出来るビジネスマン風の雰囲気も醸し出せつつ、控えめな演技で
とても良かったと思います。

あと、菊之助さんの千代も良かったです。しっとりと、落ち着いて
いるというか、肝が据わっていながらも、哀しさが感じられて。
色んな役がおできになる方なんだなぁ・・と改めて。

あと、丑之助くん!お品がありますねぇ・・。
そういう役だから、なのかもしれませんが、将来が楽しみ。
福助さんは今回は歩いていらっしゃいましたね!
正直まだ、足どりとしては・・・という感じなので、役は限られて
しまいますね・・とは思いますが、復帰された公演の時に比べると
ずっと違和感が無くなったように思います。


出来れば全部観たかったです・・・・。
(周りもチラホラと空席が目立っていましたので、最初から
 諦められた方も、いらっしゃったんだろうと思います)